落ち着かない

2月6日(金)

「先生、9時に発表です」と、一刻たりともじっとしていられない様子のGさんが、せわしなくスマホをのぞき込んでいました。9時のチャイムが鳴り、出席を取り始めた私など眼中にないかのごとく、Gさんはスマホをいじります。寒気の叫びか悲嘆の涙か、どちらが襲い掛かってきても対応できるよう心の準備をしつつ各学生の名前を呼び続けました。呼び終わりましたが、教卓の脇のGさんは相変わらずです。直前の面接練習の受け答えからすれば受かってもおかしくないと、自分自身に言い聞かせている私がいました。

連絡事項を伝え、授業を始めましたが、Gさんの様子に変化は見られません。こちらから聞くわけにもいかず、授業を進めるほかありません。他の学生もGさんのことは気になりますが、ツッコミは入れられません。Gさんを横目で見つつ、でもGさんは無視して、配ったプリントを読ませたりその内容について考えさせたりしました。

こういう形式の授業の際に真っ先に意見を述べるのがGさんですが、今は戦力外です。だから授業を進めにくかったです。どちらの結果でもいいから、早く伝えてくれと思いましたが、Gさんはスマホをいじるばかりで、私の方など見向きもしませんでした。

遂に10時になりました。Gさんが動き始めました。ガッツポーズが出ました。「先生、合格しました」と、Gさんにしては小声で短く一言。教室の中から静かに拍手が湧き起こりました。どうやら、何らかの事情で合格発表が1時間遅れたようです。でも、めでたし、めでたし。

Gさんは本命の大学の試験がすぐそこに迫っています。この合格は景気づけにはなっても、気を緩めるわけにはいきません。来週は、また、面接練習かな…。

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