「話せる」とは

10月17日(木)

受験講座終了後、TさんとLさんの面接練習をしました。2人とも、先週も面接練習をしましたが、台風の影響で試験が延期になり、今週末に面接試験を控えています。ですから、実質的にこれが最後の練習です。

TさんもLさんも、しゃべりすぎです。面接官からの質問にあれもこれも何でも話そうとして、自分でも言わんとするところがわからなくなり、自滅していました。「どうして〇〇学部で勉強したいんですか」という質問に、放っておくと3分も演説しちゃうんです。Tさんなんか生い立ちから話が始まり、志望理由にたどり着くころには、こちらはメモを取る気もなくしていました。これでは、肝心のことが面接官に伝わりません。Lさんも例として挙げた事柄を事細かに説明し始め、そちらに熱中してしまい、「あなたがやりたいことは人まねですか」となってしまいました。

日本人だって、原稿なしで3分間理路整然と話すことは難しいです。ましてや、日本語が外国語の留学生たちが3分間も話し続けたら、本筋が見えなくなることぐらい、想像に難くありません。教師が書いた原稿を丸暗記すれば、“3分間理路整然”も可能かもしれません。でも、入試の面接でそれをやったら、一発アウトでしょう。

また、3分もしゃべっていれば、ねじれ文が続出し、文法や語彙の間違いも増え、日本語力もかえって低く評価されてしまうかもしれません。。コミュニケーションは双方向的なものなのに、一方的に話し続けれたらコミュニケーション能力や協調性も怪しまれかねません。

ですから、2人には、「最長30秒」と指示しました。そうなると、生い立ちも例もばっさりカットです。2人とも不満そうでしたが、30秒の答えは結論が明確になり、論旨が伝わってきました。この勢いで、合格をつかみ取ってもらいたいです。

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