Monthly Archives: 3月 2021

動きが鈍いと

3月2日(火)

つい先日合格を決めたXさんが、入学許可証を持って来ました。学校から入管への報告に必要ですから、進学する学生には入学許可証を持って来てもらい、学校でコピーを取っています。

ところが、そのXさんを見つけたY先生が「Xさん、何してんの! 授業中でしょう」と一喝。本来なら自分の部屋でオンライン授業を受けていなければならない時間に、学校へ来てしまったのです。担任教師としては怒らなければなりません。怒られたXさんは、シュンとなって帰りました。

その後、T先生と、担当している学生たちの進学先決定状況を確認しました。学期初めに比べれば未定者はかなり減りましたが、残っている学生はかなりのつわものたちです。そして、T先生の分析によれば、このつわものたち、動きが鈍いのです。教師からアドバイスをもらっても、動き始めるまでに時間がかかり、チャンスを逸してきた形跡があります。

さらに言ってしまうと、優先順位がつけられないという面もあります。Xさんがその典型でしょう。志望校から入学許可証が届いたら、うれしくなって、後先考えずに学校へ来てしまったに違いありません。Xさんに限らず、計画性がない学生、すぐに取り掛からなければならないことが見えない学生が、いつまでたっても進学先が決まらないという図式が見えてきました。

それに対し、NさんやGさんなどは、日本語力的には疑問符が付いていましたが、夏ぐらいから騒ぎ出して、周囲の教師も巻き込んで、昨年秋には合格を決めてしまいました。Aさん、Fさん、Wさんあたりも、合格が決まったのは年が明けてからでしたが、計画的に動いていましたから、思いを遂げることができました。

毎年、多かれ少なかれ、そういう傾向がありましたが、今年は特に顕著なような気がします。これを、卒業式後に残る学生の指導につなげていきます。

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行方不明

3月1日(月)

朝、学校へ来てパソコンを立ち上げると、Cさんからメールが来ていました。専門学校に出願するので推薦書がほしいと言います。Cさんの出席率を調べてみると、入学からは90%を超えていますが、ビザ更新後はKCPの推薦基準を大きく下回る数字でしかありません。今学期、私が担当したオンライン授業の時も、出席を取ると返事をしますが、授業中に指名しても答えが返ってきたためしがありません。そういう時は、文句なしで欠席にします。そういうのがたまりにたまって、ひどい出席率になったのです。

午前中、そのCさんのクラスの授業でした。朝一番に出席を取った時は返事がありました。その20分ぐらい後で教科書を読んでもらおうと指名したら、返事がありません。2度呼びかけましたが反応がありませんでしたから、授業に参加していないものとみなして、欠席にしました。休憩時間を挟み、後半の授業が始まる時に出席をとるとまた返事がありましたが、その後また行方不明に。授業の開始から終了まで、パソコンのカメラがオンになったことはありません。授業の最後にCさんに呼び掛け、授業後、出願しようと思っている専門学校の書類を全部持って学校へ来るようにと言いました。

約束の時間に現れたCさんは、悪びれたところもなく、推薦書はもらえないのかと聞きます。専門学校の書類を見ると、推薦書は必須ではありません。あると学費を減免してもらえるというものでした。出席率の話をし、KCPとしては推薦書を出せないと伝え、推薦書がなくても出願はできると伝えました。すると、Cさんは、わりとあっさり推薦書はあきらめました。

そもそも、推薦書を頼んだ相手の教師が担当する授業に返事だけして参加しないという根性がどうかしています。30分ほどCさんと話しましたが、出席率が下がったことに対する反省などは全くありませんでした。何でもオンライン授業のせいにしたくありませんが、入学してからオンライン授業が多かったCさんはKCPに対する愛着が薄いのでしょう。また、教師の目がないとなると好き勝手なことができると思い込んでいるに違いありません。

オリンピックとの兼ね合いもあり、8日に緊急事態宣言が解除されるという観測がもっぱらです。Cさんが日本でまじめに勉強するには、対面授業が欠かせないような気がします。4月か普通の学びができることを祈らずにはいられません。

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