最後の仕事

10月4日(土)

クラス担任の最後の仕事は、成績通知票にコメントを書いて、それを各学生に送ることです。成績表そのものは、中間テストや期末テスト、日々の授業内に行う平常テストの平均点などがそのまま入りますというか、コンピューターが勝手に記入してくれますから、頭を使う必要はありません。しかし、コメントはそれぞれの学生に向けて自分の言葉で書き入れなければなりませんから、頭をフル回転させなければなりません。

非常にいい学生とどうしようもなく悪い学生は、ネタがいくらでも思い浮かびますからスラスラ書けます。悪い学生はネタを絞るのに苦労するくらいです。また、進学が決まった学生や受験の前にあれこれお世話した学生も、おめでとうとかよく頑張ったとか、いくらでも書きようがあります。まあ、この稿に登場するような学生には、何か書いてあげられるものです。

しかし、授業中に目立たず、成績も可もなく不可もなくといった学生は、書くのに苦労します。「次の学期も頑張ってください」では、いかにもおざなりで心がこもっていません。JLPTに合格していないかなと調べてみたり、コトバデーの時はどうだっただろうかと記憶をたどったり、クラスの日報の中にヒントはないかと当たってみたり、果ては教科書を開いてとっかかりを探したり、思いつく限りの手を使います。たいてい何か見つかるものですが、地味一筋の学生には、本当に頭を抱えてしまいます。

今学期は、幸いにもそういう学生は少なく、午前中に書き上げることができました。でも、同時に、多くの学生がこの10月期に進路決定を控えていることを改めて感じ、どう指導していくべきか、新学期の課題がいきなり突き付けられました。

新学期は、来週水曜日からです。

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