美質

3月25日(水)

KCPでは授業が終わって教室を出るとき、椅子をひっくり返して机の上に載せることになっています。中間テストや期末テストの日は、最後のテスト(だいたい漢字)の答案を出したら帰ってもいいことになっていますが、そのときでも椅子を上げてから帰るのは同じです。

通常授業のときは、終業のチャイムが鳴って教室内がざわざわしていますから、椅子を机にぶつけてゴーンとかカーンとかいう音を出しても大勢に影響はありません。しかし、テストの日はまだ問題を解いているクラスメートがいます。そんなときに大きな音を立てるのは、デリカシーに欠けるというものです。こういうときに周りに気を使ってそろーっと椅子を載せるような人は、一流の素養がある人だと思います。

自分さえよければという人は、たとえばトイレの使い方もいい加減です。汚しっぱなしで出て行ってしまいます。次に使う人やそこを掃除する人のことなど、眼中にありません。めぐりめぐって自分がまたその汚いトイレを使うことになるという、きわめて単純なことにさえ考えが及びません。こんなことばかりしているようじゃ、多少成績がよくても尊敬される人間にはなれないでしょう。

今日私が試験監督に入ったクラスは、1人を除いて静かに椅子を上げていました。答案用紙には間違いがだいぶありましたが、人間的には立派なものだと思いました。次の学期は、君たちのこの美質を周りに広めてくださいね。

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