出直し

9月27日(火)

昨日から、先週行った上級の実力テストの結果をまとめています。どういうまとめ方をしても、Kさんがぶっちぎりの1位です。Kさんを東の横綱としたら、西の横綱は不在ですね。そのくらい差がついて、大関がTさんとZさんです。その次ぐらいから団子になって、三役クラスが数人、以下、前頭が20人ぐらい、十両が同じくらい…と続きます。試験日に欠席した学生は、番付外です。

Kさんは、6月のEJUでも、聴解・聴読解、読解、記述、すべて最高点でした。私のクラスではありませんが、もし、私のクラスだったら、Kさんの答案をまっ先に採点して、それを模範解答にして他の学生のテストを採点しますね。こういう学生が1人いると、教師は非常に楽です。いや、その前に、Kさんに満点を取らせない試験問題を作ることに精力を傾けるでしょう。横綱に土を付けるべく作戦を練る平幕力士の心境です。

さて、実力テスト番付の幕下にもならない位置に、Sさんがいます。SさんとKさんの日本語を比べたら、学生と教師くらいの差を感じます。Kさんには手加減せずに話せますが、Sさんには表現を選びます。Kさんの話はそのまま受け取れますが、Sさんの話は脳内同時通訳を介してから理解します。先日も「ズボンが自転車に入れて、自転車が壊れました」と言っていました。ズボンの裾が自転車に巻き込まれたんですよね。

そのSさん、自分自身でもテストができなかったことを痛感し、来学期は下のレベルで勉強したいと、担任の先生に申し出たそうです。超低空飛行で、中間や期末の試験の点数だけかろうじて合格点を取るということを繰り返し、上級まで来てしまったことが、こういう形で現れたのです。それに気がついただけ、Sさんは偉いです。卒業までの半年で、自分の基礎の抜け穴をしっかりふさいで進学してもらいたいです。

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