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マイナスに負けず

1月25日(月)

週末は寒波が押し寄せ、沖縄や奄美大島など、雪とは全く縁のなかった地方でも白いものがちらついたそうです。九州各地で、1日中氷点下の真冬日を記録しました。佐賀県にいたっては、気温を観測している全アメダス地点で真冬日でした。真冬日を逃れたところも、最高気温は0時ちょっとすぎに記録されている観測地点が多く、日中は氷点下で推移し、実質的に真冬日が九州中に広がっていました。

東京は土曜日の夕方にわずかに雨が降ったくらいで、気温も、平年を下回ったとはいえ、10度近くまで上がりました。少なくとも南関東はこんな感じで、日本列島の中で唯一、とんでもない寒波からは逃れました。これは、関東地方は日本海から一番遠いところにあり、雪を降らせる北西の季節風の影響を最も受けにくい地理的位置にあるからです。

今朝もマンションの外に出ると肌に突き刺さるような寒さで、最寄り駅の改札口で出ている気温は1.2度。気象庁発表の東京の最低気温は、だいたいこれより2~3度低いですから、氷点下かなと思ったら、-2.6度でした。

この寒さにめげず、Mさんは授業前に面接練習に来ました。私立を受けず、これから国立大学受験を重ねていくMさんは、面接は初体験です。そういうこともあり、志望理由でも何でもちょっと突っ込むとガタガタでした。そういえば、先週あたりまでに合格を決めた学生たちも、最初はMさんと大差なかったっけ。やっぱり訓練の賜物なのでしょうから、Mさんも本番まであまり時間はありませんが、ビシバシ鍛えていかねばなりません。軌道修正は柔軟にできるMさんですから、間近に迫ったN大学にも何とか間に合うでしょう。

明朝は、同じく国立を狙うHさんの面接練習です。寒波は緩んでもまだ気を緩めることはできません。

これからが真骨頂

1月22日(金)

Gさん、Fさん、Sさん、Hさん、Uさん、Wさんが合格を決めました。Gさんは実力よりちょっと上の志望校でしたし、Fさんは11月のEJUで成績があまり伸びていませんでしたし、Sさんは今までいろんな学校に落ちまくっていましたし、Hさんはその1校しか受けていませんでしたし、UさんとYWさんは面接練習の段階ではめちゃくちゃでしたし、まあとにかく心配な要素が満載の学生たちが受かってくれて、大いに安心しました。Gさんはよほどうれしかったのでしょう、心なしか涙ぐんでいたようでした。Hさんは私が授業をしている教室まで報告に来てくれました。いつも無愛想なUさんは、メールで知らせてきてくれました。先週の金曜日は苦杯をなめて青い顔をしていたSさんも、今日は透き通った笑顔を振りまいていました。

受かった学生たちの受験のころを振り返ると、鬼気迫るものがありました。死に物狂いで力を伸ばし、それを遺憾なく発揮しようという何物かを感じさせられました。Hさんなんかは、これだけ勉強すれば受験の神様も微笑んでくれるに違いないってくらいやってましたからね。

私が注目するのは、来週からのGさんたちです。受かったとたんにやる気をなくして卒業までぼんやりしていた、なんていう例を今まで掃いて捨てるほど見てきました。来週、教室で無気力な態度だったら、その学生は合格を確認した瞬間が留学生活のサミットで、大学生活が始まっても入試準備の頃の輝きを取り戻すことはないでしょう。先週第一志望校への合格を決めたDさんは、今週課題をしてこなかったとか。同じくYさんは盛んに一時帰国したがっています。授業はきちんと受けているところが救いですが…。

受験の続くSさんは気力を充実させたままでしょうが、それ以外の学生ががたがただったら、指導してきた者としてはショックが大きいですね。そうならないように授業を充実させていくという、重い荷物を背負った気がします。朗報が浪報になってしまったら意味がなくなってしまいます。

国立も受けますか

1月16日(土)

午前中仕事をしていると、受付のカウンターからCさんが私を呼びました。出て行くと、Cさんは「先生、S大学に合格しました」と報告してくれました。

Cさんは建築学を勉強するために日本へ来ました。去年のこの学期、Cさんはまだ初級でしたが、EJUの過去問を求めて私のところへ通いました。数学と物理が大好きなCさんは、少し日本語がわかるようになったら、腕がうずうずしてならなかったのでしょう。S大学はこういう理科が本当に好きな学生を大事に育ててくれる大学ですから、きっとCさんの一生を支え続けるいい勉強ができることでしょう。

ところがCさんは、「先生、国立も受けたほうがいいですか」と聞いてきました。Cさんが名前を出した大学は、うまくすれば手が届くかもしれない大学です。そういうところに挑戦しようという気持ちは評価できますが、ただ単に”国立に受かった“という名誉(?)がほしいだけなら勧められません。

それよりも、私はCさんの日本語力が心配です。入学以来ここまで順調に進級してきたのですから、まるっきり力がないわけではありませんが、今のままS大学に入ったら、入ってからが大変なのではないかと心配せずにはいられないくらいの実力です。S大学できっちり勉強すれば4年後に鳴くことはありませんから、国立の入試に備える暇があったら、今の日本語力を1ミリでも伸ばしてもらいたいです。

新学期が始まってまだ1週間も経っていませんが、卒業式は3月5日ですから、Cさんが勉強できる期間は1ヵ月半ほどです。その間必死に勉強して、S大学の授業についていけるだけの日本語力をつけて卒業していってもらいたいです。進学後、目を輝かせてS大学での生活を語りに来てほしいですから。

答えに詰まる

1月14日(木)

午後からDさんの面接練習をしました。Dさんは理系の学生で、志望校の面接の際に口頭試問も行われますから、物理や化学の問題を出す役目を負った次第です。

Dさんは、EJUの物理や化学ではかなりの点数を取りましたが、口頭試問は大苦戦でした。化学や物理の基本事項を根っこから理解していないことがあらわになりました。「なぜ」を追究せず、表面的な現象や結論となる公式だけを覚えて満足していたのです。数学の問題の解き方なんか見ていると、理系のセンスは十分あると思うんですがね。Dさんには、面接本番までに教科書を読み直し、応用問題ではなく、“〇〇とは何か”という根本の知識を確認しておくように指示を出しました。

口頭試問を貸して学生を選抜しようという大学側の姿勢は評価できますが、根本のところを押さえていなくても好成績が収められてしまうEJUって何だろうという気持ちになりました。理系的な勘が働けば、訓練によって点が取れてしまうのです。こういうテストだけで選ばれて大学に入学したら、入ってから苦労するだろうなと思いました。

先学期、理科の受験講座で記述式試験の対策をしました。T大学の電磁気学の問題など、難問ではないけれども基礎を余さず盛り込んで、それを組み合わせて答えを導き出す惚れ惚れするような良問でした。解説していて気持ちがよかったです。こういう問題なら真に力のある学生、科学的な基礎知識をもとに創造的な学問ができる学生が選ばれるだろうなと思いました。

今週末はセンター試験です。そして、センター試験を中心に、大学入試のあり方全体の改革が議論されています。そこに留学生入試を含めることは難しいでしょうが、入試対策ではなく大学で学問していく基礎力を身に付けようというインセンティブが働く試験制度になるといいです。

モラトリアム?

1月7日(木)

新入生のオリエンテーションがありました。進学コースの新入生には受験講座の説明もしました。

進学コースのGさんは、レベルテストで中上級に入れる点数を取りました。国で大学を卒業していますから、日本で大学院に入るのかと思いきや、大学進学希望と言います。大学で勉強したいことはアニメ。国の大学で勉強したこととは違うので大学に入りたいというのは正論ですが、なぜアニメなのか聞いたところ、日本で一番就職しやすいのはアニメ業界だからだと言います。

確かにそうかもしれません。でも、アニメ業界は厳しく、数年も経ずして辞めていく人材が多いと聞いています。3年ぐらいで仕事を辞めて帰国するつもりかと聞くと、そうではないと答えます。そして、それならアニメはやめると言い始めました。さらに、「先生、日本で就職しやすい学部はどこですか」と聞いてきました。内心かなるムカついてきたのですが、それをぐっとこらえて、「そうだね、経営とか経済とかじゃないかな」と答えると、「じゃあ、そこにします」とGさん。「日本で就職できれば学部はどこでもいいです」とも。

在校生がこんなことを抜かしたら殴り倒してやるところです。大学を卒業しているのですから、大学の勉強の何たるかぐらいはわかっていると思ったのですが、Gさんにとって勉強は点取りゲームにすぎないようでした。自分は物を覚えるのには自信があると言います。アイウエオから始めて半年でN2の勉強を終え、12月にN1を受けたそうです。受かるかもしれないという手ごたえだったと言っていました。アニメも経済も、その延長線上のようです。

こう書くと、Gさんと私の会話はずんずんすすんだように思えるでしょうが、ここまでたどり着くまで私の日本語が通じなかったり、Gさんの日本語のひどさに愕然としたりと大変でした。Gさんはペーパーテストにはめっぽう強いものの、コミュニケーション力はいたって低いのです。

それよりも心配なことは、Gさんには時間の感覚がないということです。おそらくご実家は裕福なのだと思います。だから、大学を出た上に日本語を勉強し、日本留学もさせてもらえるのです。また、アニメをやめて経済にするだけにとどまらず、大学院まで行きたいと言いますから、根は勉強好きなのでしょう。でも、大学院まで行っていたら、Gさんが就職するのは30過ぎです。いくら勉強熱心で日本語に加えて外国語が自由に操れたとしても、就職するには年齢の壁があります。その辺の感覚が欠如しているように思えました。

今学期もまた、新たな戦いが始まろうとしています。

迷い

1月5日(火)

Cさんは昨年中にM大学に合格し、1月から3月は日本を旅行したり一時帰国したりしようと思っていました。そこでまず考えたことは、退学して日本にい続けようということです。授業料も払わなくていいし、自由な時間も好きなだけ確保できるし、Cさんにとっては最高の方法です。確かにCさんのビザはM大学への入学まで日本に滞在できるものですが、それはKCPに通うという前提ですから、学校にも通わずに日本で遊んでいるなどということは許されません。そんなことをしたら除籍処分となり、除籍されたらM大学に通うビザは絶望的です。

次に考えたことは、授業料を払って登録して、KCPでの学籍を確保した上で旅行に行くという手です。これもまた実質的に学校に通わないのですから、認められるものではありません。百歩譲って認めたとしても、CさんはM大学に入るために出席率上多大な犠牲を払っており、すなわち先学期は欠席しまくっているため、1月期もろくに出席しないとなると、ビザが危うくなります。

その次は、退学していったん完全に帰国するというものです。ビザの上ではKCPと縁が切れますから、出席率が下がることも除籍されることも心配しなくていいです。しかし、M大学進学のためのビザを取り直すことは、そう簡単なことではありません。CさんはM大学や入管に確認や問い合わせをしましたが、Cさんが安心できる回答は得られませんでした。

迷いに迷ったCさんは、国のご両親に電話をかけ、どうしたらいいか相談しました。ご両親からは、「お前のしたいようにすればいい」と言われ、Cさんは頭を抱えてしまいました。

これが昨日から今日にかけてのCさんの思考遍歴です。担任の私を始め、H先生、T先生、事務のLさん、Sさん、Nさんなど、各方面の教職員に相談を持ちかけ、何とか自分の思い通りの答えを引き出そうとしました。学校関係者は、もちろん、「自由に日本中を旅行してもいいですよ」なんて言うわけがありません。誰に聞いても完全帰国か卒業式まできちんと学校に通うかの二択を迫りました。

日もとっぷり暮れた頃、M大学に進学して勉強していくには、KCPをきちんと卒業することが最善の道だと悟って、ようやく1月期の登録をしました。「登録する限りはきちんと出席しないとCさん自身が痛い目に遭うんだからね」と5本ぐらい釘を刺しておきました。

方針を決めたCさんはすっきりした顔をして帰っていきましたから、ちょうど1週間後に始まる新学期に期待することにしましょう。

志望校への道

12月24日(木)

授業は終わりましたが、今日も年明け早々に入試を控えた2名の学生の面接練習をしました。

Sさんは、自己主張ができません。大学のパンフレットやホームページに書かれているようなことなら言えるのですが、それがちっとも自分の言葉になっていません。もちろん、大学に入りたい気持ちはあります。将来の目標もあります。でも、それを語れないのです。

「なぜ、本学で勉強しようと思ったのですか」「バランスのいいカリキュラムがあるからです」「あなたの将来の計画を実現させるために、大学で一番勉強しなければならないことは何ですか」「基礎の勉強です」

確かに間違ってはいませんが、いかがなものでしょう。面接練習を離れて、雑談をすると、結構味のあることを言うんです。それを面接の本番で言えよってところなんですが、そうは問屋が卸さないんですね。顔見知りの私が正面に座っても、面接官だと思ったとたんに通り一遍のことしか言えなくなってしまうようです。

Cさんは、話が長いのです。「どうしてこの専門を選んだのですか」「5年前日本に来て、国の交換留学生でしたが、そのときのホームステイのお父さんとお母さんが東京の有名な観光地へ連れて行ってくれて、日本は私の国と違うと思って、日本に興味を持ち始め、いつか日本に留学したいと思うようになって、………」と、練習だからと我慢していたら、5分も話し続けました。そのうち、必要な部分は、どうひいき目に見ても、30秒。以下同文で、将来の計画も最近の気になるニュースも、長いだけがとりえの答えになっていました。

2人とも、志望校で4年間勉強していく力はあると思います。性格的に途中で放り出すこともないでしょう。でも、このままでは入口ではじかれてしまうでしょう。そうならないように、2人には冬休みの宿題を出しました。新年の仕事始めの日に、再度面接練習です。

シャープペンシルの芯

12月17日(木)

A先生が嘆いています。昨日届いたEJUの成績通知を各学生に渡して、その成績を確認したのですが、それがひどいからです。点数が低いのなら、毎度のことですから、対処の方法もあります。しかし、話を聞いただけであきれてしまうようなことをやらかした学生がいるのです。

Bさんは文科系の学生ですが、「数学コース2」が80点という成績がついてきました。本人がびっくりするほどのひどい点数です。Bさんは、もちろん、解答用紙の「数学コース2」をマークした覚えはありません。でも、こういう成績表が送られてきたということは、きっと塗り間違えたのでしょう。「コースを間違えたのに80点も取れたなんて、すごいでしょう」って自慢していたそうですから、立ち直りが早いというか、反省の色が薄いというか…。

Cさんは理科系の学生ですが、数学の点がついていませんでした。A先生がCさんに事情を聞いたところ、「数学の時間、鉛筆がなくなりましたから」という答えが返ってきたとか。要するに、シャープペンシルの芯がなくなったということです。数学は理科系の要の科目です。数学の成績がつかなかったら、理系の学部・学科の受験はほぼ絶望的です。たかがシャープペンシルの芯がないくらいで、そんなことをしちゃうでしょうか。「シャープペンシルには予備の芯を入れておくこと」「万が一、芯がなくなっても、誰かにもらうなどして、決してあきらめないこと」こんなことまで注意しなければならないのかと、A先生は愚痴っていました。Cさんがどうしようもない、ねじが3本ぐらい抜けていそうな学生ならともかく、ふだんはまともな学生だから、A先生のショックもひとしおのようです。

学生が子どもになったと言われて久しいですが、シャープペンシルの芯の心配までしてやらねば、自分の将来を左右する大事な試験も受けられなくなってしまったのでしょうか。「電子レンジはペットを乾かすのに使ってはいけない」なんていう注意書きに似てきたなと思いました。

勝負‥‥できるかな?

12月16日(水)

午前中、11月のEJUの結果通知が届き、午後から、もらいに来た学生に渡し始めました。予想通りというか、予想以上に進学相談の学生が押し寄せ、仕事がほとんど進みませんでした。

自分の成績を見て出願大学を決めるのは当然のことですが、今年は昨年あたりに比べて、自分の点数では入れそうな大学はどこかという質問が多かったように感じました。ネームバリューのある大学に確実に入りたいという意識が強いのでしょうか。

国立大学の場合、2月25日の集中試験日に受ける大学1校と、それ以外の日に受けられる大学何校かを選ぶことになります。全部で数校ですが、その組み合わせが問題です。チャレンジ校はすぐ決められても、その次のランクの大学が学生にはよくわからないのです。自分の持ち点で受かりそうな大学、学部学科は替えてもいいからちょっとでも有名そうな大学に入りたい、そんな葛藤が実況中継で始まりました。

それをさらに複雑にするのが、出願は6月の成績でするか11月のでするかという選択です。どちらかが明らかによければ悩む必要もありませんが、6月で結構な点数を挙げてしまうと、11月はある科目は上がって、別の科目は下がってということにもなります。となると、大学がどの科目をどの程度重視するかを見極めねばなりません。留学生入試は日本人の一般入試とは違って、何にどの程度ウェートを置くかが発表されないことが多いです。だから、教師の経験とカンと推理が頼みの綱です。

年が明けたらすぐ国立大学の出願です。学生たちにしても、ゆっくりと迷っている暇はありません。明日以降も、悩める子羊が続々と訪れることでしょう。

第一志望に合格

12月14日(月)

PさんがT大学に合格しました。第一志望の大学なので、Pさんの受験はこれでおしまいで、あとは3月の卒業式まで、悠々自適の生活です。T大学は、無名の大学とまでは言いませんが、全国的に名の通った大学かといえば、そうではありません。Pさんの力なら、T大学よりも有名な大学、国立大学にも十分合格できると思いますが、Pさんはそんなことには頓着しません。

入学間もないPさんから相談を受けた時、T大学以外にもPさんの勉強したいことが勉強できる大学があると思っていましたが、意外なほどに見つかりませんでした。教授の研究レベルならあるのですが、それに関する授業は1つか2つというパターンがほとんどでした。それでも何校かよさそうな大学を選びを出し、その中のいくつかはPさん自らオープンキャンパスなどに足を運んで実地検分してきましたが、T大学に勝る大学はありませんでした。

進学の担当者としては、Pさんほどの実力者には国立大学も受けてほしいですし、そして合格者リストに名を連ねてもらいたいです。失礼を承知で言わせてもらうと、T大学で打ち止めというのは、もったいないです。でも、誰よりもPさん自身がT大学合格を喜んでいて、大学生活に夢を描いているのです。私を含めた周囲の教師のアドバイスを参考にし、かなり綿密に調べた上での進路決定ですから、もはやどうのこうのというべきことではありません。

もう10年ぐらい前ですが、JさんもPさんみたいな学生でした。優秀な学生でしたが、有名大学には目もくれず、私も初めて名前を聞くようなN大学に入りました。在学中何回かKCPに顔を出してくれましたが、目を輝かせながら充実した大学生活を語ってくれました。最近は音信不通でしたが、日本で専門が活かせる職を得て、忙しい日々を送っているという噂を最近耳にしました。Pさんも、何年か後には、きっとこうなるのでしょう。

その一方で、学部は問わずとにかくK大学とか、MARCHならどこでもいいとか言っている学生が大勢います。同時に、進学実績を上げるという名の下に、そういう学生に手を貸している自分がいます。Pさんの純粋さに比べたら、なんと不純かついい加減なのでしょう。自分の将来像など見当もつかないというのが学生の正直な気持ちかもしれませんが、そういう学生に将来像をきちんと描かせることこそ、真の教育だとも思います。