ある退学

6月1日(水)

Uさんが退学しました。最近は欠席がちで、学校へ来ても勉強する意欲はあまり感じられませんでしたから、いい決断です。このまま来年の3月まで在籍したとしても、得るものは少ないでしょう。だから、ここで出直すのがUさんにとって最善の道だと思います。

Uさんは経済的には恵まれた家庭のようで、アルバイトはせず、KCPのほかに塾にも通わせてもらっていました。しかし、ふだんの様子を見る限り、塾でもあまり勉強しているようには思えませんでした。自宅学習もゼロに近かったんじゃないでしょうか。入学して1年余りですが、Uさんが日本語でまとまった話をしているのを見たことがありません。入学した時のクラスメートの中には、かなりの実力者になっている学生もいるというのに。

日本での生活は、それなりに楽しんできたようです。でも、進学という本来の目的に向かっては、ほとんど歩んできませんでした。元来、勉強が嫌いなのかもしれません。国でどうにもならなかったから日本へ来ちゃったんだろうかと思うこともあります。自分の意思というよりは、親の意見に従ってというのが実のところでしょう。豊かなうちの子どもは、とかくこういうことになります。

思えば、かつて、日本の若者が大勢海外留学した時代がありました。私なんかよりももうちょっと下の世代です。アメリカなんかでは、さっぱり英語が上達しない日本人留学生が問題になったという話も聞きました。親がバブル期の経済力に物を言わせて子どもを海外留学させたものの、本人は留学経験と呼べるほどの成果もなく帰国し、結局青春の無駄遣いに過ぎなかったというものです。その現象を平行移動したものが、今、私たちの身の回りで起きています。

Uさんの退学をいい決断といいましたが、本当にいい決断とするのは、これからのUさん次第です。

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