Category Archives: 学校

穏やかな年の瀬

12月27日(火)

ほぼ1日中、パソコンの前に座って、養成講座の資料作りをしました。昨日のうちに大掃除を済ませてしまいましたから、比較的穏やかな仕事納めの日となりました。でも、ずっとパソコンの画面を見ていたせいでドライアイがひどくなり、朝から何回目薬を差したかわかりません。まぶたを閉じたり開けたりするたびに、バリバリっと音がしそうな気がします。

パソコン仕事以外としては、T大学の指定校推薦の学生としてSさんを選びましたから、それをSさんに伝えました。残念ながら、無条件というわけにはいきません。Sさんの志望理由は素晴らしいのですが、それを理解できるのは日本語学校の先生だけだろうという状況です。話す力が、志望理由に追い付いていません。ですから、年が明けたら特訓を受けてもらわなければなりません。指定校推薦入試とは、KCPの旗竿を背中に差して試験に臨むようなものです。Sさんの話し方が下手だということは、T大学の先生方にKCPの発話教育がなっとらんと思われてしまうことにほかなりません。それは困りますから、試験日までにどうにかしてもらいます。

年末に、何人かの卒業生や在校生の方からお歳暮(?)、クリスマスプレゼント(?)をいただきました。感謝の気持ちを贈り物に込めてくださったことは、非常にうれしく思います。教職員を代表して、御礼の言葉を申し上げます。ありがとうございました。ことに、10年以上も前の卒業生Lさんが、K大学を卒業して日本で活躍していることは、古い教職員間で大いに盛り上がりました。秀才肌の学生ではありませんでしたが、努力を積み重ねて就職先では屋台骨を支える人材となっているのでしょう。そんな楽しい想像を掻き立てさせてくれました。

さて、私は、年末年始は関西です。みなさん、よいお年をお迎えください。

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年末大掃除

12月26日(月)

今年の仕事納めは明日ですが、学校内の大掃除は1日早く済ませました。昨日は自分のうちの大掃除をしましたから、2日連続の大掃除となりました。でも、先週の土曜日に紙ごみの年内最終回収があり、それに合わせて机やら棚やらひっかきまわしましたから、じわじわと大掃除をしていたと言えないこともありません。

大掃除では、私はいつも給湯室担当です。給湯室と言えば、まず、シンクの排水口の掃除ですが、こちらは、先月、ゴミ受けにゴミがたまりすぎで水が流れにくくなってしまいましたから、掃除しているのです。そのため、ゴミ受けを塩素消毒する程度で済みました。次は、湯沸かしポットの湯あか取りが控えています。ポットにクエン酸を入れてお湯を沸かしてそのお湯を捨てると、ほのかにクエン酸のさわやかな香りがしました。そのお湯を捨てたシンクには、クエン酸の結晶が析出していました。粉っぽいクエン酸を加えたのに、シンクに現れたのは針状結晶と言ってもいいものでした。もちろん、冷蔵庫や食器棚の汚れも落としました。

それから、職員室内のこまごまとした文房具類の整理をしました。さび付いていて絶対に切れそうもないかったナイフの刃を交換したり、引き出し中に散らばっていた輪ゴムをひとまとめにしたり、使いっぱなしになっていた二穴パンチのごみを捨てたりしました。1年間誰も何もしなかったとは思いませんが、年に一度くらいはこういうことをしないと、引き出しの中がとんでもないことになってしまうでしょう。

今しがた、湯沸かしポットのお湯が沸きました。お毒見をしました。クエン酸の味はしませんでした。

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学期休み中の学生

12月23日(金)

朝、学校のパソコンのメールを見ると、Yさんからのメールが届いていました。大学出願に必要なKCPの書類を申し込むのを忘れてしまったとのことでしたから、午前中に学校へ来いと返信しました。Yさんは11時ごろ来ました。出願締め切りは1月7日だそうですから、十分に間に合います。今すぐほしいなんて言ったら殴り倒してやろうかと思っていましたが、暴力教師にならずに済みました。

書類を見直して自分で気づくあたり、さすが上級と言ってやりたいところです。でも、募集要項をもらったら、まず、KCPの書類が必要かどうか確かめろとも指導していますから、やっぱり減点かな。うかうかして年末年始休みに突入していたら、出願をあきらめなければならなかったかもしれません。

Yさんが書類の申し込みをしているころ、期末テストの追試を行っていました。TさんとSさんは受験のため、一昨日は期末テストを受けられませんでした。Tさんは前もって受験票を見せてくれましたが、Sさんは断りもなしに受験に行っていました。期末の前日も前々日も欠席でしたから電話を掛けたところ、受験行脚の最中だということがわかりました。追試の時に受験票を持って来いと言っておいたのに、追試の後に職員室に寄った時、Sさんは受験票など、受験したことを証明する書類は持って来ていませんでした。

うちへ帰ったら受験票の写真を送れと伝えましたが、まだ何も届いていません。受験の事実が確認できたら欠席した日も出席扱いにできますが、このままでは欠席のままです。出席率がよくないSさんにとって、期末直前の一連の欠席は大きな意味を持ちます。そういうことも説明したのに、何の反応もありません。下手をすると、大学に受かってもビザが出ないかも…。

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3人そろって

12月8日(木)

授業後、Xさん、Yさん、Zさんの3人を残しました。みんな、出席状況に問題があります。Xさんはアルバイトのしすぎです。もちろん、留学生に認められたアルバイトの上限時間・28時間は守っていますが、疲労が回復せずに遅刻欠席が増えています。Yさんは夏ごろ大騒ぎしてビザ更新したのに、その後の出席率が思わしくありません。昨日も休みました。Zさんは“大学院の出願準備”という理由での欠席が増えています。やはり、昨日も休んでいます。

各人それなりに理由があります。受験期が迫り、精神的に不安定になりよく眠れないという要素も加わって、生活のリズムが乱れてしっています。私たちKCPの教職員はすぐそばで見ていますから、同情もすれば、全面的ではないにせよ、理解もできます。しかし、ビザがかかわってくると、同情や理解は全く得られません。出席率という数字がすべてと言ってよいでしょう。3人は、その辺を甘く見ているような気がしてなりません。

また、Yさんは「病気」と言えば大目に見てもらえると思っているようですが、これも違います。学校を休まなければならないほどの病気なら、国へ帰って治せと言われてしまうでしょう。日本での留学に耐えられるだけの体力をつけてから戻ってこいという発想です。

そういった話を15分くらいしました。YさんとZさんには月曜日にも話していますが、効き目が薄いようなので、再度ということになりました。最後に、「私から皆さんに注意を与えるのは、これが最後です。次に私が皆さんを呼ぶのは、退学届を書いてもらう時です」と、脅し30%、現実70%ぐらいの言葉で締めくくりました。大遅刻で10:45からの後半の授業しか出ていないUさんも捕まえておけばよかったかな。

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やめた?

11月24日(木)

Gさんは、先学期、生物を勉強したいと言って、A大学の指定校推薦に申し込みました。しかし、大学側が出している推薦基準は満たしているものの、EJUの成績が最低点ギリギリでした。ですから、これから一生懸命勉強して11月のEJUで6月よりも点を伸ばし、その成績が使えるA大学の指定校推薦2期にしようということになりました。そう決めてからは、勉強に励んでいるように見えました。

ところが、突然、B大学の国際文化学部の指定校推薦を受けたいと言い出しました。いろいろ考えてみたら、生物を勉強したいというのは単なるあこがれに過ぎず、自分の将来を考えたら国際文化について学んだほうがいいと思うようになったとのことです。

生物と国際文化では、方向性がかなり違います。受験期が迫ったこの期に及んで、ずいぶんと思い切った方向転換をしようとするものです。Gさん自身は言っていませんが、EJUで理科系の科目に手ごたえがなかったのではないかと思います。11月の成績でも“最低点ぎりぎり”は変わらず、いや、下手をすると割り込んでしまうと思い、先手を打ったのかもしれません。B大学の推薦基準はEJUの日本語だけですから、Gさんの成績は使えるのです。いや、Gさんの実力なら、基準を軽くクリアできます。

指定校推薦は、基準さえ満たせばだれでも推薦していいというものではありません。その大学で4年間勉強する意志があるかが最大のチェック項目です。Gさんに「B大学で4年間勉強を続けられますか」と聞いたら、「はい」という答えが返ってくるに決まっています。指定校推薦は、「この学生は成績優秀で、御校で勉強しようという固い意志を持っていますから、ぜひ勉強させてやってください」という学校間の約束です。2か月かそこらで、EJUの手ごたえだけで進路を大幅に変えてしまう学生をどこまで信じたらいいでしょう。

毎年のことではありますが、難しい問題を抱えてしまいました。

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Cさんの欠席

11月11日(金)

朝、教室に入ると、いつもの席にCさんの姿がありません。クラスの学生全員の名前を呼んで出席を取り終わっても、まだ入ってきません。電車が遅れているのかもしれないと思いながら、予定されていた漢字テストを始めました。その漢字テストが終わっても、Cさんは来ませんでした。

Cさんは、去年、初めてのワクチン接種の後にひどい副反応で体調を崩して以来、時々休むようになりました。日本語力的に決して余裕のある学生ではありませんからあまり休んでほしくはありません。しかし、立ち上がれないほど体がしんどいこともあるそうですから、そんな日はしかたがありません。休む時はたいてい学校に連絡をよこすのですが、授業前には私にも担任のT先生にも、メールも電話もありませんでした。メールすら送れないほどひどい状況なのだろうかと、悪い想像もしたくなります。

前半の授業が終わって職員室に戻ってきても、やっぱり音信不通のままです。そのまま後半の授業に向かいました。授業後、火曜日の文法テストを受けていない学生に追試を受けさせ、出席不良の学生に指導・注意・説教を行い、1時近くになってようやく職員室に戻りました。すると、待ち構えていたかのごとくT先生が私を呼び止めました。「Cさん、D専門学校に出願書類をもらいに行ってたんだって」と聞かされ、こけそうになってしまいました。

書類をもらいに行くのは、午後でもできます。授業を休んだら出席率が下がります。ワクチン接種後のCさんは出席率も危険水域です。自分自身でも痛いほどわかっていたはずです。学生が集まったのでもうすぐ募集終了とかといううわさを聞き付けたのかもしれません。目の前のことしか見えなくなっちゃってるんですね。

体調と出席率と日本語力と進学とアルバイトと、Cさんが各方面からのプレッシャーにさらされていることは想像に難くありません。物事の優先順位もつけられないほど追い込まれているのでしょうか。頭の痛い問題が、発生してしまいました。

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遅刻の理由

11月9日(水)

朝9時、出席を取り始めたとき、教室にはクラスの半分ほどの学生しかいませんでした。学生の名前を呼んでいる最中に数名が駆け込んできました。自分の名前が呼ばれたときに教室にいなくても、名簿の最後の学生の名前が呼ばれるまでに教室に入ればセーフということになっています。この数名と、名前を呼び終わると同時ぐらいに息を切らしながら入室したLさんが、この恩恵にあずかりました。

連絡事項を伝え、宿題、テストなどの返却物を配っている間にKさんが教室着。もはや出席とすることはできませんが、私の腕時計を見ると9:04ですから、遅刻扱いです。その約10分後に、あまり申し訳なさそうでもない顔で教室に入ってきたMさんは、1コマ欠席扱いとなります。また出席率が落ちてしまいました。

大遅刻のMさんをいじりながら授業を進め、前半が終わりました。職員室に下りて、クラス担任のT先生に、2名遅刻でUさんが欠席だと報告しました。UさんはMさん以上に困った出席率の持ち主です。昨日、T先生にたっぷり説教されたはずなのですが、効き目がありません。

ところが、教室に戻ると、教卓の真ん前の机にUさんが鎮座しているではありませんか。すぐにチャイムが鳴って授業が始まってしまいましたから、遅刻の理由は後回しにして、文法やら読解やらを進めました。Uさん、授業にはまじめに参加し、時々すばらしい答えも出してくれました。

寒くて起きられませんでした――これが、授業後に聞きだしたUさんの遅刻理由です。こんなの、理由とか言い訳とか以前の問題です。すばらしい答えも帳消しです。「昨日、T先生に何と言われたんですか」と追及しても、うつむくばかりでした。

今年も1人、自分の手で自分の未来にふたをしようとしている学生が、誕生しようとしています。

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右の耳から入って・・・

11月2日(水)

KCPでは、前の月の出席率が80%未満の学生には、欠席理由書を書かせます。これは内々の資料ではなく、入管への提出資料として使うことだってあります。公的書類の側面もあるのです。

Cさんは、残念ながら、欠席理由書を書かなければならない学生の1人です。私の授業の日にも姿を見せなかったこともあるし、遅刻も少なくないです。授業後に教室に残して欠席理由書の用紙を渡すと、Cさんはまず欠席日の欄に目をやりました。「先生、私、20日は入試でした。入試の日も欠席ですか」と、少し不満げな口調でクレームを付けました。

入試日は出席扱いにします。しかし、それには条件があります。事前に担任に欠席届を出す必要があります。急いで探してみましたが、Cさんの欠席届はありませんでした。

「Cさん、欠席届を出しましたか、これくらいの小さい紙の」「M先生にもらった紙ですか。それならうちにあります」「Cさんのうちに置いといても意味がないでしょう。どうして出さなかったの。欠席届がなかったら入試の日でも欠席です」「え、そんなこと知りませんでした。いつ言いましたか」「今学期の最初の日のオリエンテーションで言ったはずです」

学生は人の話を聞いていないんですね。うなずいていたからって安心してはいけません。Cさんの場合、先月11日の始業日の時点で、入試まで9日でした。入試まで90日だったら欠席届は他人事でもしかたありませんが、直前と言ってもいいタイミングだったのに、なんで自分事として聞かなかったのかなあ。また、M先生から用紙をもらったのなら、その時点で確認することだってできましたよ。

休み明けの金曜日もこのクラスですから、もう一度注意を促しましょう。ちなみに、Cさんは20日が出席になっても10月の出席率は80%に届きません。そちらも大問題です。

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青空に恵まれて

10月29日(土)

“天気よければすべてよし”で、昨日の川越小旅行は、最後の集合場所に戻ってきた学生たちの笑顔笑顔笑顔で無事終わりました。Cさんはミッフィーのノートを買い込み、すでに合格の決まったY大学に進学したら使うと言っていました。キツネのお面をかぶった学生もいれば、1日中買い食いをし続けもうお腹いっぱいという学生もいました。美術館に立ち寄った学生も、意外と多かったようです。

朝、本川越の駅前に集まったときは、こりゃ川越の街じゅうKCPの学生だらけになっちゃうなと思いました。しかし、街の中心部を実際に歩いてみると、学生たちはそんなに目立ちませんでした。平日の日中なのに、川越の街は観光客でにぎわっていました。全国旅行支援のおかげなのでしょうか。時の鐘付近の食べ物屋さんは、どこも長蛇の行列。学生たちはそれにもめげずにお目当てのスイーツなどをゲットしたのでしょう。

お昼過ぎに、中間の出席チェックがありました。私は中級から上級にかけてのクラスを担当しました。学生の集団が来るたびに「はい、クラスと名前」と、各学生に名乗らせます。以前教えた学生の名前を聞くと、「あ、Sさん、お久しぶり」なんて、声を掛けました。欠席がちの学生に「お久しぶり。この頃、あんまり会わないねえ。ちゃんと学校来てんの?」とかって言ってやると、少し慌てた様子で「いいえ、来てますよ」と否定したり、「本当に久しぶりですか。昨日、先生見ました」と存在を主張したりしていました。いなかったことを証明するのはアリバイですが、いたことを認めてもらうのは何というのでしょう。

帰宅後、スマホに搭載されている歩数計を見ると、3万歩余り。普段の5~6倍ほど歩きました。

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新しいマウス

10月15日(土)

今週、学校で使っているパソコンのモニター以外が入れ替わりました。前のは5年以上使っていましたから、交換どきでした。マウスは、この夏ぐらいからほとんど言うことを聞かなくなっていましたから、キーボードはまだ使えたものの、一緒に取り換えることにしました。マウスが復活すると、改めてその便利さに感心させられます。コピペをはじめ、多くの操作が片手でできますからね。

そのマウスの操作、私は左手でします。コンピューターにマウスがついたのは30年ぐらい前でしょうか、その時からずっと左手です。初めてマウスに触った時から左手だったというか、右手で触るという発想は全くありませんでした。私の中では、機械類の操作は、ボタンを押すのもつまみを回すのもタップやスワイプも、左手の仕事です。右手の役割は、箸とペンを持つのが中心です。

だから(という接続詞が妥当かどうかわかりませんが)、他人が何かをするときにどちらの手を使うかということに、私は普通の人より敏感だと思います。電車の中で周りの人が左手でスマホをいじっていると、“あ、ご同業”と思ったり、NHKの桑子アナウンサーがブラタモリで左手でお箸を持っているのを見て親しみを感じたりしています。初めてのクラスでも、左手をよく使う学生から顔と名前を覚えていく傾向があります。

横書きの書類をホチキス止めするときは、左手のほうがやりやすいと思います。いちいち上下を逆さまにしながらパチンとやっている先生を見ていると、ご苦労なことだと思います。まあ、自動改札を左手でタッチしようとする私は、右利きの人たちから変な奴だと思われているんでしょうけどね。あ、そもそも、そんなことは誰も気にしていないのかな。

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