秩父は初夏

4月28日(金)

西武池袋駅の特急ホームに入線したラビューは、黄色のシートも印象的でしたが、それ以上に窓のカーテンの大きさに度肝を抜かされました。一般住宅のベランダの出入り口に掛かっているカーテンを一回り小さくしたくらいで、とても電車の窓の日よけとは思えない大きさでした。

天気が良かっただけに、大きな窓からは日差しもたっぷり降り注ぎましたが、カーテンを使う学生はあまりいませんでした。左手前方に富士山が見えると案内すると、右側席の学生も体を乗り出して見ようとしていました。

横瀬駅からは、歩いて羊山公園へ。途中の景色は、ザ・日本の田舎というべきのどかさで、レンズを向ける学生もちらほらいました。ちょっと距離があるかなと思いましたが、学生たちはおしゃべりしながら歩き続けました。

羊山公園の芝桜は、ネットに書き込まれていた通り、盛りは過ぎた感じでしたが、私の目にも学生の目にも、十分美しく映りました。ネット情報を知らなかったら、もっと感激に浸れたかもしれません。

お昼を食べて芝生に寝転がったら、本気で眠ってしまいました。芝生の丘の適度なカーブが背筋を伸ばすのに持って来いで、それがとても心地よい刺激になりました。

それから、市街地に下りていきました。かなりの急坂もありましたが、そこからは街並みが手に取るように見えました。絶景に引き寄せられた学生が道を渡るのにちょっとヒヤッとしました。私たちと同じく芝桜を見に行く車が結構ありましたから。どうということはない住宅地を抜けて、秩父神社へ行きました。

秩父神社は左甚五郎の彫刻があり、日光東照宮と同じく極彩色に塗られていました。色が鮮やかすぎるとありがたみが薄れてしまうというのは、私のひがみ根性のせいでしょうか。学生たちは、彫刻を見上げては感心したような表情であれこれ友だちと語り合っていました。

神社と言えばおみくじと絵馬です。何度もおみくじを引いて先生にたしなめられたり、引いたおみくじの意味を先生に尋ねたり、そのおみくじをどこに結べばいいか聞いたり、絵馬の願文をじっくり読んだり、まあ、いろんな学生がいました。

西武秩父駅で解散でしたが、行きで味を占めたのか、ラビューで帰ろうという学生がおおぜい特急券販売機の前に並びました。一時はどうなることかと思いましたが、希望の学生を全員飲み込み、他のお客さんもみんな乗せて、定刻に出発していきました。電車の収容力は大したものです。

夕方になっても、肌寒さは感じませんでした。秩父は、もう初夏です。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です