入学式挨拶

皆さん、ご入学おめでとうございます。世界の国々からたくさんの勉学を志す若者が、このKCPに入学してくれたことをうれしく思います。

今ここにいる皆さんの中には、3か月の予定で入学した人もいれば、KCPで2年勉強して、そして日本の大学で4年、さらに大学院にまで進学するつもりの人もいるでしょう。勉強する期間は長短さまざまですが、今、この入学式の場で、私が皆さんに最も申し上げたいことは、10年後の自分にほめてもらえるような留学をしてほしいということです。10年後、2026年の皆さん自身が、今の皆さんに「2016年の私よ、よく日本留学を決意してくれた。そして、一生懸命勉学に励んでしてくれた。そのおかげで今の私があるんだ。本当にありがとう」と感謝したくなるような留学生活を送ってください。

この留学は、皆さん自身が皆さん自身に対して行う投資にほかなりません。勉学という、時間とお金と労力を必要とする投資は、すぐに何らかのリターンをもたらすわけではありません。今日勉強したことが、明日役立つとは限りません。10年後ぐらいに花が咲き、実りをもたらすのです。「10年後の自分からほめられる」ですから、目先のことだけではなく、自分の将来像を思い描きながら留学生活を送っていってください。

すぐに成果が出ないからあきらめてしまうのではなく、成果が出るまで努力を続けるようにしてください。中途半端な投資は、回収もままならず、丸損になってしまいます。皆さんは自分自身に投資し始めたのです。投資対象である自分自身がいい加減な気持ちだと、その投資は全く生きません。見方を変えれば、安易な気持ちで留学生活を送ることは、自分の手で自分の未来を閉ざすことなのです。10年後から叱り飛ばされるようなことは、絶対にしないでください。

もちろん、留学生活を楽しんでももらいたいです。でも、忘れないでください。楽しむだけでは充実した留学生活にはなりません。10年後の自分と相談しながら、今輝くよりも、将来を輝かせる留学を築いていってください。

本日は、ご入学、本当におめでとうございました。

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