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強行出席

1月30日(火)

先週インフルエンザにかかって昨日まで休んでいたLさんが、朝7時半頃学校へ来ました。医者に5日間休めと言われ、もう5日休んだから出てきたと言います。職員室で休んでいた間のテストを受けましたが、明らかに調子が悪そうな顔つきであり、全身から病気のオーラが出ていました。このまま無理して学校にいたら病気がぶり返さないとも限りませんから、N先生、H先生たちと一緒にもう1日休むことを勧めました。しかし、どうしても帰ろうとしないので、最後はみんな命令口調でLさんを諭しました。Lさんのクラスを担当したN先生によると、授業中にもまた姿を現したので、クラスメートに移るからと追い返したそうです。

すきあらば学校を休もうとする学生が多い中、Lさんは休んだことがないため、先週末から家にいても不安でならなかったのでしょう。学校を生活の中心に置いていることは、さすが奨学金受給生と言うべきです。しかし、病気をこじらせてしまっては、元も子もありません。休むべきときには徹底的に休むという姿勢もほしいものです。

Lさんを見ていたら、稀勢の里を思い出しました。稀勢の里も、けがを徹底的に治さず、本場所に出ては負けて休場を繰り返しています。責任感が強いことはわかりますが、現状では横綱としての責務を果たしているとは到底言えません。もっと大所高所に立つべきなのです。自分を俯瞰する位置に視点を置き、全体の中の自分をきっちり把握し、その上で何をなすべきか考えてほしいです。

Lさんは、未練たらたらながらも、最終的には帰りました。元気を取り戻すまでゆっくり寝て、この際ですから休み方も覚えましょうね。

ヒアリが攻めて来た

7月6日(木)

強い毒を持つヒアリが国内で初めて見つかったのは、先月の半ばのことでした。それから1か月もたたないうちに、神戸、岡山、大阪、名古屋と続々発見され、ついに東京でも発見されました。関東以西の太平洋・瀬戸内海沿岸は気温が劇的に違うわけではありませんから、その地域はどこにでもいると思っていたほうがよさそうです。

でも、日本海沿岸は冬の雪のおかげでだいぶ違うんじゃないかと思います。南米原産で、マレーシアや中国の広州あたりに住みついていたとのことですから、寒さには弱そうな気がします。となると、鳥取なんかは緯度的には南のほうかもしれませんが、今年の1月から2月にかけてのような1メートル近い大雪も降ることがありますから、ヒアリにとっては厳しすぎる気象条件だと思います。

こう考えると、雪はその白さで穢れを覆い尽くすという視覚的精神的効果だけでなく、生物学的にも日本人を南方の生命力のありすぎる猛毒生物から守ってきたと言えます。日本人は雪と戦ってきたことも確かですが、雪は人に牙をむくばかりではありません。日本人を優しく包んでいてもくれたのです。

ヒアリはどうやら輸入品のコンテナに伴って侵入してきたようですが、最低気温上昇の影響も見逃せません。グローバル化と温暖化が保護膜を溶かし、日本が丸裸になってきたような気がします。快適な生活を追い求めてきたら、身の回りに危険が忍び寄っていたというわけです。

藤井四段の連勝が止まるとともにヒアリが広がった――なんていうふうに、年末に総括されるような1年になってほしくないです。

命綱

9月20日(火)

次から次へと仕事が入ってしまい、もうすぐ夜の8時だというのに朝食以降飲まず食わずです。でも、空腹感はありません。そういう感覚を超越してしまったのです。

ただ、最近、あまりおなかが空かなくなったような気がします。だから、お昼抜きでもお菓子か何かをちょっとつまめば夜までもってしまいます。夏休みも、あれやこれやと見学・見物に忙しくて、昼食は満足に取れなかった日が多かったのですが、別に何ともありませんでした。

年を取って新陳代謝が衰えたせいなのでしょうか。便利な体になったといえば、実にその通りです。授業の合間にパンやらおにぎりやらをぱくついている学生を見ていると、よく入るなあと感心してしまいます。ラウンジの自動販売機に並ぶ学生の列を見ては、そうまでして食べたいかなあと思ってしまいます。

ついこの前までは、お昼を抜くと2時から3時ごろにものすごい空腹感に襲われたものです。近頃はその空腹感がなくなり、むしろ、ご飯を食べると強力な睡魔に襲われるのです。コーヒーでごまかしていますが、病気かなあと心配になることもあります。でも、健康診断のときに相談しても何も言われませんでしたから、単なる怠け癖に過ぎないのかもしれません。

そして、今すぐ家へ帰っても9時過ぎ。そうなると、夕食をとるのも面倒くさくなり、汗を流して、果物(最近は青いみかん)を食べて、メールをチェックして、寝てしまいます。となると、1日1食。それでもどうにか体がもっているのは、朝、ガッツリ野菜を食べているからです。言ってみれば、野菜が命綱なのです。

のんびりしてると台風が迫ってきそうなので、手付かずの仕事はそっくりそのまま明日に持ち越しです。あーあ、明日の準備もまだ全然済んでいないというのに…。

帰っちゃうの?

6月3日(金)

Eさんは、とうとう今週1週間、休み続けてしまいました。腰に古傷があり、その具合が悪くなると休むことはありましたが、1週間ぶっ通しというのは初めてです。週の始めに1度だけメールで連絡がありましたが、それ以降は電話をかけてもつながりません。中間テストはかろうじて合格点を取っていますが、こんなに休んでしまったら、もはや進級も覚束ないでしょう。

Eさんも進学を希望していますが、1週間も連続して休まなきゃならないような爆弾を抱えているのなら、それもはかない夢になってしまいます。日本留学を決意した時に、爆弾のことは考えなかったのでしょうか。自分の体と相談して、日本に留学したいのは山々だけど、断腸の思いであきらめようという方向に議論が進んでもおかしくなかったはずです。

私は海外留学をしたことがありませんからあんまり偉そうなことは言えませんが、私がEさんだったら、怖くて留学なんかできなかったと思います。言葉も満足に通じない国に、時折暴れる古傷とともに留学してしまう度胸は、私にはありません。

じゃあ、Eさんにはそういった恐怖心を押さえつけるほどの向学心や克己心があるのかと問われると、それほど強固な精神性は感じられません。薄ぼんやりとした憧れで来ちゃった口だと思います。噂によると、治療のため一時帰国するかもしれないとも言われています。治療が長引いたら、退学も考えなければなりません。今までにも欠席がありますから、ビザ更新が問題になりかねません。

昼休みは、校内で開かれた進学フェアに出て、各大学から来てくださった担当者から話を聞く学生でにぎわいました。Eさんの志望校のブースにも学生が集まっていました。Eさんが参加していたらどんな話を聞くのだろうと、学生たちの後姿を見ながら思いをめぐらしました。

あいたたたっ

11月24日(火)

三連休をずっとうちで過ごしたおかげで風邪はどうにか峠を越してもうすぐ治りそうな気配になったのですが、ゆうべ、風呂場で腰を痛めてしまいました。立ったり座ったり歩き始めたりという動作の変化が一番しんどく、歩き続けるなど、同じ動作を続けている分にはさほど痛みは感じません。ただし、歩くスピードはいつもの半分くらいですが。

これじゃどうしようもないので、どうせ慢性の腰痛と診断されるんでしょうが、授業後、学校の近くの整形外科へ行きました。すると、背骨の一番下にある椎間板が薄くなっていて、何かの動作の際に骨が神経を刺激するとのことでした。寝ている間に時々脚がつることがあるのですが、それも椎間板が薄くなっているために脚に向かう神経が刺激されて起こるのだという説明でした。

説明はよくわかったのですが、やはりこれといった治療法はなく、電気マッサージと痛み止め、シップという、今までにもしてきたような治療と、医者に診てもらうまでもない対症療法です。そのうち痛みが治まり、小康状態になったらいつの間にか治療中断というパターンでしょう。

起きている間に知らず知らずのうちに傷ついた体を治すのは、睡眠だそうです。だから、睡眠不足だと傷が治りにくくなるのだそうです。身近な科学で睡眠について調べていたら、こんなこともわかりました。私の慢性腰痛の一因は、睡眠不足にあるのかもしれません。でも、私は6時間も寝ると、腰が痛くなって目が覚めます。体勢を大きく変えないと、続けて眠れないのです。それから、バーベキューの後から今朝まで、本当によく寝ましたから、ゆうべ風呂に入った時点では、全然寝不足ではありませんでした。要するに、老化が着実に進んでいるということでしょう。

老化が進むのはしかたのないことですが、動けなくなるのは困ります。仕事ができなくなるから? いえいえ、遊びに行けなくなるからです。人生の楽しみが消えてしまいます。

鼻水鼻づまり

11月13日(金)

おととい、選択授業の「身近な科学」で風邪を取り上げ、風邪の予防法なんかを偉そうにしゃべったら、昨日からくしゃみが出て鼻水が垂れてなんとなく熱っぽくて、完全に風邪を引いてしまったようです。ゆうべは必要最低限の仕事だけして早めに帰宅したんですが、症状は改善されるどころかひどくなりました。身近な科学では、風邪を引いたら何より休息と訴えたのですが、私は授業だ面接練習だと、今日も仕事がびっちりでした。明日は会議もあるし、中間テストの問題も作らなければならないし、出てくるほかありません。

今回の風邪は、とにかく鼻水がひどいです。昨日は水っぽい鼻水がたれてきて始末に負えなかったのですが、今日は鼻づまりがいかんともしがたい状況です。鼻が詰まると思考能力が落ちてかないません。受験講座が特に辛いですね。理論をわかりやすく伝え、練習問題ぐらい解けるところまでもっていかなければなりません。そういう、頭の運動神経を要する部分が苦しいのです。しかも昨日早く帰っちゃって、準備が十分ではありませんでしたから。

それにしても、どうして風邪を引いてしまったのでしょう。このところ急に疲れがたまるような仕事をしたわけでも、精神的にきつくなったわけでも、寒い思いをしたわけでもありません。風を引いている人が周りにいなかったわけではありませんが、これまた今に始まったことではありません。一番恐ろしいのは、老化により体力が衰えたため、今までと同じ悪条件をもはや受け入れられなくなったということです。

来週の金曜日は課外授業で、バーベキューをしに立川の昭和記念公園まで行きます。それまでにはこの風邪を何とか片付けておかないと…。

倒れた???

10月20日(火)

9時10分前、午前クラスの教師たちの朝礼が始まってもE先生は姿を見せません。ゆうべ、「明日」の授業内容についてのメールを送り、それに対して10月20日という日付の入った教案を送ってきましたから、E先生が授業の日にちを忘れているとは思えません。事情を確認するためにE先生に電話をかけると、通勤途中に倒れて駅の救護室に運ばれていたことがわかりました。

午後クラスの先生に大急ぎで代講を頼みました。前半は漢字のプリントなどがありましたが、後半はE先生が独自の資料で授業をすることになっていましたから、どうにもなりません。これまた周りの先生からすぐ出てくる教材を借りて、急場をしのぎました。後刻E先生から送られてきた資料を見ると、私がお願いした授業内容を見事に反映した資料で、もしかするとこれを作るために寝不足になり、倒れてしまったのではと思えるほどの内容でした。

E先生は私の半分にも満たない年齢で、少なくとも見た目には不健康そうではありません。こういうふうに、若くてパワーがありそうな人が倒れたり病気になったりするたびに、何が健康を左右するんだろうかと考えさせられます。私のように食事も睡眠も不規則極まりなく、運動不足もはなはだしい者のほうが、よっぽど倒れちゃいそうなんですがねえ。酒煙草を全くやらないっていうのが、そんなに健康に効いているとも思えません。

いずれにしても、あれだけの力作が日の目を見なかったというのは、E先生自身が最も残念なはずです。さらに言えば、それだけの授業を聞きそこなった学生こそが最大の被害者かもしれません。次回のE先生の日に、その授業をしてもらおうかと、予定変更を考えています。

いててて

10月7日(水)

どうも腰痛がひどくなってきてたまりません。おとといあたりからちょっとおかしいなと感じていたのですが、今は椅子に腰掛けていてもうずくような痛みを感じます。というか、痛みに関しては、立っているほうが楽なくらいです。午前中、新入生のレベルテストの試験監督をしましたが、ずっと立って歩き回っていました。動いていればそうでもないのですが、立ち止まったり座ったりとなると、痛みがじわーんと神経を刺激してくるのです。

「病院で診てもらえば?」って言われそうですが、慢性の腰痛ですから治療を続けたところで治癒に至る見込みはありません。どんな名医でも、当面の痛みを和らげて目先の不快感を取り除くぐらいのことしかできません。ただ、今は新学期の準備でパソコン仕事が多い時期ですから、座っているだけで痛いというのは辛い症状です。超級クラスの教材を見つけ出したり作ったりしなければならないのですが、読解教材の候補をじっくり読み込んだり、文法教材のアイデアを形にしたりする気力も湧かず、新入生オリエンテーションの会場設営なんていう、動いていられる仕事ばっかりしています。EJUの数学の問題の解答作りもしなければならないんですがね…。

学生からは志望理由書の添削の依頼が2通来ました。プリントアウトして、試験監督で教室を歩き回りながら赤を入れ、パソコンの前に座る時間は最短にして、送り返しました。頼りにされているとあれば、それに応えなければなりませんからね。

さて、これから帰宅ですが、地下鉄で座れないのが、腰にはちょうどいいくらいです。

病院通い

10月1日(木)

昨日は1日かけて病院を2か所回りました。本当はもう2か所ぐらい行きたいのですが、そもそも、この年になれば体じゅうにガタが来て、いくら病院回りをしてもきりがありません。機械でいえば、経年劣化というやつです。酷使したり耐用年数が近づいたりすると、だんだん調子が悪くなるっていうあれです。風邪みたいな病気は日頃の生活管理で防げても、老化現象はいかんともしがたいです。「老いる」が意志動詞ではないのが何よりの証拠です。それに、学期休みだからってそうそう休んでばかりはいられませんからね。

朝、受付が始まる15分ぐらい前に病院に着いたのですが、私の受付番号は183番でした。総合病院ですからいろいろな診療科を合わせて183番であり、私の診療科は受診者が少なく、診療時間が始まったら、予約時間通りに、すぐに順番が来ました。時間があるだろうと思って待合室にある無料の血圧測定器で血圧測定をし始めたら、名前を呼ばれてしまったくらいです。でも、隣の診療科は多くの受診者が来ていて、こちらの待合室にまで流れ込んでいました。

老人病のご他聞に漏れず、私の場合も慢性疾患ですから、完治は望むべくもなく、いかに現状維持を続けるかがキーポイントです。昨日の担当医も、「あと40年か50年使うつもりで、ずっと見ていきましょう」と、半分は揶揄でしょうが、そう言っていました。病院通いをしていない部分に関しても、病院へ行ったところで劇的な改善は見られないでしょうから、行こうと思わないのです。今通っているのは、ここが壊れたら人生の楽しみがなくなりそうだという器官の病気です。

もうちょっと年を取って、医療費無料化の対象になったとしても、いそいそと通うようにはなりたくないです。注射や採血などは全然怖くないし、どんな苦い薬でも平気な顔で飲めます。また、最近の病院はホテルみたいなすばらしい施設を持っているところも増えてきています。でも、やっぱり、行くのは必要最低限にしたいです。

何とかしろよ

6月18日(木)

Sさんは進学コースの学生ですが、成績が思わしくありません。それに加えてここへ来て1週間近く欠席してしまいました。来学期も同じレベルをもう一度勉強することが確定的です。友人のOさんの話によると、Sさんは毎晩のようにお酒をたくさん飲んでいるそうです。留学生活が思い通りにいかなくて、その憂さ晴らしで深酒しているのかもしれませんが、感心しません。

何より、Oさんに迷惑をかけていることがいけません。OさんはEJUが迫っているのに、酔っ払ったSさんの介抱をさせられています。そんなことをしているどころじゃないのに、国にいたときからの親友を捨て置くこともできず、貴重な時間を費やさざるを得ない状況に追い込まれています。Sさんは親友の足を引っ張っていることに気が付いているのでしょうか。自分の行動が親友の将来に暗い影を落としかねないことなんか、自覚していないでしょうね。

2人の状況をつぶさに見ているわけではありませんから断定はできませんが、話を聞く限りSさんのお酒の飲み方は問題飲酒です。最近の欠席は胃の不調によるものですが、内科ではなく心療内科に診てもらうべき心身状態かもしれません。

Sさんは未成年ではありませんから、法律上はお酒が飲めます。しかし、Oさんの犠牲の上に立って飲み続ける資格も権利もありません。本分である学業を疎かにするような飲み方が許されるわけがありません。クラスに彩りを添えてくれる貴重な学生ですが、このままじゃ最悪帰国ですね。私たちがSさんの内面に踏み込んだ指導ができなかったことはこちらの反省点ですが、Sさん自身が自分自身を何とかしようという気持ちがなかったら、この問題は解決しません。