日本語力の差

1月12日(火)

小雨の新学期初日でした。教室を間違えたとか事務手続きに手間取ったとか、何名かが遅刻しました。まあ、でも、最終的には欠席1名にこぎつけましたから、よしとしなければならないでしょう。

午前のクラスは上級クラスでしたが、初級で教えた学生が何人もいて、なんだか上級という気分にはなりませんでした。「Tさんがいるなんて、上級もお安くなっちゃったね」なんていう冗談が通じるのですから、まあ彼らも上級なのでしょう。でも、消しゴムで字を消した時にできる黒いものを「消しゴムのごみ」なんて言っちゃうあたり、初級的な発想が抜け切っていないとも言えます。「消しゴムのかす」なんて、日本人なら子どもでも知っています。そういう言葉を知らないと進学してから日本人の同級生にバカにされるよって言ってやったら、妙に納得していました。

こんなのは比較的どうでもいいのですが、このクラスで一番いけなかったのは、自己紹介のときに全員が「〇〇です。◎◎(国)から来ました。趣味は△△です」で済まそうとしたことです。これならみんなの日本語の14課だと怒ってやり直させたら、中級ぐらいの文法は使って夢やら日常やらを語ってくれました。やればできるんですから、やるように仕向けることがこのクラスを教える上での課題です。

一息つく間もなく、午後は代講。そのクラスは一番下のレベルですから、初日は挨拶と教室用語と数字と自己紹介です。自己紹介では「初めまして。〇▲です。△▽(国)の▼◎(都市)から来ました。どうぞよろしく」と、都市名に触れる分だけ午前中の上級の学生より上ではないかっていう自己紹介を練習しました。日本語の発音に慣れていないためにおかしげなイントネーションの学生もいましたが、全体的に見ればよくできたんじゃないでしょうか。

教室の片づけを済ませ職員室に戻ると、C大学に進学したTさんが来ていました。「新学期の初日だからお日柄が悪いんだよなあ」なんて言いながらも、懐かしさのほうが勝って、思わず話し込んでしまいました。4月から3年生で、就職に向けて動き始めるとか。こなれた日本語を話していますが、入学当初は日本人学生との間の日本語力のギャップに悩んだそうです。このねたは、明日の超級クラスで使えそうです…。

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