9月17日(水)
レベル1は、今、授業中に会話テストをしています。1日に2ペアぐらいずつ、その場で課題の絵を見せて、会話を作り発表してもらいます。課題の絵と言っても、学生にとっては初めて見る絵ではなく教科書に載っている絵ですから、手も足も出ないなどということはありません。教科書丸暗記を披露するのではなく、自然な会話を聞かせてほしいのです。さらに、教科書にはないオリジナリティーが加わっていれば、高得点につながります。
こういう仕組みなら、誰でも好成績が挙げられそうですが、そうは問屋が卸しません。Fさんはその典型です。テストではそこそこの点を取るのですが、話すことに関してはからっきしだめです。授業中に自ら進んで発言することはなく、例えばます形を与えてて形を言わせるなどというのをやらせてみても、まともに答えられたためしがありません。指名されて漢字教科書の例文を読むのが精いっぱいの所です。
そのFさんの会話テストがありました。ペアの相手はTさんでした。昨日会話テストだったのに休んでしまったという負い目があるのか、Fさんをたきつけて会話を盛り上げようとしますが、Fさんにはそう簡単に火が付きません。結局、Tさんの闘志(?)が空回りして終わってしまいました。私の採点は、Tさんは合格点、Fさんは甘くつけても合格点には届きませんでした。
KCPでは会話を重視していますから、このままでは、Fさんは進級できないかもしれません。でも、進級させたら上級になっても話せない学生を生み出すことに直結してしまいます。面接試験が重視される留学生入試においては、非常に不利であることは言うまでもありません。でも、おそらく、Fさんには危機感などないんですよね。
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