9月5日(金)
読解の教科書の内容に関連して、学生たちが将来就きたいと思っている職業について聞いてみました。大学進学の学生は就職なんてかなり先の話だと思っているでしょうが、大学院や専門学校に進学しようと思っている学生は進学して一息ついたらすぐ就活です。だから、ある程度明確な方向性、将来像を描いていても不思議はありません。どんな仕事が出てくるかと楽しみにしていました。
ところが、専門学校志望の学生までもが、答えが漠然としていました。「自分に合った仕事」と言いますが、それどんな仕事なのか、学生の頭の中では像が結ばれていないようです。「自分の会社を作りたい」も同様で、何をする会社かは、今のところ不明です。
しょうがないかなあとも思います。私が学生たちと同年代の頃、今の子の姿は頭の片隅にもありませんでした。自分の専門性を活かして、就職した会社でそこそこ偉くなって…ぐらいしか考えていませんでした。しかも、今は技術もそれに伴って社会のありようも大きく変わりつつあります。数年先だって、何がどうなっているか想像しづらくなっています。
スペシャリストになりたいか、ジェネラリストになりたいかとも聞いてみました。Zさんは、スペシャリストだとその専門がAIに取って代わられる心配があるから、ジェネラリストがいいと答えました。最近の若者はこういう恐れを抱いているのですね。私の頃は、頭脳労働者は機械に駆逐されることはないと信じられていました。しかし、AIは頭脳労働者こそ標的にします。学生たちはどういう思いで進学するのでしょう。単に学歴を得ただけでは、21世紀中葉は生き残れないかもしれません。
学生の頭を活性化するためにあれこれ聞いているうちに、私自身がとても勉強になりました。
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