もう忘れちゃった?

4月3日(金)

初級のDさんは期末テストの文法と漢字の点数がちょっと足りなかったので、先週末、昨日来るようにと呼び出しをかけていました。電話を持っていないので、メールを送っておきました。しかし、来ませんでした。メールを見ていなかったそうです。寮の職員に電話を掛けて呼んでもらい、ようやく連絡がつきました。

そのDさん、今日の午後学校へ来ました。期末テストの範囲をしっかり勉強しておくようにと、先週末のメールには書いておいたのですが、それが伝わったのが昨日とあっては、十分な勉強をしてきたかどうかは怪しいものです。

その悪い予感が的中し、Dさんに確認テストを受けさせましたが、成績が下がってしまいました。期末テストが終わってから1週間ちょっと、どうやら遊びまくっていたようです。その成績が下がった答案用紙を目の前にしても、どこを直したらいいのかよくわからない様子でした。教科書を見ても、全部を直しきることはできませんでした。

そりゃそうですよ。初級じゃまだ頭に日本語の体系が定着していませんからね。Dさんは授業中でも母語を使うことがありましたから、特にそうでしょう。そこへもってきてメールにも目を通さないほど遊んじゃったら、なんにも残っちゃいませんよ。学期休み中に一時帰国した学生が、休み明けに日本語が出てこなくて、本人も教師も呆然としてしまうのと同じです。

語学は反復練習が大切です。頭や耳や目にある程度体系ができあがれば、多少のブランクならどうにかなるでしょう。でも、その手前の学習者にとっては、ちょっとの油断が「一歩前進、二歩後退」になりかねません。いや、「ふり出しに戻る」っていう例もいくつも見てきました。

Dさんには学期が始まるまでの宿題を出しました。あまりの量の多さに顔を引きつらせていましたが、それぐらいあれば遊ばずに毎日日本語脳を鍛えることになるでしょう。さて、新学期、Dさんはどんな顔で登校してくるでしょうか。

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