発想の違い

6月25日(木)

期末テストの作文を採点しました。Tさんの作文は、1段落目を添削したところで採点をあきらめました。何回も読み返しましたがTさんの主張内容がついにつかめず、「言いたいことがわかりません」というコメントを書いて、Fをつけました。

採点をあきらめたということは教師として白旗を揚げたことになりますが、そのくせ学生に対してはFという強気の態度で臨むのは、なんだか理不尽なような気もします。今学期指導し続けてきたにもかかわらず改善しなかったのは、教師の力量が及ばなかったのか、Tさんの学力が足りなかったのか…。

Tさんの文章を読むと、思いついたことをどんどん文字にしているような感じがします。与えられた課題に対してブレインストーミング並みにどんどん単語を出し、それをそのまま原稿用紙に書き付けているように、脈絡のない文が並んでいます。一文の中でも主語と述語がねじれているくらいですからね。

授業中によく書かせた短文レベルだと、ターゲットとしている文法や語彙を使ってそれなりの文が作れるのです。しかし、文をいくつか並べた文章となると、とたんに意味不明となってしまいます。話をさせても、Q&Aレベルならどうにかなりますが、今後の進路についてなどというまとまった話になると、理解するには相当な気合が必要になってきます。

Tさんの場合、どうも私たちとは思考回路がかなり違うようです。Tさんからすると、先生はどうして私の気持ちをわかってくれないんだろうというところかもしれません。私は時間をかけてTさんと話し合ったことがありますから、少しはTさんの気持ちや考えが理解できます。それでも作文の採点をあきらめざるを得なかったのですから、EJUの記述はどうだったのでしょう。志望校によっては小論文もありますし、面接はどこでもあります。Tさんは決してバカじゃないだけに、かえって暗澹たる気持ちになります。

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