12月3日(水)
レベル1にも作文があります。作文の授業があるのではなく、その課で習った表現を使って、こちらから与えたテーマについてある程度まとまった文章を書いてくるという宿題を出しています。とはいえ、習った文法も語彙も高が知れていますから、そんなに立派な文章は期待していません。既習の表現を使うチャンスを与えていると言った方が正しいでしょう。
昨日は、プレゼントについて書いてくるという宿題でした。提出された作文を見ると、まず、教科書だけを参考にして書いたと思われるグループがあります。こちらの意図したとおりなのですが、残念ながら少数派です。LさんやYさんはその数少ない学生で、書きたいことはいろいろあったのでしょうが、自分の力で書ける範囲の内容だけ書いたという感じがします。
次はところどころに未習の表現を使っているグループです。辞書か文法書などに頼ったのか、独習で身に付けた表現なのか、そこまではなかなか見極められません。このグループが最大勢力でしょう。Pさんはこのグループでしょう。授業中の様子からすると、学校の授業より先に進んで勉強した表現を使った気がします。Sさんは翻訳ソフトを使ったかもしれません。写し間違いとしか思えない間違いが数か所ありました。
どっぷり翻訳ソフトのグループもあります。Nさんはたぶんこれなんじゃないかなあ。私が受け持っている上級の学生よりも素晴らしい文章でした。翻訳ソフトだとしたら、母語でそれだけのレベルの文章が作れるということですから、今後の勉強のしかたによっては大きく伸びていく可能性を秘めています。しかし、これがAIだとしたら、絶望的ですね。プロンプトの作り方がうまいことは認めますが、そこまでです。
宿題用紙の全面を使って一番たくさん書いてくれたのがDさんでした。既習表現を使っていますが、それでは表現しきれない内容を書こうとしているため、結果として誤用になってしまった部分もありました。こういう作文の添削は悩むところですが、Dさんなら消化してくれるだろうと信じ、未習の表現で赤を入れました。
この学生たちが上級まで来た時、どんな文章を書くのでしょう。これが、種まきの楽しみです。
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