Monthly Archives: 4月 2017

読解

4月4日(火)

企業の研究員として研究を進めるには、今までに出された特許の調査が欠かせません。特許を侵すような研究をしても、企業には利益をもたらしません。この調査の際には当然膨大な量の特許を読むのですが、私にとって、これは苦痛以外の何物でもありませんでした。自分の権利を少しでも広く確保しようという我利我利亡者の精神で書かれた文言は、読んでいて頭痛と吐き気を催したものです。まあ、読み方のコツを覚えれば、機械的に情報を取り出せるようになり、苦痛も多少は和らぎはしますけれどもね。

研究が進み、企業化を図る際には、その製品の製造から販売にまつわる諸々の法律の条文を読み込まねばなりません。法律の条文は悪文だとよく言われますが、シロウトがすんなり理解できる文章ではありません。特許にしても法律の条文にしても、厳密さを追求した結果が、プロでないとスムーズに頭に入っていかない文の集合体を生み出してしまったのでしょう。

日本語教師養成講座に関わる規定が変わりました。日本語学校などで教えるには、文化庁に届け出て認められた養成講座を修了することが必要になりました。…とあっさり書きましたが、実際に文化庁などが出している文書は、特許ほどではありませんが、もっとずっと難しい言い回しです。文から荘重な感じは受けますが、養成講座を受講しようとしている方たちには、軽やかなリズムのほうがとっつきやすいんじゃないかと思い、文意を損なわない範囲で、KCP養成講座のホームページに載せる文句を考えました。

Bさん、Hさん、Lさんなどは、今月から法学部で勉強します。去年法学部に進学したKさんは六法全書とにらめっこする毎日のようです。法学部とは法律や法体系を貫く精神を学ぶ場とはいえ、自分にとっては外国語で書かれたあの難解な条文に全く触れずに済むはずがありません。私は素直にこの卒業生たちを尊敬します。

不摂生の結果

4月3日(月)

昔、お酒を飲んでいたころは、連夜の午前様や二日酔いでの出勤や、それはそれはとんでもないことばかりしていたものです。でも不思議なもので、記憶をなくすまで飲んでも、電車を乗り過ごすことはありませんでした。どういうわけか、自分の降りる駅ではきちんと目を覚まし、帰巣本能に従ってかろうじて家まで帰りついたものです。

そういう生活の中で、年に一度の年貢の納め時が健康診断でした。γGTPが普通の人の2倍などと言われないように、健康診断の直前は身を慎もうとしたこともありました。いや、それでは普段の健康状態を正確に表しておらず健康診断の意味がないとか言って、健康診断の前日も飲んでいたこともありました。

今はお酒はやめていますから、そういう心配はありません。その代わり、毎日が睡眠不足に運動不足に不規則な食事に目の酷使と、不摂生を絵にしたような生活ですから、やっぱり健康診断は年貢の納め時です。

その健康診断がありました。レントゲンなどは結果がすぐに出ませんが、尿検査、血液検査など、結果がすぐ出るものは結果を聞いてきました。それによると、データ上は健康そのものだそうです。実感としては体中ボロボロなのですが、医学的には問題ないようです。なんと頑丈な体なのでしょう。

若い時にムチャをした人は、私ぐらいの年になると健康診断引っかかり放題のはずなのですが、私はどういうわけか目以外は引っかからず、不摂生が改まりません。いつかガクッとくるんじゃないかと心配なのですが、健康診断の数字が異常なしのなうちは働いちゃうんですよね。

午後からは新学期の準備でした。新入生のプレースメントテストが終わったら、また、不摂生の度合いが深まりそうです。