本番

10月1日(水)

先週末、SさんからT大学に提出する志望理由書の添削を頼まれました。誤字脱字はありませんでした。それぐらいはAIが見てくれるのでしょう。直さなければ絶対に落ちるだろうというような、致命的におかしな部分もなく、このまま出してもどうにかなりそうな感じはしました。しかし、T大学は“ダメではない”程度で入れてくれる大学ではありません。何か光るもの、とがった部分が欲しいところです。Sさんの志望理由書に最も欠けているのがそれでした。土台が他大学に出した志望理由書で、それに多少手を加えてT大学向けに書き直したものです。そういう文章になる方が自然であり、右から左へと流れ作業でこなして書き上げた文章という感じが拭えませんでした。

そういう意味のことを返信すると、丸一日ほど経ってから、改訂版が送られてきました。今度は自分で調べ考え、字数制限に合わせて推敲を繰り返したと思われる志望理由書でした。どこの大学にも通用しそうな内容が消え、その代わりにT大学の特徴をとらえた志望理由が書かれていました。だいぶとがってきたかなという印象でした。これ以上とがらせると、お読みになる先生によっては嫌悪感を抱かれるのではないかと思い、不自然な日本語表現を指摘してOKを出しました。

程なく、そこを直して志望理由書が無事完成したというメールが届きました。T大学の出願はこれからですが、このくらい時間に余裕を持って動いてもらいたいものです。明日締切なんていう時に志望理由書を送り付けられても、こちらも焦ってしまい、じっくり読んで手を加えるどころではありません。

さて、Sさんの志望理由書は私の手を離れました。次は面接練習でしょうか。面接練習と言えば、明日は朝からHさんを鍛えなければなりません。

受験の秋、本番です。

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