志望理由書と学習計画書

12月14日(木)

MさんはK大学への出願準備を進めています。午前の授業後、志望理由書と学習計画書を見てほしいと、私のところへ来ました。志望理由書と学習計画書は、A4・1枚の願書の一部分に設けられたあまり広くない空白に記入することになっていました。

Mさんは、志望理由書は思うところがたくさんあるようで、私の老眼にはかなり厳しい細かい文字ですき間なく書かれていました。国で働いた経験からこういう学問が必要だと痛感し、それが勉強できるK大学を志望するに至ったということがよくわかりました。

一方、学習計画書は、私にも読めるサイズの字でしたが、講義名をそのまま書いたようで、志望理由書ほどの熱意は感じられませんでした。“計画”という言葉に惑わされて、何年生で何の授業を取るという羅列に終わってしまったようでした。

全体として、志望理由にある、Mさんが必要としている学問と、それをどのように勉強していくかという学習計画とが結びついていない感じがしました。志望理由書はMさんにしか書けない内容でしたが、学習計画書は誰にでも書けるものでしかありませんでした。

Mさんが語りたいことは、志望理由にあります。しかし、このままこの願書を提出すると、面接での質問が学習計画に集中するおそれがあります。それはMさんにとっては不本意でしょうから、志望理由書と学習計画書を有機的に関連付けるよう指導しました。

K大学にしたら、学習計画書には、講義名ではなく、こんなことを学びたいと書いてもらった方が、Mさんをどう育てるかという道筋が立てやすいでしょう。大学は、何を教えたらいいかわからない学生ではなく、自分たちの教育によって成長した姿の見える学生を合格者として選ぶものではないでしょうか。

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