あるgive up

5月30日(月)

昼休みにSさんが私の所へ来ました。Sさんは今学期の新入生で、つい先日、ようやく来日したばかりです。受験講座を取っていますが、6月のEJUは受けません。数学の授業がわからないというのが相談内容です。

今学期の受験講座は、6月のEJUに照準を合わせています。ですから、ゼロからの学生向けというよりは、一通り勉強していることを前提とした内容です。そのため、Sさんには難しすぎたのでしょう。

聞いてみると、Sさんの志望学部は文学部です。ということは、国立を目指さない限り、EJUの数学は不要です。同じ文科系でも経済学部などならいざ知らず、文学部なら進学後も数学を使うということはほとんどないでしょう。それに加え、Sさんは国の高校で数学は苦手だったそうです。受験講座の数学の勉強が、大きな負担になっていると言います。それなら、無理して数学の勉強をすることはありません。数学の勉強時間を総合科目に振り向けた方が、望ましい結果に近づきます。

そういうアドバイスをすると、Sさんは重石が取れたかのように、表情が柔らかくなりました。しかし、数学を捨てたということは、勝負できる科目が少なくなったということです。その科目でより一層高得点を取らないと、Sさんが考えている大学は入れてくれないでしょう。総合科目に注力するということは、背水の陣を敷くということを意味します。180点ぐらいを目標にしてもらわなければ困ります。

私個人としては、Sさんに数学の勉強を続けてもらいたいです。数学を勉強しておけば、将来、きっと世界が広がります。でも、いやでたまらない勉強を無理にさせることでSさんをつぶしてしまってはいけません。そういう目でSさんの今後を見守っていきます。

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