8月4日(月)
Aさんは日本での就職を目指しています。国でも働いていたことがあり、その時の経験も生かして、ITの営業職を第1志望としています。大学院は英語で通しましたから、語学的にも即戦力と言えるでしょう。しかし、現時点ではまだ行けそうな手ごたえは得られていません。
Aさんが言うには、自分の日本語力がその主因だという分析です。聴解力に自信がないので、毎日1時間ぐらいポッドキャストで耳の訓練をしています。その訓練の成果が少しずつ出始めていると言っていました。しかし、それだけでは足りないとAさんは思っています。
そこで、BJTの勉強をしてみてはと勧めてみました。BJTとは、Business Japanese proficiency Testのことであり、なぜか漢字能力検定協会が主催しています。試験結果によって、J5からJ1+まで、受験生のビジネス日本語能力が6レベルに判定されます。
これを受験して、例えばJ1などと判定されていれば、就職試験で多少は有利になるでしょう。しかし、BJTの勉強を通して、仕事で使う日本語や、日本における仕事の進め方なども知ることができます。これは、JLPTの勉強などでは身に付けられません。そういった力、日本社会の常識も自分のものとしたうえで会社とコンタクトを取っていけば、今までよりは有利に話を進められるのではないでしょうか。
KCPから直接就職した卒業生も、日本の会社特有の仕事の進め方が壁になっているようです。そのため、優秀な日本語能力を有していても、なかなか独り立ちできないこともあるようです。
Aさんは努力家ですから、こちらのヒントをきっと有効に活用してくれるでしょう。いい話が聞けるまで、もう少し待ってみることにします。
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