初黒星

8月3日(木)

横綱だって負けることがあります。詰めを誤ったとか油断したとかで、負けるはずのない相手に苦杯を喫することを取りこぼしといいます。でも、横綱が絶対してはいけないことは、連敗です。

連勝を続けてきたPさんがお父さんと長時間話をして、その後宿題や受験勉強などをして、寝たのが2時だったというのは、おとといの深夜というか、昨日の未明でした。アラームをセットし忘れたため10時半まで熟睡し、ついに黒星を喫してしまったのが昨日の授業でした。出席率100%の記録が途切れてしまったので、その後ずっと機嫌が悪かったそうです。こんなつまらぬことで記録を途絶えさせてしまったという気持ちが強かったのでしょう。

そして、午後の受験講座の教室に、通常授業も選択授業も受験講座もすべての科目のノートにしているルースリーフを忘れてきてしまいました。それを見つけたのが、次の時間にその教室を使った私でした。Pさん独特の几帳面な字を見つけ、すぐに担任の先生に届け、上述の話を耳にしたのです。

100%でなくなったとたんに生活ががたがた崩れて奈落の底に落ちていった学生の顔は、いくらでも思い浮かびます。今朝は、Pさんもそうならないようにと祈りつつ出勤しました。午前の後半の選択授業を終えて後片付けをしていると、私の教室にPさんが入ってきました。お昼の時間帯の受験講座が私の教室で行われるからです。

「Pさん、あんた、昨日教室にノート忘れたでしょう」「え、先生、どうして知っているんですか」「見つけたの、私ですから」「ありがとうございました」

Pさんは連敗はせず、昨日の不機嫌さはかけらも見せず、いつものにこやかな表情が戻っていました。ここを乗り切れば、また連勝を重ねていけるでしょう。皆勤賞は逃しましたが、精勤賞を目指して頑張ってください、Pさん。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です