12月18日(木)
今学期最後の授業を終え、職員室で明日の期末テストの問題を作っていると、卒業生のNさんが、パリッとしたスーツ姿で現れました。有能なビジネスパーソンといった趣でした。就職が内定したという報告に来てくれました。再来年の入社だそうですから、厳密には内々定かもしれません。いずれにしても、日本の会社で働くことが決まりました。
Nさんが内定を決めたS社は、その業界では超一流企業であり、知らない人はいません。日本人の大学生を押しのけて勝ち取った内定は、価値があります。それは何よりNさんのしゃべりっぷりによるところが大きいでしょう。外国人特有のアクセントやイントネーションは感じられず、Nさんを知らない人が聞いたら、せいぜいどこかの方言が少し交じっているのかなと思う程度で、外国人が話しているとは思わないでしょう。
大学の授業やゼミなどで相当鍛えられたのだと思います。Nさん曰く「日本語は当たり前のことしかやってこなかった」なのですが、それがなかなかできないのです。今の在校生の大半は、当たり前ができていません。まじめに課題に取り組む、忘れずに宿題をする、教科書をきちんと読む、こういった基本動作ができない学生が多くて困っています。A先生やH先生は講演会を開こうと言っていましたが、本当にそうです。私たちの言葉より、成功した卒業生の実体験談の方が、学生たちの心に響くと思います。
今学期受け持ったレベル1のクラスでも、学期が始まった頃は口が回らずとんちんかんなことばかり言っていたYさんが、今では成績上位になりました。出席率100%、宿題提出率100%、毎日全力で授業を受けました。10月にYさんのとんちんかんを笑っていた学生たちは、見事に抜き去られてしまいました。
YさんがNさん2世になれるかどうかは、今学期のような勉強を来学期以降も続けられるかどうかにかかっています。ぜひとも疎s津行まで続けてもらいたいです。
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