条例成立

9月22日(月)

愛知県豊明市のスマホ条例が可決成立しました。10月1日から施行されます。市議会では19人中12人が賛成したそうです。罰則規定はないものの、スマホの利用制限を謳った条例は全国初です。この条例は今学期、上級の授業「社会を知る」で取り上げましたから、関心を持って見ていました。

条例では、1日のスマホ使用時間を2時間以内にすると規定されています。この2時間には職務や学習で使用する時間は含みません。余暇時間に趣味・娯楽などで使うのが規制の対象です。

この稿でも散々述べてきたように、授業中もスマホが手放せない学生が少なからずいます。依存症的症状の学生も、各クラスに1人や2人はいるんじゃないでしょうか。息抜きでスマホを見るのはともかく、スマホが体の一部と化しているのではないかと疑いたくなるような使い方は異常です。

だいぶ以前の卒業生Gさんは、今思うと、スマホ依存症の走りでした。どんなに注意してもスマホを手放そうとしませんでした。自分で依存症だと言っていました。理数系のセンスのある学生だったのですが、EJUのようなマークシート方式の問題はできたものの、答案を書く問題は最後までできませんでした。それができたら、かなり“いい大学”に入れたことでしょう。しかし、進学したのは、Gさん自身も少し不満の残る大学でした。

最近、「ルポ誰が国語力を殺すのか」という本を読みました。3年前に発売された単行本が今年7月に文庫化されなした。そこにもスマホの問題がありました。KCPで成績が低迷している学生も、実はこの本に取り上げられている例と似たような状況なのかもしれないと思いました。

海外に目を転じると、オーストラリアは、12月から16歳未満のSNSの利用を禁じる法律が施行されます。EUも来年未成年のSNS利用を規制する法案を提出するそうです(日経新聞による)。そういう規制が広まらないと、先進国では少子化で減った子どもの半数がスマホ依存症…などということになりかねないとすら思っています。KCPの学生を見ていると、そんな悪夢が頭をよぎります。

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