何が売れるでしょう

9月10日(土)

「輸出産業は円高で経営が苦しくなっているので、為替を円安に誘導する」などということが、昭和末期か平成初期の、“Japan as No.1”のころにはよく言われました。事実、円高不況というのがあり、数字の上では確かにそうなのですが、自国の通貨が強いことのどこがいけないのだろう、わざわざ自国の通貨を弱くする必要があるのだろうかなどと、経済のよくわからない私はそう思っていました。強い円のおかげで、外国に対して意味も根拠もない優越感に浸っていただけかもしれませんが。

政府と産業界の“努力”が実って、半導体も電気製品も自動車も、バンバン輸入するようになりました。それに代わる産業が国内で生まれたかというと、アニメなどのコンテンツとインバウンドの観光業ぐらいでしょうか。しかし、観光業はこの2年余り、目に見えないほどの大きさのウィルスにやられっぱなしで、全く振るいません。世界中のだれひとり予測できなかったこととはいえ、実に脆弱な基盤の上に立っていたものです。

今、日本を代表する産業って何でしょう。サブカルは産業って呼べるのかなあ。日本留学は知識や技術の輸出を考えられないこともありませんが、日本を支える産業とは言い難いです。それに、日本の国が弱ってしまったら、前途洋々たる若者は寄り付きませんよ。“円安をフルに活用して、日本で遊んじゃおう!”なんていう人たちが中心になっちゃうかもしれません。

1ドル150円が目の前です。ロシアのルーブルに対してすら安くなっているそうじゃありませんか。こうなったら、大昔に1ドル250円で作ったトラベラーズチェックが日の目を見る日が来ることを楽しみに待つほかありません。

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