最後のお勤め

2月12日(金)

今学期はずっとオンラインでの授業を続けていますが、始業日に学生にアンケートを取りました。進学先が決まっているか、これから受験すところはどこか、アルバイトはしているか、しているならそれはどこか、曜日と時間はどうか…など、学生の生活全般にわたるものでした。最後に、学校や教師への要望も聞きました。

Cさんは、それに対して「入試直前なので、面接練習をしてほしい」と答えました。その週の週末が入試でしたから、私が入試前日にオンラインで面接練習をしました。答え方がめちゃくちゃだったので、基礎からたたき直して、どうにかCさんの思いが面接官に伝わるようなレベルまで持って行きました。それが功を奏したかどうかは定かではありませんが、Cさんはその志望校に合格しました。

Cさんが受かったという情報は、M先生から聞きました。始業日のアンケートで進学先が決まっていないと答えた学生にさらなる聞き込みをした段階で、M先生がCさんの合格を知り、他の学生の合格情報と一緒に伝えてくださいました。責任を果たせて、ホッとしました。

ところが、その後、Cさんのクラスに入ることはあっても、Cさん自身の口から合格の報告は聞いていません。恩着せがましいことをするつもりはりませんが、一言あってもいいんじゃないかなあ。「おかげさまで」などという気の利いた言葉までは要求しませんが、「合格しました。ありがとうございました」ぐらいは言えますよね。

面接練習は教師の仕事の1つです。だから、受験する学生から要望があればして当たり前であり、その結果受かっても報告するいわれはないと考えているのでしょうか。残念ながら、日本の社会はそこまでドライに割り切る発想が広まっていません。Cさんが同じようなことを進学先で、おそらく次は就職試験で、やらかしたら、人間性を疑われるでしょうね。

これをCさんに教えてあげるのが、Cさんを教えた者としての最後の仕事でしょうか。

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