出張ついで

6月21日(水)

職員室で仕事をしていたら、雨の中、傘をさしてこちらに向かってにっこり笑いかけるスーツ姿の男性が目に留まりました。もしかして、Jさん?

ロビーに入ってきたその男性の「お久しぶりです」という声は、紛れもなくJさんのものでした。スーツに包まれていることに何の違和感もなく、堂々としたビジネスマンでした。「お変わりなく」と言ってくれましたが、Jさんの変わりようからすると、私もだいぶ年を取ったように映ったことと思います。

Jさんが言うには、2001年に19歳でKCP入学だそうですから、この学校にいた頃のJさんに幼顔が残っていたとしても不思議ありません。その後Jさんは日本の大学に進学し、卒業後いくつかの会社を渡り歩いて、今は国の会社の日本担当です。月に2回、東京まで出張で来るそうです。スーツが似合っているわけです。

同じころKCPにいたDさんは、やはり月2回ぐらい大阪出張で来日しているとか。日本で勉強した専門を生かして、会社の中では結構な実力者になっていると聞き、立派になったものだと感心しました。Facebookで時々消息が知れるHさんは、世界中を遊び歩いているそうです。おとといはカナダの写真を載せていましたが、まさにそういう生活を送っているようです。うらやましい限りです。

Jさんは自分たちがKCPにいたころと比べて学生の様子が変わったと言っていました。確かに、かつては学生と言えば貧乏、貧乏と言えば学生でしたが、今の学生は私たち教師よりもよっぽどお金を持っています。また、Jさんの頃は日本で進学しない学生が少なからずいましたが、今はそういう学生は少数派です。そんなこんなで、Jさんも世代の差、時代の流れを感じたのでしょう。

Jさんのように、日本語を武器に、自分の足で歩み、自分の手で人生を切り開いている卒業生を見ると、うれしくなります。石ころ1個分であれ、そういう人の人生の石垣を築く手助けができたのですから。

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