Monthly Archives: 12月 2018

勉強しなければなりません

12月4日(火)

午前の授業後、学生面接。Rさんは、塾の先生にMARCHぐらいは入れると言われ、次々受けましたが連敗中です。滑り止めのP大学には受かりましたが、本心はあまり行きたくないようです。関関同立も受けますが、予断を許しません。文科省の都内の大学に対する定員厳格化の波をもろにかぶっている例です。

Rさんは授業中のやり取りなどを聞いていると、地頭はいいことはよくわかります。しかし、その地頭のよさを生かしきれているかというと、全然生かしていません。EJUの後は家でごろごろしていることが多いなどという話を本人の口から聞くと、油断というか危機感のなさというか、受験生らしい緊張感が感じられません。定員厳格化によって、こういう中途半端な気持ちの学生が弾き飛ばされるのだとしたら、それもまた副産物の1つです。

HさんはRさんに比べるとずっとやりたいことが明確で、それが勉強できる大学を全国規模で選んでいます。その点はいいのですが、HさんもまたEJUの後、気が抜けた状態です。今は、国立大学をどこにするかに頭を悩ませています。EJUの成績が届くまでは、勉強も手につかないようです。

この2人は、なんだかんだと言いながらも学校へ出てきていますから、まだましなほうです。引きこもってしまったりこっそり遊びに行ってしまったりという話も耳に入ってきます。受験が激化すると、試験の合間にはこうした目標を見失ってしまう学生が増えてくるのかもしれません。

午後は、久しぶりにレベル1の代講でした。“なければなりません”の導入と練習でした。「レベル1で一番発音が難しい言葉は何ですか」「???」「『あたかかったです』です」(教室のあちこちで「あたたかかったです」と小声で発音練習)「『なければなりません』は、その次に難しいです」なんてやりながら大声を出していたら、面接のもやもやは吹き飛んでしまいました。

面接30分

12月3日(月)

週末、Mさんは第一志望のS大学を受験しました。面接試験だけなので、志望理由を始めとする想定問答の練習を集中的にして臨みました。他の受験生は10分ほどで終わったのに対して、Mさんの面接は30分以上にも及びました。それも、Mさんにとっては答えづらい政治がらみの事柄に関する質問が中心で、志望理由や将来の計画などは答えてもろくに取り合ってもらえませんでした。志望理由にいたっては、「そんなの信じられないね」と一刀の下に切り捨てられてしまいました。また、Mさんが一次試験で書いた小論文を、面接官は読んでいなかったようでした。そこに書いた内容について話したら、慌ててMさんの原稿を取り出して、内容を確認していました。

圧迫面接と言ってもいいような面接に精根尽き果て、Mさんは帰りにS大学最寄りの駅で泣きました。それまであこがれていたS大学に、今は失望の気持ちしかありません。S大学は留学生にも日本人にも評価の高い大学です。だからMさんも第一志望にしました。しかし、今は最低の評価に落ちてしまいました。

S大学の先生方は、こういう実情をご存知なのでしょうか。MさんはこういったことをSNSに訴えるようなことはしませんでしたが、そういうことをし慣れている人なら、国の言葉でそういう話を拡散させるでしょう。一受験生の言葉だけなら影響は皆無に等しいかもしれませんが、こういう目にあった受験生があちこちで声をあげたら、S大学の評判も地に落ちかねません。

私たちだって、学生に厳しい言葉で指導することはあります。でも、学生との距離感を正確に測って、この学生はここまでだったら素直に受け止めてくれるだろうという見通しを立てています。少なくとも、初対面の学生にその人格を否定する勢いで何かを押し付けるようなことはしません。でも、今回の事例は他山の石として、心に深く刻んで起きます。

Mさんは、さばさばした顔でS大学に落ちた時の身の振り方を相談に来ました。これをばねに、きっとどこかに受かってくれることと信じています。