牽引力

9月24日(水)

レベル1の期末テストの1科目として、会話テストをしました。中間テストでは教師と学生の会話でしたが、期末テストでは学生同士でしてもらいます。教師と学生なら、教師がリードして、時には手加減をして、会話を進めていけます。しかし、学生同士ではそういうわけにはいきません。お互い協力し合って会話を作り上げていくところに、中間テストにはない難しさがあると言えます。

最初はSさんとKさんのペア。教室ではSさんの方が1ランク上という感じです。課題を見せると、SさんがKさんに話しかけ、Kさんがそれに答えました。その答えを聞いてSさんがさらに質問するという流れが続きました。Sさんは、Kさんが質問の意味を理解していないと感じると、言い方を変えて質問していました。教室での力の差がそのまま会話テストにも現れたなと思いました。

次のMさんとGさんは、教室ではGさんの方がよく話します。Mさんはめったに口を開きません。ところが、課題を示すと、Mさんが先手を取ってGさんに質問して会話が始まりました。その後は、MさんがSさん、GさんがKさんで、Mさんが会話を引っ張り続けました。Mさんがここまで話をするなんて、全く予想できませんでした。Mさんはおとなしいですがコツコツじっくり勉強するタイプで、それがここで一気に花開いたという感じでした。

SさんとMさんは、相手の反応を見ながら会話を作り上げていく力が備わっていました。大したコミュニケーション力だと思います。レベル1でも期末テストになるとここまでできるようになるのです。こちらも勉強になりました。

その次のAさんとBさんは、2人ともよくしゃべる学生ですから、会話テストでも話が盛り上がりました。これは予想通り。そのまた次のZさんとYさんは、ペーパーテストでは点を取りますが、会話力には巨大な“?”が付く2人です。これまた予想通り、竜虎相打つと申しましょうか、ハラハラドキドキさせられました。

AさんとBさんは、SさんやMさんのような会話の牽引役が務まるでしょう。ZさんとYさんはどう見ても牽引役にはなれそうにありません。KさんとGさんは、ZさんやYさんが相手なら、いわば追い詰められて、会話を引っ張るのではないかという気がします。この成長の差はどこから来るのか、それを突き止めるのが今後の課題です。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です