記録を縮める

8月18日(火)

「記録を3秒縮める」といったら、たとえば2分30秒だったのが2分27秒になったということで、そこは全く問題がありません。ところが、「縮める」をその反対の「伸ばす」に替えても、意味は変わりません。

こんなことを漢字の時間に学生に言ったら、学生たちは不思議そうな顔をしていました。当然、2分30秒が2分33秒になったのはどういうか、という質問がありました。こちらは「記録が下がる/落ちる」でしょう。

どうしてこんなことが起きるかというと、記録に関しての場合の「伸ばす」は、「縮める」の反対、時間を長くするという意味ではなく、良くするという意味だからです。そして、厳密に言うと、「縮める」の反対は「延ばす」なのです。

私が漢字の授業をすると、こんなふうに漢字以外のところでけっつまずいてしまいます。もともと辞書で言葉の意味を調べたり、文法を突っ込んで考えたりするのが好きですから、何かの拍子にその成果(?)が出てきてしまうのです。

昨日は初級クラスで「消しゴムのかす」を教えました。「消しゴムのごみ」なんて言っていたんじゃ、進学してから笑われます。「消しゴムのかす」は、EJUやJLPTにはまず出ないでしょう。大学入試でこれを知らなかったからといって落とされることもないでしょう。そういう意味では全く役に立たない言葉ですが、小学校に上がる前の子供でも知ってるでしょうから、知らなかったらかなり恥ずかしいです。

明日はまた初級クラスです。今度は、どんな場外乱闘を起こそうかな…。

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