5月22日(木)
朝一番で、昨日勉強した漢字の復習テストをしました。漢字の読み書きだけ、教科書に出てきたとおりという、何のひねりもない問題です。家で復習してくれば、悪くても合格点は取れるテストです。
ところが、私のクラスは受験者17名中7名が不合格という体たらくでした。その不合格者7名中6名が中国の学生でした。もう1名は漢字を完全にあきらめている学生ですから、実質的に不合格者は全員、漢字の本場から来た学生たちです。
確かに、中国語の漢字と日本語の漢字は微妙に違うこともあります。しかし、昨日習った漢字で“微妙に違う”に該当しそうなのは1字だけです。その字を書き間違えたからと言って、不合格にはなりません。
中国の学生は、漢字は見ればわかると思っています。確かにわかります。しかし、それは、目で見た字体と意味が中国語で結びついたに過ぎません。日本語の単語として記憶されていないのです。また、“見れば”わかるのであって、その漢字あるいは熟語の読み方は中国語であり、日本語の読み方は身に付いていません。同じ意味でも日本語と中国語で漢字表現のしかたが違うケースも枚挙にいとまがありません。そういうことに目を向けようとせずに“漢字は見ればわかる”なのです。
必死に勉強してきたと思われるアルファベットの国のAさんとXさんは、10問中9問正解で余裕の合格でした。試験時間ぎりぎりまで頭をかきむしりながら考えていたAさんに比べ、不合格6名は早々に誤答に満ちた答案を書き上げ、早く終わらないかなあという顔をしていました。なお、中国人学生の名誉のために言っておくと、唯一の満点は中国人のWさんでした。
漢字を知っているということは、日本語学習の上で大きなアドバンテージになります。しかし、不合格者はそのアドバンテージを全く有効活用していません。AさんやXさんから喝を入れてもらった方がいいんじゃないかな。
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