Monthly Archives: 11月 2021

合格者1名かも

11月2日(火)

「君たちは予習課題もしないし、宿題もしない。だから、文が作れないんです。文が作れなければ、テストで点が取れない。問題3、短文作成の問題を見てください。5点×10問で50点です。この問題ができなかったら絶対合格なんかできません。O先生はやさしく採点なさいました。私が採点したら、その点数より5点か10点悪いです。そうすると、70点ぎりぎりで合格した人は不合格になります。80点以上取った学生は、このクラス、1人だから、合格者は1人しかいないということになる。ということは、君たち、このレベルで勉強続ける意味があると思う?」

…と、実際にはもう少々激烈な言葉で学生たちに反省を促しました。テストのフィードバックの時間でしたが、テストの解説以前のところで説教となってしまいました。なにがしか答えを書いて×になるならともかく、何も書かないというのは試合放棄、敵前逃亡です。私たちも口を酸っぱくしてきたつもりですが、テストの成績を見る限り、まだまだ足りなかったのでしょう。

私が受け持った先学期の同じレベルのクラスも、これほどではないにせよ、けっこう悲惨な状況でした。しかし、先学期のクラスはそこからV字回復しました。今学期も持ち上がりで何人かクラスで見ていますが、学生の日本語には自信が満ちています。今学期の学生たちも、何とかそこまで引っ張り上げたいのですが、果たしてできるでしょうか。

最大の心配は、このクラスの学生たち、「書く」ことがあまり好きではないらしいという点です。ノートを取ろうとしない学生が、今まで受け持ったクラスに比べて多いのです。板書したことすらきちんと書き留めているか怪しいものです。ましてや、口で言っただけの話なんて、記録されるわけがありません。O先生はそういう指導を厳しくなさっていますが、定着したとは言い難いのが現状です。

中間テストまでちょうど2週間です。今から手を打って動かないと、枕を並べて討ち死にという図も見えてきてしまいます。

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違いがわかる?

11月1日(月)

月曜日に私が担当している中級クラスには、初級文法の復習の時間があります。初級の教科書から取ってきた例文や、語彙だけ少し中級っぽくした文から作った問題を宿題にして、その答え合わせをしています。

初級クラスでこの問題をしたら、習った文法はできる、未習はできない、難しい語彙はわからないとなるでしょう。中級となると、その文法を習った後にいろいろな文法を習っています。その中には似たような形や意味のものも含まれています。すると、初級の学生は間違えないような問題を間違えたり、初級とは違った間違え方をするようになったりします。知恵熱みないなもんでしょうかね。

そうなることは織り込み済みというか、それを整理するのがこの授業の意義です。たとえば、「て形+あります、います、おきます」などの補助動詞の意味や使い方とか、「と、ば、たら、なら」の違いとか、あるいは初級の学生は思いつかないような場面で使えるかとか、1ランク上の質問が出てきます。それも、週を追って高度になりつつあります。学生たちも、この授業の活用法が見えてきたのでしょう。

この授業は、ドリルや会話といった練習が主眼ではなく、学生に文法項目の再確認・再認識をしてもらうことが目的です。ですから、「東京(  )暮らしています」に「で」を入れるか「に」を入れるかで生じる微妙な意味の違いを通して、助詞の「で」と「に」の意味・用法を見つめ直すなどということもします。

上級になったら、この授業で扱っているような小技をピシッと決めて、引き締まった日本語を書いたり話したりしてほしいです。それが、進学してから役に立つ日本語なのです。

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