答えに詰まる

1月14日(木)

午後からDさんの面接練習をしました。Dさんは理系の学生で、志望校の面接の際に口頭試問も行われますから、物理や化学の問題を出す役目を負った次第です。

Dさんは、EJUの物理や化学ではかなりの点数を取りましたが、口頭試問は大苦戦でした。化学や物理の基本事項を根っこから理解していないことがあらわになりました。「なぜ」を追究せず、表面的な現象や結論となる公式だけを覚えて満足していたのです。数学の問題の解き方なんか見ていると、理系のセンスは十分あると思うんですがね。Dさんには、面接本番までに教科書を読み直し、応用問題ではなく、“〇〇とは何か”という根本の知識を確認しておくように指示を出しました。

口頭試問を貸して学生を選抜しようという大学側の姿勢は評価できますが、根本のところを押さえていなくても好成績が収められてしまうEJUって何だろうという気持ちになりました。理系的な勘が働けば、訓練によって点が取れてしまうのです。こういうテストだけで選ばれて大学に入学したら、入ってから苦労するだろうなと思いました。

先学期、理科の受験講座で記述式試験の対策をしました。T大学の電磁気学の問題など、難問ではないけれども基礎を余さず盛り込んで、それを組み合わせて答えを導き出す惚れ惚れするような良問でした。解説していて気持ちがよかったです。こういう問題なら真に力のある学生、科学的な基礎知識をもとに創造的な学問ができる学生が選ばれるだろうなと思いました。

今週末はセンター試験です。そして、センター試験を中心に、大学入試のあり方全体の改革が議論されています。そこに留学生入試を含めることは難しいでしょうが、入試対策ではなく大学で学問していく基礎力を身に付けようというインセンティブが働く試験制度になるといいです。

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