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入学式挨拶(2025年7月5日)

みなさん、本日はご入学、おめでとうございます。世界のいろいろなところから、このように多くの方々がこのKCPに入学してくださったことを、本当にうれしく思っています。

みなさんは、コスパ、タイパという日本語を聞いたことがありますか。コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスの略語で、このところ至る所で使われています。かけたお金や時間に見合うだけの収穫があったかどうかを問う概念です。

このうち、コストパフォーマンスは昔から使われていました。資本主義体制下の私企業、営利企業は、第一に利益を追求しますから、その根っこの部分にこういう発想があってしかるべきです。私が社会人になった1980年代では、就職して最初に叩き込まれる考え方でした。これが一般に広まり、コスパと略されるようになったのは、2000年以降ではないかと思います。

タイパは、コスパの発想を時間にも拡張したもので、コスパよりも少し遅れて2010年頃から人口に膾炙するようになったと記憶しています。

コスパもタイパも、物事を合理的に要領よく進めよう、無駄を省こうという考え方に基づいています。“安くておいしい”を具現するとコスパのいいレストランになり、でも長時間並ぶとなると“タイパはちょっと…”ということになります。また、タイパの究極の姿が、いつでもどこでもスマホを見る習性に結びついているのではないかと私は思っています。

翻って、語学留学を考えてみましょう。パンデミック以降、オンライン授業が充実し、自分の国に居ながらにして外国語を身に付けることも容易になりました。そういう意思を持った学習者向けの教材も驚くほど出ています。これらを使えば、日本まで来なくても日本語は勉強できます。現に、KCPで1年かかる勉強を半年で済ませて入学した学生も今までに何人かいました。タイパから言うと、留学は旗色があまりよくなさそうです。

また、日本で勉強するには、まず、日本までの渡航費が必要です。それから、ご家族と一緒に住んでいればかからない住居費もかかります。食費も、一人暮らしになると、ご家族と一緒だった時に比べて割高になります。もちろん、KCPの授業料も支払わなければなりません。百万円単位のお金をかけているのですから、相当高度な日本語を身に付けない限り、コスパでも留学は厳しいものがありそうです。

こう考えると、日本留学は、する価値があるのでしょうか。コスパ、タイパの面からは、やめた方がいいという結論に至っても不思議ではありません。にもかかわらず、なぜ、日本中で10万余もの留学生が日本語を勉強しているのでしょう。100名を優に超えるみなさんが、この入学式の場に集っているのはどうしてでしょう。

得がたい経験をしたいからだと言う人もいます。生の日本語、生の日本文化に触れるには日本で勉強するのが一番だともよく言われます。ある人は、自立するためだと言います。

確かにそうです。これらを成し遂げるには、コスパ、タイパを度外視しなければならないこともあるでしょう。しかし、同時に、それ相応の覚悟が要求されます。3食をコンビニ弁当で済ますなら、1日中全く日本語を使わないで過ごすことも可能です。日本文化に触れるという名目で、スマホかパソコンで日本のアニメを見るだけなら、日本にいる必要など全くありません。原宿や秋葉原で遊び回るのであれば、留学などという小難しいお題目を唱えず、観光旅行で十分です。その方が、生活上の縛りが緩く、存分に楽しめます。

そうではなく、留学という道を選んだからには、KCPで必死に何かをつかみ取ってください。私たち教職員はみなさんを満足させるだけの授業や活動や、留学生活の支援などを用意しています。ですから、みなさんはそれをしっかりと受け取ってください。そして、お金と時間をかけて日本へ来てよかったと思える留学生活を送ってください。コスパ・タイパ至上主義を笑い飛ばしてください。

本日は、ご入学、本当におめでとうございます。

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デビュー戦

7月4日(金)

Sさんは最上級クラスの学生です。読解も作文もよくできて、クラスの中でもトップを争う成績です。最上級クラスの首席をうかがうということは、KCPで一番日本語力が高いということです。唯一の弱点は、口数が少ないことで、こちらから水を向けないと授業中一言もしゃべらないことすらあります。でも、グループワークでは、ユニークなアイデアを出したり他のメンバーが気づかない点から発言したりしていますから、クラスのみんなから一目置かれています。

そのSさんに入学式の通訳を頼んだのは、期末テストの直前だったでしょうか。断られるかなと思ったら、「できると思います」と返事をしてくれました。Sさんにはこういう晴れの場で自信をつけて、さらに力を伸ばしてもらいたいと思って、通訳に選んだのです。

入学式の通訳は、基本は司会の教師の日本語を自分の母国語で新入生に伝えるのが任務です。台本がありますが、それを読み上げるだけではありません。臨機応変に対応しなければならないこともあります。また、入学式の後は新入生との懇談会(?)で自分の体験を披露したり、時には留学生活のアドバイスをしたりします。ですから、ただ単に日本語が上手なだけでは務まらないのです。

通訳は、自分の語学力を他人のために使う仕事です。人助けという面もあります。やさしい気持ちにもなります。ですから、やり遂げた時の充実感、高揚感が大きいようです。それを味わったSさんの笑顔を、今から楽しみにしています。

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暑いですね

6月27日(金)

朝、出勤のために外に出たら、ムッとした熱気を感じました。地面が濡れていましたから、夜中に雨が降ったようです。雨が降って気温が下がればいいのですが、湿度が上がって蒸し暑くなり、その熱気が私に襲い掛かってきたのです。真夏ほどではありませんが、駅まで数分の道のりで、うっすら汗をかきました。

午前中仕事をしていると、近畿以西が梅雨明けしたというニュースが聞こえてきました。ほんの数日前、梅雨明けまで1か月くらいかかりそうだという話を聞いたような気がするんですが、九州から近畿までは、平年よりかなり早い梅雨明けを迎えました。

関東も、もうすぐ梅雨明けかなと思って予想天気図を見てみると、梅雨前線の動きが微妙です。南下する予報が出ています。週間予報を見ても、傘マークこそ出ていませんが、“梅雨明け10日”と言われるような晴天続きにもならないみたいです。何より、日中は晴れたものの湿度が高かったですから、東京を覆っている空気がまだ梅雨です。気象庁の観測データを見ても、東京の湿度は70%前後で、梅雨が明けた大阪は50%を切っていますから、だいぶ高いです。

さて、そんな中、アメリカの大学のプログラムで来ている学生たちは、そのプログラムの一環として、山梨旅行をしています。アメダスの観測によると、甲府の最高気温は35.0℃で猛暑日、全国2位タイでした。よりによってとんでもない日に行ったものです。何の連絡もないということは、熱中症で倒れたとかという人もいなかったのでしょう。この暑さも、日本の思い出になるのかな。

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進学フェア

6月9日(月)

12時少し前に私が6階の会場であいさつするころには、すでに数名の初級の学生が講堂の入口で待ち構えていました。私が教えているレベル1のクラスのSさんの顔もありました。

定刻12時になると、Sさんたちが狙っていた大学のブースに向かって行きました。いよいよ大学・大学院進学フェアの開始です。レベル1のクラスでも下位のTさんの姿も見えました。Sさんはともかく、Tさんは日本語で大学の担当者とやり取りできるとは思えないのですが、4つか5つの大学の話を聞いていました。盛んにうなずいていましたから、少しは話がわかったのでしょう。日本語力よりもコミュニケーション能力で勝負といったところでしょうか。Tさんの意外な側面を垣間見ました。

12:15に午前の授業が終わるや、Hさんが会場に飛び込み、一目散に第一志望の国立大学の元へ。その後、予定外の大学の話も聞いて、満足気に帰っていきました。Cさんも第一志望の大学のブースで長い時間話を聞いていました。日本語プラスの理科に出ている学生たちは、先週の授業で話を聞くべき大学を指示しておいたので、その大学の話に耳を傾けていました。

今度の日曜日が今年1回目のEJUですから、進学に対する具体像が描けないというのが、学生たちの本音でしょう。でも、そういう時期から動き回って、いろいろな大学の話を聞いたり実際に見に行ったりしていくと、秋口の受験シーズン本番で慌てふためくこともありません。“まだまだ”なんて思っている学生が、結局泣きを見るのです。

さて、KCPのみなさんは、好スタートを切れたかな…。

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1日限りのこいのぼり

5月1日(木)

今朝、校庭の上空にこいのぼりが泳ぎ始めました。4匹家族のささやかなものですが、こいのぼりを見上げると、心も上向きになります。気が付いた学生は、写真に撮っていました。残念ながら、明日は運動会で、しかも雨の予報ですから、また、その後4連休ということもあり、こいのぼりは夕方にはしまわれてしまいました。地元のみなさんもKCPの毎年こいのぼりを楽しみにしてくださっているとのことですが、今年はほんの数時間の遊泳でしたから、果たして楽しんでいただけたでしょうか。

上述のように、明日は運動会です。教職員はその準備にかかりっきりです。私も、授業で学生と一緒にラジオ体操の練習をしました。ラジオ体操は、小学校などでがっちり仕込まれ、大半の日本人ができるという意味では、立派な日本文化の1つです。私も体が覚えていて、例の音楽が流れ始めると、自然に腕を回したり体をひねったりしていました。教卓とホワイトボードの間の狭いすき間でしましたから、体を存分に動かせたわけではありませんが、深呼吸の頃にはうっすらと汗をかいていました。

明日は雨という予報が若干気がかりです。“学校へ行くより時間がかかるんなら、雨も降ってるし、明日から連休だし、休んじゃおうかな”などと考える不届き者が出かねません。最近の学生は、出席率が下がるのを気にしないきらいがあります。頭が痛いです。

KCPのこいのぼりは1日足らずでしたが、運動会会場までの道すらが、曇り空ながらも風にそよぐこいのぼりが見られるのではないかと期待しています。

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だれにしようか

4月26日(土)

来週の金曜日が運動会ですから、土曜日にわざわざ出勤してきた教師は、その準備に力を注ぎました。各競技をどうやって進めるかはもちろん、種々の小道具の作成も、こういう授業のない日でないとなかなか進みません。授業の合間に、学生の切れ目を見計らってでは、仕事が細切れになってしまいます。

N先生は、自分のチームの学生を読んで、チームの応援旗を作ったり、応援のフォーメーションの練習をしたりしていました。KCPの運動会は紅白2チームではなく、4チーム対抗です。他のチームを圧倒するような応援となると、核になる学生が欲しいところです。2階のラウンジでやっていた練習に参加していた学生たちは、当日応援の主力メンバーとなることでしょう。

私はというと、かなりの時間を割いて人繰りをしていました。私が受け持っている最上級クラスは、もっぱら競技役員です。朝の駅から体育館までの道案内や体育館内の会場設営から始まって、競技の最中は出場する選手を並べたり審判の補助をしたり、体育館内で喫煙など悪いことをする学生がいないか見回りをしたり、運動会終了後は後片付けもしてもらいます。どの競技のどんな仕事に誰を貼り付けるかという、学生の割り振りをしていたというわけです。

学生に手伝ってもらうのは、教職員だけでは手が足りないからというのが第一の理由ですが、それだけではありません。通訳というのも重要な仕事です。来日1か月ほどの初級の学生との意思疎通には、上級の学生たちの通訳が欠かせません。恩着せがましい言い方をすると、こういう場で通訳した経験が、自分の日本語力に対する自信につながるものですから、そういう経験も差せたいのです。

さらに、気働きを実地体験してもらいたいと考えています。国では大事に育てられてきたでしょうから、学生の側が気働きをする必要などなかったことでしょう。日本で生活するようになって多少はそういうことができるようになったでしょうから、その成果を存分に発揮してもらいたいところです。運動会での仕事の内容は一応決まっていますが、当日その場の流れに合わせて機転を利かせることも求められます。そういうことができそうな学生を要所要所に配置することに、朝から時間を費やしたというわけです。

学生たちはわりと気安く日本で就職したいと言いますが、日本で働く際には気働きができることが不文律みたいなものです。私も、運動会の日には、学生たちの気働きをじっくり観察するつもりです。

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準備は着々と

4月4日(金)

月曜日に予定している入学式の準備をしました。準備と言っても、主たる仕事は椅子並べと椅子運びでした。今学期は入学性が多いので、講堂に目いっぱい椅子を詰め込まなければなりません。講堂に常備している椅子だけでは足りませんから、教室の椅子も動員したという次第です。

椅子で埋め尽くされた講堂をステージから見下ろすと、壮観ですらありました。この椅子1つ1つに新入生が座った場面を想像すると「密」そのもので、数年前だったら一発アウトだったでしょう。今でも、体の大きな学生がおおぜいいると、相当な圧迫感を受けそうな気がしました。

とはいえ、多くの新入生が来てくれることはありがたい限りです。この新入生たちを教え導いていくのは容易なことではありませんが、これこそが学校本来の姿です。そういう意味ではやりがいも感じています。これは私だけではなく、昨日新学期の打ち合わせにいらっしゃった先生方も感じておいでのようでした。

職員室では印刷教材づくりが盛んに進められています。新入生だけではなく在校生も使います。学生にとっては、新しいレベルの勉強の伴走者です。教科書を補う資料や練習問題など、教師が頭を悩ませながら精魂込めて作り上げた珠玉の1冊1冊です。入学式の翌日の始業日に、学生たちの手に渡ります。

私のクラスにはどんな新入生が来るのでしょうか。今学期はレベル1も受け持ちますから、クラス全員が新入生の日もあることでしょう。楽しみでもあり、ちょっぴり恐怖でもあり…。

月曜日は、春の日差しが新入生を迎えてくれそうです。

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ちょっと違った卒業式

3月12日(水)

朝、マンションの外に出ると、道が濡れていました。学校に着く直前に、ごく弱い雨に降られました。卒業式で四谷区民センターまで移動するのですが、傘は使いたくないんですが…。

8時頃、和服にコートという和洋折衷みたいな恰好のKさんが、「寒い、寒い」と言いながらロビーに入ってきました。和服とは言うものの、浴衣に近いものですから、そりゃあ、寒さに打ち震えたくもなるでしょう。その“和服”も着崩れてしまって、冷たい空気が直接懐に流れ込んできますから、よけいに寒いのです。ロビーの壁際に立っているKさんの前をいろいろな先生が通るたびに、着方を直されていました。見るに見かねて手を出したくなる着崩れようなのです。

開場の9時近くに区民センターのホールへ行くと、すでに10名ほどの学生が来ていました。みんな正装していました。入試の面接試験のためにそろえたスーツを着てきたのでしょう。LさんやSさんは、Kさんとは違って本格的な和装でした。歩き方がぎこちないのは、やむを得ないところでしょうか。

今年は会場の都合で、区民センターは午前中だけで、午後からはKCPの講堂で続きを行うという形です。卒業生ひとりひとりに証書を手渡すのは午後の部です。午前中は理事長から祝辞をいただき、皆勤賞などの表彰をし、演劇部と琴クラブの発表がありました。私がセリフを4つ5つ言った演劇部は、みんな堂々と演技し、卒業生から大きな拍手をいただきました。琴クラブの演奏は、たぶん初めての曲じゃなかったでしょうか。長い曲でしたが、一糸乱れぬきれいな音色がホール中に響きました。

そして、教職員による歌。私は皆さんの足を引っ張らないように隅っこに立っていましたが、N先生やY先生たち実力派の先生方のリードによって、卒業生たちの気持ちを引き付けることができました。

ここまでで午前の部が終わり、私は大急ぎで学校へ。卒業生が三々五々移動してきたところで、証書の授与式。区民センターよりもずっと小ぢんまりした会場ですから、和気あいあいといった感じで式が進みました。コスプレも何名かいました。証書授与後の挨拶も、その雰囲気に合わせて、いつもよりやわらかめにしました。こういう、学生と教師との距離の近さが、KCPのいい所なんじゃないかなあと、笑い声に包まれたステージ上で思いました。

卒業生が去っていきます。明日から、KCPの新しい1年が始まります。

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長足の進歩

3月8日(土)

卒業式まであと4日。教職員はもちろんその準備を進めています。一方、卒業式で発表するクラブもその練習に余念がありません。私は、毎度おなじみ、演劇部の発表にチョイ役で加えてもらっています。セリフや動きは去年と同じですが、学生俳優と演技を合わせるために、先週から演劇部の練習に顔を出してきました。

私が練習に入る前からずっと練習してきたはずなのに、先週の時点では学生たちの演技はキレがなく、セリフも、覚えてはいるものの、棒読みに近かったです。指導されているN先生から厳しい声が飛ぶこともしばしばでした。しかし、今週になると、N先生の指導のレベルが1つ2つ上がりました。こうするともっと良くなるというアドバイスが増えました。これがクリアできたんだから、もう1段上をさせてみようというお気持ちだったのかもしれません。

「先生、そろそろお願いします」とお呼びがかかったのは4時過ぎ。午後からずっと6階講堂のステージで最終調整をしてきて、私たちも加えて通しでやってみようというわけです。

学生たちのステージを見て、驚いてしまいました。昨日も一緒に練習したのですが、段違いの出来栄えでした。セリフには感情がこもっているし、1つ1つの動きもきびきびしていて、目をみはるばかりでした。こちらも負けてはならじと力がこもります。こんなに急速に進歩した例は今までになかったのではないかと思います。学生側にN先生のご指導を演技に反映させるだけの力がついてきたのです。

私は4時半過ぎに引き上げてきてしまいましたが、その後も練習を続けていました。本番が楽しみです。

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練習

3月5日(水)

ちょうど1週間で卒業式です。だからというわけでもありませんが、卒業式での証書のもらい方の練習をしました。学生たちにとっては、日本式の証書のもらい方は、それこそ見たこともない、だから全くなじみのない儀礼です。何の指導もないと、少なくとも日本人にとっては頭を抱えたくなるような、目を覆いたくなるような惨状が繰り広げられてしまいます。

演台の前に立ち、授与者である私と向き合い、軽く一礼するあたりまでは、学生も想像がつきます。その後、私が差し出した証書を両手で受け取るというところが、学生たちの生まれ育った文化にはないようです。「両手で受け取る」というと、手のひらを上に向けて、私がその上に証書を載せるのを待っているというイメージになるようです。授与者が証書を差し出したら、自ら腕を伸ばして証書の両脇を持って…という手順をしっかり教え込まなければなりません。

私のクラスも含めて数クラスの卒業予定者が1人ずつそういう動作を繰り返すと、学生たちの目にもそれが当たり前のことのように映り始めたようです。しかし、どのクラスにも欠席者がいましたからねえ。そういう学生にもきちんと伝わるといいのですが…。

大学などに進学すると、2年後か4年後にKCPなんかよりもはるかに盛大な卒業式が待ち受けています。学長から直接証書・学位記を手渡されるかどうかはわかりませんが、そんなチャンスがあったら、ふっとKCPの卒業式を思い出してもらいたいですね。

1週間後には、目の前で証書の受け渡し練習をしたメンバーがみんないなくなっちゃうんですよね。一抹の寂しさを感じるのが、私にとってのこの季節の風物詩です。

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