Category Archives: 試験

痛い目に遭わないと

2月17日(月)

先週の土曜日は、RさんのI大学受験日でした。お昼過ぎに、そろそろ面接の頃だろうかと思いましたが、その後は仕事に取り紛れてすっかり忘れていました。

昨日、仕事用の受信トレイを開いてみると、土曜日の夜にRさんからのメールが来ていました。本人の反省の弁が縷々書かれていました。今までに何回も面接練習をし、そのたびにあれこれ注意してきたのに、その注意が身に染みていなかったんですね。痛い目に遭って初めてそういうものなのかと理解できたのでしょう。

話すスピードが速すぎると言い続けてきたのですが、土曜日も全速力でしゃべってしまったようです。面接官が非常にゆっくり問いかけてきたのが、実は自分への注意だったのかもしれないという気付きがあった点は、進歩があったと認めてあげてもいいでしょう。

ぞんざいな言葉を使いがちな口癖も、たっぷり出てしまったようです。これも、それに気づいた点は偉いですが、抑えることができなかったのですから、面接官の印象は芳しくなかったでしょうね。

Rさんは、速くしゃべることが日本語の上手さを表すと信じていた節がありました。そうじゃないんだ、相手に伝わる話し方をすることがコミュニケーションの要だ、そして、面接はコミュニケーション力のテストでもあると、Rさんの耳はタコだらけになっているはずなのですが、まだ足りなかったようです。

結局、私の言葉もRさんに響いていなかったということは、私のコミュニケーション力も知れたものだったということです。幸いにもというか、Rさんはもう1校受験します。その面接では、Rさんの実力をいかんなく発揮させてあげたいものです。

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カワキ教授

2月10日(月)

「先生、私はこのカワキ教授の研究に興味があります」と言いながらYさんが見せてくれたB大学のページには、“乾教授”と出ていました。確かに、“カワキ教授”と読めないこともありません。でも、大学の面接試験で“カワキ教授”などと言ったら、一発アウトでしょうね。

日本人の名字は10万種類を超えるとも言われています。人口が10倍以上の中国の名字よりもはるかに数が多いのだそうです。ですから、常識では読めない苗字が出てきたとしても不思議ではありません。というか、一筋縄では読めない名字の子がクラスに1人や2人いて当たり前でした。

私も、90%以上の確率で、初対面の人から“カネハラさん”と呼ばれます。“キンバラ”は重箱読みですから、訓読みの組み合わせの“カネハラ”と読みたくなるのもわかります。ですから、病院などでは2つの名前に聞き耳を立てていたものです。最近は個人情報保護からなのでしょうか、受付番号で呼ばれることが多いですから、そこまで気を張る必要もなくなりました。

それはともかく、たとえ読みにくい名字であっても、読み間違いはいけません。今シーズンも、“カワキ教授”以外にも何人かの先生の読み方を学生に注意してきました。でも、ちょっと注意して大学のページを見れば、先生の名前の読み方はどこかに書いてあるものです。研究論文一覧を見れば、“…Inui”などと著者名が書いてありますから。

さて、Yさんは12日がE大学の合格発表です。ここに受かっていれば、余裕を持ってB大学に臨めますが、果たしてどうでしょう。

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それぞれの結果

2月8日(土)

12月のJLPTのデータをまとめました。良い方にも悪い方にも、大きな番狂わせはありませんでした。授業中ほとんどしゃべらないAさんが意外と高い点数でN1に合格したことや、授業中の様子を見ている限りAさんよりずっとよくできそうな感じがするNさんが落ちたことぐらいでしょうか。12月の時点でレベル1だったTさんが、ぎりぎりではない点数でN2に受かったことは、レベルだけを見れば番狂わせに加えてもいいですが、毎日Tさんを見ていたクラスの先生はどうご覧になるのでしょうか。

番狂わせはなくても、毎回出てしまうのが、合計点では合格ですが、ある科目が合格基準点に達していないために不合格になってしまう例です。読解が60点満点で9点では、聴解が満点でもN2の実力があるとは言えないでしょう。基準点未満の科目があって落とされる学生は、ほぼ全員漢字がネックになっています。Gさんの先学期の面接記録を読むと、予復習は全然していないと書かれていました。また、中間テストに比べて期末テストは、成績がガタッと落ちていました。これからすると、むしろ、聴解でよく満点が取れましたねということになります。

就職が決まっているHさんはN1に合格しました。技術を見込まれて入社試験に通ったとはいえ、N1はあって困るものではありません。日本でずっと暮らしていくつもりなら、なおさらのことです。

ZさんがN1の、CさんがN2の、それぞれ校内最高点というのも妥当なところでしょう。CさんはN1を受けても受かったかもしれません。

一番困るのは、出願したのに受験しなかった学生たちです。試験日に体調不良だったのかもしれませんが、試験日に体調を最高のコンディションに持って行くのも、試験の1科目です。

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夢を抱いて

1月22日(水)

Sさんは理科系の進学を考えている学生で、午後、進路相談に来ました。高度なVRを作りたいという希望を持っています。現時点での志望校を聞くと、まっさきにW大学の名前を挙げました。でも、本当は国立大学に行きたいそうです。

大学を卒業したら、大学院はアメリカで進学したいと思っています。そして、将来はVRの制作会社を立ち上げたいと言います。だったら、アメリカの大学院で経営学を専攻したらどうかとけしかけたら、そういう考え方もあるのかという顔をしていました。

SさんのVRのアイデアと技量がどれほどのものなのか私には見当もつきませんが、MBAでも取れば世界進出も夢ではありません。もちろん、そう簡単な道ではありませんが。でも、その険しい道をあえて進もう、難関に挑もうとする意気込みが、Sさんの顔からあふれていました。

しかし、そもそものところに難題が立ちはだかっています。国の言葉で書かれた物理や化学の問題なら解けるのですが、日本語だと問題文の意味が理解できないのだそうです。これではいい点の取りようがありません。KCPでの読解の成績はいいんですがねえ…。

というような相談をしていたころ、先週から今週にかけて何回も面接練習をしたAさんは、E大学の面接試験に臨んでいました。つい先ほど、そのAさんが受験の報告に来てくれました。他の受験生よりも日本語が上手だったと、自信満々の様子でした。口頭試問も、うまく答えられたそうです。発表は来月半ばです。果報は寝て待てといきますでしょうか。

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話すのは苦手

1月16日(木)

AさんはG大学に落ちてしまいました。6月のEJUでいい点が取れたので、面接なしの書類選考だけで合否が決まるG大学に出願しました。しかし、倍率が5倍ほどとAさんの予想をはるかに上回り、合格証を手にすることができませんでした。話すのに自信がなかったので面接なしのG大学なら受かるかと思ったのでしょうが、Aさんと同じ発想をした受験生が多かったようです。

G大学は滑り止めのつもりでしたが、それに落ちてしまったので、背水の陣で来週のE大学の入試に臨まなければならなくなりました。G大学に受かったら気楽にのびのびとE大学が受けられるはずでしたが、その構想が崩れ去ってしまいました。落ちてもいいぐらいの気持ちでしたから、自信のない面接もあまり練習していませんでした。しかし、どうでもこうでもE大学に引っかからねばならなくなりました。

午後、そんなAさんの面接練習をしました。わざわざE大学に提出した志望理由書まで持って来てくれたのですが、いやあ、ひどかったですね。志望理由書に書いてある内容について質問したのに志望理由書とは違う答えが返ってきたり、あまりに早口で聞き取れなかったり、口頭試問に至ってはどうでもいいことを延々と話す始末でした。そういうダメな点を指摘するのに小一時間かかったほどでした。

すでに進学先が決まっているSさんも一緒に聞いていましたが、Sさんからも厳しい指摘を受けていました。あと1週間足らずでどうにか仕上げなければなりません。今まで授業でも話す練習をおろそかにしてきたつけが、こういう形で回ってきました。私ももちろん全面協力をしますが、前途多難です。後輩を戒めるのには好適な実例にはなりますが…。

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再挑戦

1月8日(水)

あさってから新学期ですが、学生たちはぎりぎりの攻防を続けています。先学期の成績が振るわなかった学生に「もう一度同じレベル」という連絡をしたところ、どうしても進級したいという学生が何名か現れました。毎学期のことですが、今学期はお正月休みが長かったため、始業日の直前までごたごたが続いています。

Bさんは“もう一度”の連絡を受けた1人です。進級したいと訴えてきたため、一番点数の悪かったテストを受け直してもらうことにしました。もちろん、誰にでもこういうチャンスを与えるわけではありません。Bさんは意見を積極的に発表するなど、授業への貢献が大でしたし、授業中の活動を見る限り進級する学生に劣るとは思えませんでしたから、チャレンジさせようと思いました。結果は、こちらの期待に応えてくれました。

Cさんも同様に訴えてきました。授業中の発言などからは進歩が感じられました。しかし、Bさんに比べてどのテストも成績が劣り、特に文章力のなさが目立ちました。再チャレンジも意味不明の文が多く、あえなく失敗となりました。今学期は卒業の学期ですから、卒業証書が手にできるように努力してもらいたいものです。

Dさんも力及ばずでした。Dさんはすでに進学先が決まっていますから、無理して難しいことを勉強してわからないことを増やすより、先学期よくわからなかったことを確実に身に付けて卒業したほうが、進学してからのためになります。

まるっきり問題外のEさんからは、何の反応もありませんでした。本人も納得しているのでしょう。Eさんはこれから受験の本番ですから、それどころではないのかもしれません。

職員室には、新学期の教科書や教材が積み上げられて、学生たちを待ち構えています。

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大躍進

12月20日(金)

昨日の期末テストの採点をしました。まず、聴解。Nさんの解答用紙には、最初の2問しか答えがありませんでした。その2問は正解だったのですが、あとが白紙では点数をあげようにもあげられず、あっさり不合格。日頃のNさんの様子を見る限り、2問しかできないなどということは絶対にありませんから、テスト中に寝込んでしまったのに違いありません。ほかは、よくできる学生が満点近くを取り、怪しい学生は合格点に届かず…という感じで、大きな番狂わせはありませんでした。

次は作文。Nさんの作文は2行で終わっていました。ここでも寝たのでしょうか。こんなに寝てばかりだとすると、どこか具合が悪かったのでしょうか。それとも、進級をあきらめたのでしょうか。受験で頭がいっぱいで、期末テストになんか、構っていられなかったのかもしれません。そうだとしたら、年明け早々の入試にぜひとも合格してもらいたいものです。

作文で驚かされたのは、Kさんです。今学期勉強した論理構成に則って、持論を堂々と展開していました。クラスの学生にこういう作文を書いてほしかったのですが、なかなか書いてくれませんでした。Kさんも書いてくれない1人でしたが、最後に立派な文章を書いてくれました。どんな授業も真剣に聞いているKさん、ついに華が開いたと言ったところでしょうか。

そのKさん、EJUでもやってくれました。今朝ほど公表された11月のEJUの結果によると、Kさんは6月のEJUに比べて、日本語の成績を60点以上も伸ばしました。地道に努力を続けてきたKさんの面目躍如です。そして、この時の記述の成績が40点。でも、昨日の期末の作文なら、50点取ってもおかしくないです。1か月前のEJUではできなかったことが、昨日はできたのです。大躍進じゃありませんか。

惜しむらくは、Kさんはすでに指定校推薦で進学先が決まっていますから、このEJUの好成績を活用する場がありません。でも、自信だけは持ってもらいたいですね。

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納税期

12月17日(火)

期末テストが近づくと、年貢の納め時の学生があちこちに現れます。中間テストの時は、まだ学期が半分残っている、期末テストで逆転して見せると、多少の余裕も見られます。追試再試の先送りもよくある話です。しかし、期末テストとなると、そんな余裕もなくなり、受けるべきテストの先送りも許されなくなります。未受験のテストは0点だったものとみなして平均点を算出しますから、そのせいでその科目が不合格になることだって十分あり得ます。

Gさんはその年貢を一生懸命納めようとしています。不合格だったテストを次々と受け、なんとか合格点にまでこぎつけようとしています。直前まで2階のラウンジで勉強し、1階に下りて来てテストを受けるという繰り返しです。覚え込んだことを忘れないうちにテスト用紙に書き込もうという魂胆です。瞬間最大風速みたいな点数を出して、ぎりぎりでも合格しようというつもりです。

その作戦が功を奏してか、このところ受けた漢字や表現のテストは、どれも合格点を取っています。平均点も合格点を確保しました。あさってが期末テストですから、そうやって無理やりにでも詰め込んだものが、多少は残ってることでしょう。図らずも期末テストの勉強にもなっているのです。

Gさんはそうやってどうにか年貢を納め切って、期末テストでひどいことにならなければ進級できそうです。その一方で、LさんやZさんは置かれた状況はGさん以上に厳しいものがあるのですが、動いてもいませんし、動く気配すら見せていません。進級をあきらめてしまったのでしょうか。Kさんも当落線上にいるはずなのですが、自覚が感じられません。私が買い物に出た時、恋人と腕を組んで歩いていました。

ここに登場したみなさん、果たしてメリークリスマスになるのでしょうか。よい新年を迎えられるのでしょうか。

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息つく間もなく

12月16日(月)

午前の授業の後は、まず、アメリカの大学プログラムの学生Mさんのオーラルテストをしました。先週金曜の日本の高校訪問がとてもよかったと言っていました。そこでは自分の地元の紹介など、大活躍をしたようです。来年、JETプログラムを利用して、東北地方の学校で働いてみたいと夢を語ってくれました。

その次は日本語プラス生物の授業をしました。今学期最終回は、ホルモンと神経の話です。バソプレシンとか糖質コルチコイドとかランビエ絞輪とか、学生たちが大嫌いなカタカナ専門用語がたくさん出てきました。しかし、確認テストはよくできていましたから、必要最低限の概念は学生たちに届いたというところでしょうか。

それが終わったら、Rさんの面接練習でした。Rさんは私のクラスの学生ではありませんが、いろいろな成り行きで面接練習を引き受けました。T大学の面接試験が今週金曜日に迫っています。

T大学に入りたいという気持ちが強すぎるのか、前のめりの姿勢で受け答えをしていました。今まで、自信なさげに前かがみで面接練習に臨む学生は大勢いましたが、Rさんのように、見ようによっては今にも飛びかからんばかりに受け答えをする学生は初めてでした。気持ちはよくわかりますが、ちょっと表に出し過ぎかな。でも、答えの内容は素晴らしく、どれ一つ取っても他の受験生の口からは出てきそうもない、オリジナリティーあふれる言葉の連続でした。本番もこの勢いなら、合格の可能性は十分にあります。

面接練習が終わって1階に戻ってくると、Gさんが待っていました。漢字テストの再試です。Gさんはどうしても進級したいと思っていますが、不合格の漢字テストがあります。それを受けておかないと、漢字が不合格で進級できないということもあり得ます。それでは困ると、受けに来たという次第です。再試ではどうにか合格点が取れましたが、これは期末テストの範囲でもあります。不安が全面解消したわけではありません。

諸々が終わったら、外は真っ暗。明日も同じような1日になりそうです。年末、最後の力を振り絞って、仕事をどんどん片付けていきます。

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望みはある?

12月9日(月)

Aさんは大学入試の面接が迫っています。EJUの日本語の点数はまあまあ以上ですが、話すのがよくありません。話せないわけではありません。早口なのと口をあまり開けずに話すのとが相まって、非常に聞き取りにくいのです。私は半年以上もAさんと付き合っていますから、Aさんの話し方に慣れています。そのため、Aさんの言わんとしていることがわかってしまうのです。しかし、大学入試の面接官は違います。Aさんの話し方では、10%も理解してくれないでしょう。そういうことを、夏の暑いころからAさんに伝えてきました。しかし、Aさんはどこ吹く風といった感じで、話し方を変えようとはしませんでした。

先週、面接練習をしました。その時、Aさんはその様子をスマホで録画・録音しました。そして、おそらく、自分で撮ったビデオを見たのでしょう。また、面接練習後のフィードバックで、話し方を今までよりもずっと強く注意されもしました。そんなことがあったので、その翌日から、Aさんは授業の際に例文など教科書を読む時には自分を指名してくれと申し出ました。今学期はやる気のなさが目立ったAさんでしたが、実際に指名してみると、本気を出して読んでくれました。

少しでも話す力を付けようとしての申し出なのですか、手遅れ感があります。早口で口を開けずにという話し方で固まってしまって、なかなか聞き取りやすい読み方にはなりません。「え、わからない。もう一度」と何回言われたでしょう。面接に間に合わそうという根性は買いますが、見通しは決して明るくありません。

もっと早い時期から厳しくしつけておくべきだったという反省は残ります。でも、面接までに残された時間で精いっぱい引っ張り上げるつもりです。

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