Category Archives: 社会

大混雑

4月20日(月)

うちの前のショッピングモールには、ユニクロやABCマートやRight-onやドコモショップなどがありますが、みんな臨時休業しています。マッサージ屋さんもあったのですが、いつの間にか消えていました。やっているのは、キリン堂とスーパーマーケットとダイソーと食べ物屋さんとクリーニング屋さんです。

昨日、スーパーに買い物に行ったら、あまりの客の多さにびっくりして、入る気を失いました。確かに、駐車場は万社で、本来ならユニクロなどに分散していた客がスーパーに集中したとしたら、かなりの混雑になって当然です。緊急事態宣言から休業していた本屋さんが土曜日から再開し、そこも混んでいました。昨日は陽気がよかったせいもあると思いますが、宣言に罰則がないのをいいことに、油断が感じられました。

私は、緊急事態宣言以来、定期券の範囲外に出たのは、8日の健康診断だけです。今月は、このまま交通費ゼロの日が続くものと思われます。車も持っていませんから、何から何まで、すべて学校の近くかうちの近くで済ませています。先週末も出かける予定が入っていたのですが、この騒動で全面キャンセルになり、結局は仕事とうちの中の片づけをして過ごしました。

アルコールを含んだ除菌シートであちこち拭いていたら、除菌というよりも油汚れが取れてシートが真っ黒になりました。素手でよく触る取ってとかスイッチとかを除菌するつもりでしたが、去年の年末にサボった大掃除をしているような感じでした。それだけ汚いものを触り続けてきたのだと思うと、よく何でもなかったものだと妙に感心してしまいました。

明日、シャープ製のマスクがネットで売り出されるそうです。これを機に反転攻勢が始まるといいのですが…。

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4月16日(木)

茨城県のパチンコ屋がにぎわっているそうです。東京近郊のパチンコ屋が緊急事態宣言で軒並み休業しているため、茨城県まで遠征するのだそうです。茨城のパチンコ屋は駐車場完備ですから、車で乗り付けると言います。ギャンブラーの執念はすさまじいものです。

授業で、わがままという言葉から、自己中心的、利己的、自分勝手などという類義語が学生から挙がってきました。対義語は、まず、利他的を思い浮かべますが、「思いやりがある」とか「優しい」とか「協力的」となると、意味がぼやけてしまいます。それだけ、日本人にはわがままな人が多いのでしょう。

パチンコ屋を求めて茨城遠征をしている人々は、ジコチューそのものです。パチンコをしに行くなんて、不要不急の外出の最たるものではありませんか。車で往復100キロかそれ以上走るとなると、二酸化炭素もたっぷり排出します。そうまでしてパチンコ台にかじりつかないと、体が震えてでもくるのでしょうか。それはまさしく依存症であり、肺炎にならずとも、そちらの治療で入院するべきです。

でも、緊急事態宣言は近日中に全国に拡大されます。そうなったら、茨城県もどこも、パチンコ屋は休業するに違いありません。依存症のみなさんは、果たしてどうするのでしょう。たばこの値上げや喫煙所の廃止を機にタバコをやめた人は少なくありません。この臨時休業をきっかけとして、パチンコと縁を切るというのはいかがでしょう。長い目で見れば、どうせ負けるのですから。

でも、これは対岸の火事ではありません。自粛疲れから“自分1人ぐらい”というわがままが湧き上がり、無礼講状態になってしまったら、日本沈没です。出たがりません、ウイルスに勝つまでは…。

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雨の国

4月14日(火)

昨日、東京では132ミリの雨が降りました。4月の新記録に迫る雨量でした。この雨がすべての病原体を流し去ってくれないかなあと思いましたが、そんなわけにはいきません。確かに、空気中に浮いていたり路上に落ちていたりしたのは流されたかもしれませんが、人間の体内に存在しているものはそのままです。警戒を続けなければなりません。

三重県尾鷲市では、昨日1日で248.5ミリの雨が降りました。未明には1時間に100ミリ近い雨が降ったという記録が残っています。12日お昼ごろの降り始めからの雨量は300ミリを超え、警報も出されました。

尾鷲の人たちは避難したのだろうかとおもぃました。避難所は、少なくとも「密集」です。「密閉」を避けたいと思っても、大雨の最中に窓やドアを開けっ広げておくことはできないでしょう。災害の恐怖におびえながらお互いを励まし合おうとすると、「密接」にもなりかねません。

もちろん、これは尾鷲だけの話ではありません。梅雨時になったら、全国各地で起こりうることです。去年のように頻繁に広範囲に台風が襲来したら、首都圏や近畿圏のような人口過密地域では、3密避難所がそこかしこに生まれます。不幸にも被災してしまったら、必然的に避難所暮らしを余儀なくされます。

日本は雨がよく降る国です。それに伴う災害も頻発しています。今はまだ4月ですから、雨は1日で過ぎ去りました。しかし、雨の季節になったらそういうわけにはいきません。その時までに何としてもこの騒動を抑え込まねば、洪水に巻き込まれるか避難所のクラスターに巻き込まれるかの究極の選択を迫られるおそれすら考えられます。

安倍さん、犬とじゃれてる暇なんかありませんよ。

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命を守る行動

4月11日(土)

外出自粛を呼び掛けている小池さんや安倍さんには申し訳ないのですが、来週の授業の資料作りのために出勤しました。学校にある資料や学生の個人情報を扱うので、家ではできないのです。私のほかに学校へ来たのは、やはり週明けすぐの仕事がかかっているS先生だけでした。

2人とも黙々と机に向かうだけでしたから、話し声も聞こえず、別の用事を持ちかけられることもなく、かかってきた電話も2本だけで、仕事ははかどりました。そういう面ではストレスを感じませんでしたが、窓の外の雲一つない青空が目に入ると、どうして仕事なんだろうと思ってしまいます。でも、仕事に来なかったら、家の窓から空を眺めてどうしてどこへも行けないんだろうと思ったことでしょう。そっちの方が、ストレスを感じたかもしれません。

食事も学校の中で済ませてしまいましたから、自宅待機とあんまり変わりがないような気もします。ネットのニュースを見ると、新宿を始めどこもかしこも人通りはまばらだそうです。今までの土曜日なら、仕事帰りに紀伊国屋によって本を物色するところですが、その紀伊国屋は今週から土日がお休みですから、それすらできません。したがって、人のいない新宿を味わうことなく帰宅することになるでしょう。

去年、台風が襲ってきた際に、「命を守る行動を」とアナウンサーが何回も視聴者に呼びかけました。その時は、1日か2日、“命を守る行動”を取れば命の危機を脱することができました。でも、今年は、当分の間、四六時中“命を守る行動”を意識し続けなければなりません。明日になれば、明後日には必ず過ぎ去るものと、しばらく居座るものとの違いと言ってもいいです。

お天気は下り坂みたいですから、明日は巣篭りかな。

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レギュラーメンバー

4月10日(金)

緊急事態宣言以来、電車が空いたという話を聞きます。しかし、私が毎朝乗る1番電車はそんなに変わりません。もともとそんなに込んでいるわけではありませんが、立つ人がちらほらいるという状況は、先週も先月も去年も同じでした。朝早くから不要不急ではない用事を抱えている人々がこの電車に集うのです。

毎日、見慣れた顔ぶれが乗り合わせます。顔しか知らない人たちですが、みんな病魔に侵されてはいないようです。挨拶すら交わしたことがありませんが、何となく連帯感を抱き、いつもと同じポーズで居眠りしている姿などを見かけると、ホッとさせられます。

お昼によく行く店が、都からの要請に応じて、明日から当分の間、土日は休業するという告知を出していました。街を歩くときはマスクで隙なく防護していても、店内で食事するときはマスクを外さざるを得ずません。無防備な顔をさらして、口も鼻の穴も目一杯広げてお腹を満たすのです。一番危ない瞬間です。

力士に感染者が出たとのことです。きっと、食事の最中に拾ったんだろうなと思いました。力士は日々体を鍛えていますから、多少のことではびくともしないはずですが、食べ物と一緒に悪い物を吸い込んだら、取り込む量が量だけに、やられちゃったんでしょうね。

相撲は、5月場所を2週間延期して始めると言っていましたが、力士に感染者が出たことでどうなるでしょう。プロ野球もJリーグも見通しが立っていません。隅田川の花火大会も中止になりました。博多どんたく、青森ねぶたなど、有名なお祭りも中止が決定しています。でも、EJUは予定通り実施と強気を貫き通しています。果たしてどうなるでしょう。

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街の様子と学生の心配事

4月8日(水)

安倍さんと小池さんには申し訳なかったのですが、午前中は健康診断で病院へ行きました。以前から予約してあったので行ってきた次第です。せめてもの罪滅ぼしとして、電車には乗らず片道30分ほどかけて往復しました。人通りがあまり多くない道を選んだつもりですが、それでも人影が途絶えることはありませんでした。東京の街自体が3密ですから、いくらか自粛したところで人通りがなくなることなどないのでしょう。

安倍さんは人との接触を8割減らしたいと言っています。また、ある学者の説によると、東京は98%減らさないと感染者は増え続けるとのことです。しかし、私が見た街の様子は、確かに人通りは減ってはいますが、8割とか98%とかには程遠かったです。あごマスクで歩きたばこという、危機感のかけらも感じられないオヤジもいました。その一方で、5月6日まで臨時休業という店も結構見かけました。伊勢丹もそうだと言いますから、考えているところは考えているのでしょう。

午後は、受験講座をしました。2月末にオンライン授業に移ってからずっと休講状態でしたが、その補講という形で再開しました。学生たちの心配事は、EJUが予定通り実施されるかどうかで、早速質問されました。EJUのサイトには予定通り実施と書かれていますから、そう答えるほかありません。でも、本当に予定通りできるでしょうか。実施できないとなると、各大学の留学生入試に多大な影響が及びますから、万難を排して実施するつもりでしょう。そうは言っても、受験生間の距離を離すとか熱のある受験生は受けさせないとかという条件が加わると、去年までと同じように実施できるか疑問です。

頭痛の種はたくさんありますが、今できることを確実にやっていきましょう。

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新人

4月7日(火)

新しい事務職員が入りました。Kさんがほぼ付きっ切りで仕事を教えています。大学を卒業したばかりだそうですから、KCPの学生と年齢は変わりません。先週から始まった日本語教師養成講座の受講生の中にも同じ年頃の方がいます。私から見ると、子ども未満、孫以上の年齢です。

私が新入社員だったのは、今から35年前です。事務系、技術系の新入社員200名ほどが合宿形式で新入社員教育を受けました。周りのみんながライバルでしたが、同時にお互い支え合う仲間意識も芽生えていきました。背伸びしたり素直に尊敬したり、手を差し伸べたり背中を押してもらったり、こいつとは生涯付き合おうと思ったりこいつの顔はこの教育が終わったら二度と見たくないと思ったり、今思うと、それが切磋琢磨だったのでしょうか。

そういう観点からすると、1人だけというのは、気楽なのかな、心細いのかな。KCPのような小さな組織は、OJTにならざるをえず、新人でもどんどん仕事が回されてくることでしょう。泥臭い仕事ばかりで、夢と現実のギャップを感じることだってあるかもしれません。そんな時は、短期的な目でお先真っ暗だと思うのではなく、長期的なビジョンを頭に描いて自分なりに前進していってもらいたいです。自分のすぐそばには同期がいないかもしれませんが、今はSNSでも何でも、以前の友達とつながる手段はいくらでもあります。

さて、緊急事態宣言が出されました。諸外国ほどの強制力はないものの、指定された地域の住民に与える精神的プレッシャーはかなりのものでしょう。そんな日に社会人の第一歩を踏み出したということは、きっと一生忘れないでしょう。

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マスクさえしていれば?

4月2日(木)

安倍さんが1世帯当たり布マスクを2枚ずつ配るという政策を発表しましたが、どうも不評のようです。布マスクは目が粗いのでウィルスは通ってしまうとか、1世帯に2枚じゃ焼け石に水だとか、自粛のうっぷん晴らしもあるのかもしれませんが、各方面から攻撃されています。

不織布のマスクは、製造能力が増強されていますが、需要がそれをはるかに上回る勢いで増えているため、市場に出回ってくる見込みはないようです。ただ、マスクをしている人の様子を見ると、さすがに鼻出しマスクはめっきり減りましたが、すきまだらけの付け方をしている人が、少なく見積もっても過半数でしょうね。工場に勤めていた頃、外気を完全にシャットアウトするマスクをつけたことがありますが、息苦しくてたまりませんでした。マスクをしても普通に呼吸ができるということは、いくらでも外気を吸い込んでいるということなのでしょう。

むしろ、マスクをしているという妙な安心感から手洗いがおろそかになる方が怖いです。思うに、多くの人がこの安心感を得たいがためにマスクをしているのではないでしょうか。マスクさえしていればどこへ行っても心配ないとかという発想だったら、本末転倒です。そのマスクを、本当に必要としている人々に譲るべきです。

たとえ流水だけでも、手をよく洗い、ウィルスを身近に置かないことが、予防に関してはマスクよりも効果があります。また、栄養状態をよくすること、睡眠を十分に取り、疲れをため込まず、ウィルスを跳ね返すだけの体力を維持することこそが本筋です。君子危うきに近寄らずで、3密空間をさすらうようなことをしてはいけません。

都内の新規感染者数は97名だそうです。戦いは当分終わりそうもありません。

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要急な仕事

4月1日(水)

「不要不急の外出は自粛すること」となって以来、繁華街は人通りがめっきり少なくなり、観光地はどこもかしこもがらがらで、新幹線や飛行機は減便が相次いでいます。テレワークがにわかに広がりだし、また、学校が休みになり、朝夕のラッシュが緩和されました。もっとも、私は朝に関しては超時差通勤をしてきましたから、もともとさほどの混雑を感じていませんでした。ただ、退勤時は人が少ないなあと感じることが多くなりました。

こうしてみると、私たちの生活は“不要不急”で成り立っていたことがよくわかります。不要不急が消えたら、とたんに景気が悪くなり、経営が行き詰まったお店や会社がたくさん出てきました。雇止めや内定取り消しとなった方も多数に上っています。昔は「一時帰休」という言葉をよく耳にしましたが、今はそんな段階はすっ飛ばして、すぐ解雇なのでしょうか。

日本に限らず、世界中が、要であり急な事柄だけでは成り立たなくなっており、不要不急があって初めて77億人とかという世界人口が賄われていたのです。精神的な充足感とか、宗教心とか、人間がよりよく生存するための部分が今回の騒動で侵されているのです。芸術や文化など、生物学的個体としてのヒトには必要不可欠とは言えない部分を削らざるを得ない状況に、我々人類は置かれています。

日本語学校もその1つでしょう。不安を感じつつ無理して日本留学するくらいなら、第一志望とは多少違っても、母国で進学した方が落ち着いて勉強できると考える人が増えても不思議ありません。世界各国が半鎖国状態に陥ってしまった今、新しい学生は入って来られません。それゆえ、在校生をいかに大切に育てていくか、これが私たちに課せられた使命です。

昨日心配した鹿児島の桜ですが、4月に入ってやっと咲きました。

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コロナよりも恐ろしい現実

3月31日(火)

世界中がコロナで大騒ぎしていますが、実は日本でとんでもないことが起こっているのです。

今年の東京の桜は、3月14日に日本でいちばん早く開花しました。満開も3月22日と、やはり日本でいちばん早かったです。桜前線は北上を続け、現在、仙台まで開花が確認されています。ところが、南国九州鹿児島では、まだ桜が咲いていないのです。鹿児島県内に咲いている桜が1本もないとまでは言いませんが、鹿児島市内のソメイヨシノの標準木は、いまだつぼみのままです。とうとう3月中に桜は咲きませんでした。いまだに咲いていないのは、北海道と、仙台・福島を除いた東北、それに長野・新潟です。いずれも北国・雪国です。

鹿児島がそんな地方と同じくらい寒かったのかというと、もちろん違います。むしろ、冬が暖かすぎたからなのです。桜の花が咲くには、暖かくなる前に、ある程度の寒さが必要です。低温の期間がないと、花の芽が形成されず、したがって花も咲きません。今年は全国的に暖冬でしたが、鹿児島では暖冬過ぎて花芽が形成されるだけの寒さに達せず、桜が咲かなくなってしまったのです。

鹿児島から約370km南にある奄美大島の名瀬では、桜の標準木がソメイヨシノではありません。ヒカンザクラです。名瀬以南はもともと暖かいですから、ソメイヨシノは咲かないため、ヒカンザクラを桜の標準木としています。鹿児島も、沖縄や奄美大島と同じように、ソメイヨシノが咲かない(咲けない)地域になってしまったのかもしれません。

コロナは、いずれ近い将来、ワクチンが開発されるでしょう。そうなれば、今のインフルエンザと同じように、ときどき大きな流行はあるものの、今年のように世界中の人々を恐怖のどん底に陥れるようなことはなくなると考えられます。しかし、地球温暖化にはワクチンはありません。そう遠くない将来、東京が今年の鹿児島のようにならない保証はどこにもありません。

コロナという目の前の災厄に対峙することも大切ですが、鹿児島の桜が仙台よりも遅くなったという現実も絶対に忘れてはいけません。

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