解く? 解かない?

7月14日(金)

私が受験生の頃から、試験ではできる問題を確実に解いて点数を積み上げることが大事だと言われています。これはEJUでも何ら変わることはありません。受験のテクニックばかり教えるのは、学生に真の力をつけることにはなりません。しかし、学生に点を取らせることが学生の将来を切り開くことにつながるというのも、一面の真実です。しょうもないテクニックを知っているかいないかで合否が分かれるかもしれないのですから。

日本語プラス数学コース1では、解ける問題から解けという指示を出しています。問題Ⅰから順番に問題Ⅳまでやるのが正統派なのでしょうが、問題Ⅱがいくら考えても解けなくて、問題Ⅲ・Ⅳまで進めなかったとしたら、大損失です。ことに、問題Ⅲは得意分野で、試験終了間際にちらっと見たら楽に解けそうな問題だったなどといったら、精神的ダメージも尋常ではないでしょう。

だから、考えてもわかりそうもない問題は後回しにして、解けそうな問題から手を付けて点を稼ぐことが好結果につながるのです。数学コース1は、東大でも狙わない限り満点じゃなくても問題はありません。問題Ⅱでつまずいて平均点にも及ばない成績になってしまう方が、重大な結果をもたらします。

そんなことを言ったら、Lさんが「でも、問題Ⅱを解かないで問題Ⅲを始めたら、問題Ⅲは絶対間違えてはいけないと思って、とても緊張すると思います。そうなったら、得意分野の問題も解けなくなってしまいます」と反論しました。Lさんは物事を引きずる性格なのでしょうか。そこはすぐに頭を切り替えて問題Ⅲに集中してもらいたいです。“1問必殺”みたいな感じで、目の前の問題に全力を傾けてもらいたいです。解けなかった(解かなかった)問題はきれいさっぱり忘れて…というのは、そんなにまで難しいことなんでしょうか。Lさんにとっては至難の業なのかもしれません。そこを鍛えていくのが、私の仕事みたいです。

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