観察記録

3月24日(金)

期末テストの楽しみは、ふだん出会うことのない学生との触れ合いがあることです。午後は初級クラスの試験監督でしたが、知っている学生は1人だけでした。ですから、知らない学生がどんな学生かあれこれ想像を働かせてみます。問題の解き具合を見て、この学生はできそうだとか、進級がちょっと危ないのではないかとか、机に向かう姿勢から、勉強が好きそうだとかそうでもなさそうだとか、妄想を膨らませています。

試験監督の役割は不正の未然防止ですから、まじめな学生のクラスだとこれといってすることがありません。午前中のテストの採点をすることもありますが、熱中してしまうと本末転倒になりかねません。試験問題を解いてみるのもいいですが、それだってすぐに終わってしまいます。そうなると、学生観察に勝るひまつぶしはありません。

問題の解き方を見ているのも面白いですね。Aさんは注意すべき助詞に〇をつけて、慎重に言葉を選びながら答えを書いていました。Bさんはやや小さめの几帳面な字で、上級のよくできる学生たちの書く字に似ています。Cさんは読解の問題文の要所要所に線を引いていますが、その線が多くなりすぎて何が何だかわからなくなりつつあります。Dさんは、選択問題の答えを選ぶと、マークシートよろしくその番号を塗りつぶしました。〇で囲むのが普通で、レ(チェック)をつけるとか、選んだ記号を問題の横に書くとかはよく見かけますが、鉛筆で塗りつぶした学生は初めてでした。

それから、最近の学生は品がよくなったと思います。最後の科目は時間前でも提出したら帰ってもいいのですが、その時いすを机の上に上げます。かつては“ぐわっしゃーん”と隣の教室にも響きそうな音を立てる学生ばかりだったものですが、近頃は音がしないように細心の注意を払う学生が大半です。先生方の教育のなせる業だと信じたいです。

明日から、束の間の静けさが学校を取り巻きます。

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