ひそかな祈り

5月16日(土)

今学期はもっぱら受験講座と養成講座を担当していますから、日本語のクラスには2回しか入っていません。それも新学期第1週でしたから、オンライン授業がどんな様子で進んでいるのか、実感としてつかめません。しかし、いつの間にか授業は進み、来週の月曜日は中間テストです。

授業を担当している先生方が一番苦心なさっているのは、オンライン向けの試験問題を作ることです。学生たちが目の前にいるわけではありませんから、言ってみればカンニングはし放題です。信用ベースでテストをして、正直者が馬鹿を見るような結果になったら意味がありません。各学生の評価もできなければ弱点も探れません。今後の指導に生かせるデータは何一つ得られないという結果にもなりかねません。ですから、先生方はカンニングできないテスト、しても労多くして功少なしとなるようなテストの作成に傾注なさっています。

私が上級クラスのテストを作るときは、問題を大きく2つに分けます。1つは学生に点を取らせる問題です。授業でやったことをあまりひねらずに出題します。この手の問題で合格点を確保させ、力の差が明らかになる問題で学生の力を測ると同時に、できる学生を満足させます。点を取らせる問題で点が取れない学生は、欠席が多いか授業を聞いていないか、さもなければ授業を聞いただけで全然勉強していないかのいずれかです。

力の差が見える問題は、ひねりを加えた応用問題です。これは、習ったことに自分の感覚も加味して答えを導き出します。たとえ教科書やノートを見ても、あるいは辞書を頼っても、水準以上の答えにはなりません。私が今学期のテストを作るとしたら、そういう問題にするでしょうね。

…と簡単に言いましたが、これはこちらの頭脳も試されます。納得のいく“作品”ができあがるまでにかなりの労力を要します。M先生とH先生がパソコンに向かっています。学生たちをうならせる問題ができることをひそかにお祈りしています。

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