Category Archives: 社会

どちらに進む?

7月22日(火)

Tさんは、日本語プラスの数学と化学と生物を取っています。動物が好きなので獣医になりたいと言っています。しかし、外国人留学生が獣医学部に入るのは、とても難しいです。私立大学なら、学費も半端じゃありません。薬剤師とも言っていますが、これまた獣医と同様です。

難しい所ばかり狙うのは、ご両親の影響もあるようです。Tさんが獣医や薬剤師のような高度な資格を取って、日本で生活していけたらいいとお考えのようです。確かにその通りですが、それは並大抵の努力ではかなわぬ望みです。その辺の事情が、Tさんもご両親も、明らかになっていません。

じゃあ、方向性を変えて、化学と物理で進学するとどんな道が開けてくるかという質問が出てきました。化学と物理なら、コンピューター全般をはじめ、逆説的ですが、獣医と薬剤師以外、だいたい何でもいけるのではないでしょうか。Tさんが好きなことと重なるかどうかわかりません。

親が子供の心配をするのは当然です。しかし、心配のしかたを誤ると、子供の将来を縛り、可能性を打ち消すことにもなりかねません。日本留学を決める前に、将来設計についてあれこれ調べ、比較検討し、相談を重ねて、進むべき方向性を決めたのだと思います。

でも、今、ご家族の中で、量的にも質的にも充実した日本留学の情報を持っているのは、Tさん自身です。Tさんは努力家ですから、安易な道に進むために情報を捻じ曲げるようなことはしません。そのTさんを軸に、もう一度きちんと話し合ってもらえないでしょうかねえ。

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最終日ですが

7月19日(土)

明日は参院選の投票日ですが、今回の選挙ではまだ一度も候補者を見かけていません。もっとも、1日の大半をKCPの校舎内で過ごし、学校の前の細い道にまで入り込んでくる奇特な候補者などめったにいるものではありませんから、当然のことかもしれません。候補者本人を見かけると情が移るというのは、無党派層の浮動票の典型パターンなのでしょうか。

私は、どんな選挙でも、ごく普通の有権者として候補者の政策を吟味すると同時に、日本に住んでいるのに投票権のない学生たちの考え思いも加味しつつ投票します。学生たちが暮らしやすい国や都や区にしてくれそうな候補者を選びます。そういう選び方は、この学校の利益にもつながりそうですからね。

今、迷っているのは、石破さんの扱いです。私は、安倍さんと石破さんが争っていたころに石破さんの著書を読んで、石破さんのファンになりました。その石破さんが、去年、やっと首相になって喜んだのですが、その後どうもパッとしません。石破さんの著書にあるような考え方で政治を進めてくれれば、学生たちにとっても暮らしやすい方に向かって行きそうな気がします。しかし、現状の石破さんにはかなりの縛りがあって、そうできないようにも見えます。本当にそうなら、私の1票は別の所に投じざるを得ません。

そうは言っても、その代わりが見つかっていません。信を置けそうな情報源に頼ると、みんな頼りなさそうに映ります。候補者本人に出会って情を移してみたいのですが、どうやらそうなる前に選挙運動時間が終わってしまいそうです。かといって、棄権はしたくありません。

どうすればいいでしょう。

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2000円?

7月11日(金)

教室の学生に「お米、いくらで買っていますか」と聞いたら、5キロで3880円、3450円などという声があがりました。税込みなのか税別なのかわかりませんが、4000円を少し切るくらいが相場のようです。「高いと思う?」と聞くと、高いという声ばかりでした。「いくらぐらいがいい?」と、学生にとっての適正価格を聞くと、2000円と返ってきました。今の買値の半値ぐらいです。

そんなやり取りをして、ニュースの映像を見せました。米不足の原因を探るニュースです。老舗の米屋が売る米がなくなり廃業したとか、農協の倉庫にも米がないとか、その農協が農家を回って米をかき集めているとか、そんな話が続きました。そして、農家の方が、「肥料代も人件費も燃料費も上がっているので、今の米価では全然もうけがない」とぼやくシーンが出てきました。

そんな映像を見て、農家がもうかるように米価を決めたらいくらぐらいになりそうか、学生に聞いてみました。すると、4500円などという意見が出てきました。そこで、4500円の米を買うかと聞くと、みんな買わないと答えました。「じゃあ食事はどうするの?」「パンを食べる」「そうすると、日本文化はご飯じゃなくてパンになるの? 刺身を食べる時もパン?」「農業を機械化すれば人件費がかからなくなる」「でも、さっきの映像で見たでしょ。広い田んぼを1人のおじいさんが機械で田植えしてたじゃない。機械化は進んでるし、人件費もそう簡単に減らないよ」「…」「パン文化にならないようにするには、どうしたらいい?」「政府がお金を払って米の値段を下げればいい」「そのお金はどこから来るの?」「税金」「じゃあ、消費税が15%とか20%とかになってもいい?」「…」「日本は福祉や少子化対策にもお金がかかるよ。そうなると消費税は15%どころか50%になるかもしれないよ。あんたたち、それでも日本に留学する? 大学卒業したら日本で働く?」

今すぐこんなことにはならないでしょうが、日本はそちらに向かって歩み続けていることは確かです。どうすれば米作りをする農家も私たち消費者も幸せになるのでしょう。選挙を戦っている候補者のみなさん、真剣に考えてますか。

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入学式挨拶(2025年7月5日)

みなさん、本日はご入学、おめでとうございます。世界のいろいろなところから、このように多くの方々がこのKCPに入学してくださったことを、本当にうれしく思っています。

みなさんは、コスパ、タイパという日本語を聞いたことがありますか。コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスの略語で、このところ至る所で使われています。かけたお金や時間に見合うだけの収穫があったかどうかを問う概念です。

このうち、コストパフォーマンスは昔から使われていました。資本主義体制下の私企業、営利企業は、第一に利益を追求しますから、その根っこの部分にこういう発想があってしかるべきです。私が社会人になった1980年代では、就職して最初に叩き込まれる考え方でした。これが一般に広まり、コスパと略されるようになったのは、2000年以降ではないかと思います。

タイパは、コスパの発想を時間にも拡張したもので、コスパよりも少し遅れて2010年頃から人口に膾炙するようになったと記憶しています。

コスパもタイパも、物事を合理的に要領よく進めよう、無駄を省こうという考え方に基づいています。“安くておいしい”を具現するとコスパのいいレストランになり、でも長時間並ぶとなると“タイパはちょっと…”ということになります。また、タイパの究極の姿が、いつでもどこでもスマホを見る習性に結びついているのではないかと私は思っています。

翻って、語学留学を考えてみましょう。パンデミック以降、オンライン授業が充実し、自分の国に居ながらにして外国語を身に付けることも容易になりました。そういう意思を持った学習者向けの教材も驚くほど出ています。これらを使えば、日本まで来なくても日本語は勉強できます。現に、KCPで1年かかる勉強を半年で済ませて入学した学生も今までに何人かいました。タイパから言うと、留学は旗色があまりよくなさそうです。

また、日本で勉強するには、まず、日本までの渡航費が必要です。それから、ご家族と一緒に住んでいればかからない住居費もかかります。食費も、一人暮らしになると、ご家族と一緒だった時に比べて割高になります。もちろん、KCPの授業料も支払わなければなりません。百万円単位のお金をかけているのですから、相当高度な日本語を身に付けない限り、コスパでも留学は厳しいものがありそうです。

こう考えると、日本留学は、する価値があるのでしょうか。コスパ、タイパの面からは、やめた方がいいという結論に至っても不思議ではありません。にもかかわらず、なぜ、日本中で10万余もの留学生が日本語を勉強しているのでしょう。100名を優に超えるみなさんが、この入学式の場に集っているのはどうしてでしょう。

得がたい経験をしたいからだと言う人もいます。生の日本語、生の日本文化に触れるには日本で勉強するのが一番だともよく言われます。ある人は、自立するためだと言います。

確かにそうです。これらを成し遂げるには、コスパ、タイパを度外視しなければならないこともあるでしょう。しかし、同時に、それ相応の覚悟が要求されます。3食をコンビニ弁当で済ますなら、1日中全く日本語を使わないで過ごすことも可能です。日本文化に触れるという名目で、スマホかパソコンで日本のアニメを見るだけなら、日本にいる必要など全くありません。原宿や秋葉原で遊び回るのであれば、留学などという小難しいお題目を唱えず、観光旅行で十分です。その方が、生活上の縛りが緩く、存分に楽しめます。

そうではなく、留学という道を選んだからには、KCPで必死に何かをつかみ取ってください。私たち教職員はみなさんを満足させるだけの授業や活動や、留学生活の支援などを用意しています。ですから、みなさんはそれをしっかりと受け取ってください。そして、お金と時間をかけて日本へ来てよかったと思える留学生活を送ってください。コスパ・タイパ至上主義を笑い飛ばしてください。

本日は、ご入学、本当におめでとうございます。

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地元の病院?

7月3日(木)

午前中、眼科へ行きました。その眼科は、大学病院ほどではありませんが、総合病院の中にあります。その病院で受けた定期健康診断の眼底検査で引っ掛かって以来、もう10年以上にわたって、学期休みごとに定期的に診てもらっています。

診てもらった結果、目の方は異常なしでしたが、先生から、家の近くの眼科で見てもらったらどうかと言われました。症状が安定していますから、クリニックで経過観察を続けていくことで十分だというのが1つの理由です。もう1つの理由は、その病院がどうやら人手不足のようなのです。そんな意味のことを、先生がチラッと口になさいました。

病院にとって、私のような慢性病の経過観察だけの患者は、決していいお客ではありません。診療報酬は国によってがっちり決められていますから、もうけにはつながりません。昨今の人件費をはじめとする諸経費の高騰を賄うにはあまりに貧弱でしょう。だから、そういう患者の代わりに検査や治療をバンバンする患者を取り込んだほうが、病院の経営には好ましいです。

朝、病院へ向かう時にはまっさらだったポスター掲示板に、学校へ戻るときには数枚のポスターが張られていました。参議院議員選挙が始まりました。上述の問題も、医療費を高くすれば解決するというほど簡単な話ではありません。減税を訴える党もありますが、トランプさん対応や福祉や国土の脆弱化(八潮陥没事故がその典型)など、日本を取り巻く環境はさらにお金がかかる方に動きそうです。

20日まで、じっくり考えさせてもらうことにしましょう。

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朝の小旅行Ⅱ

7月2日(水)

1か月ほど前に、地下鉄の運転見合わせにぶち当たって、銀座から新宿まで小旅行をした話をこの稿に書きました。今朝は、運転見合わせとかではなく、いつもと違う経路で出勤しました。

いつもは最寄駅から地下鉄を乗り継いで新宿御苑前駅まで来るのですが、今朝はメトロの向かいにあるJR駅から電車に乗り、新宿まで来ました。

私が乗るんですから、朝の一番電車です。常磐線は1両に数名もいないくらいガラガラでしたが、日暮里からの山手線は座席がサラッと埋まる程度のお客さんがいました。田端で立つ人が出て、池袋から高田馬場までは反対側の窓が見えないほどの混雑でした。新宿では、私も含めた降りたのと同じくらいの客が乗ったのではないでしょうか。

新宿は、南口に出ました。地下鉄への乗り換えには遠回りになりますが、乗り換え時間が10分もあったので、めったに行かない街の様子も見てきました。5:20をちょっと回ったくらいの新宿駅南口は、すでに寂しくない程度の人が行き交い、車も、渋滞こそしていませんでしたが、両方向けっこうな台数が走っていました。バスタには夜行バスが到着し始めているころだったのでしょう。

メトロの駅まで地上を歩きました。朝から雨という予報が出ていたのに、薄日が差していましたから、夜の疲れがにじみ出ているはずの街が明るく見えました。どこかの店員さんが、ゴミを出していました。

御苑の駅には、いつもの電車より7分早く着きました。いつもファミマの前あたりですれ違う人とも出会わず、そのまま学校へ。

7分早い1日が始まりました。

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三軒茶屋と慰霊の日

6月23日(月)

おとといのブラタモリは、前週に続いて青山通り。そのまた前の週は三軒茶屋。三軒茶屋が特集されるのなら、大阪の松屋町や名古屋の今池、福岡の香椎や箱崎あたりも取り上げられていいと思います。ミナミや栄や天神では、格が違い過ぎます。東京の青山通りと釣り合うのは、大阪なら御堂筋ではなく、堺筋か千日前通りあたりではないでしょうか。でも、東京以外の街や通りは、ブラタモリで取り上げられていないんじゃないでしょうか。

毎週日曜日は「べらぼう」を見ています。私はBSで見ていますから関係ありませんでしたが、昨日は都議選の開票速報で、総合テレビは7:14からと、46分繰り上がりました。確かに、この都議選は参院選の前哨戦として注目されていました。でも、都議選は、首都とはいえ、一地方議会の選挙に過ぎません。その開票速報を全国放送で行うことに、どれだけの意味があったのでしょう。結果だけ報じれば十分だったと思います。

6月23日は、沖縄戦が事実上終結した日、沖縄慰霊の日で、毎年沖縄全戦没者追悼式が行われます。こちらも、一地方の一追悼式ですが、“過ぎない”で片付けられない重みがあります。NHKは30分の特番を組み、連続ドラマの開始を5分遅らせたようです。

私は東京の人間ですが、都議選に比べて、沖縄の追悼式の扱いが軽いように思えてなりません。米軍がイランを空爆するようなご時勢だからこそ、“沖縄”をきちんと伝える意義がより一層重いのではないでしょうか。石破さんがひめゆりの塔に献花したそうですが、そういうことも含めた報道がなされたのでしょうか。

放送局の本拠地が東京にあるからといって、東京を伝えることばかりに力を入れていてはいけません。

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防犯講習

6月10日(火)

防犯講習がありました。警察の方がいらっしゃって、電話やメールによる詐欺など留学生が巻き込まれやすい事件や、自転車の傘差し運転など留学生が犯しやすい法令違反について、わかりやすく説明してくださいました。私たち教職員にとっても、学生の生活指導のポイントを学ぶという意味で、有意義な講習です。

しかし、残念なことに、過去にはこういう講習を受けたばかりなのに詐欺に引っかかってしまった学生もいました。上級以外は学生の母語の通訳を入れるのですが、徹底するのは難しいです。また、他人事だと思って聞いている学生も少なくないのでしょう。

私のクラスの学生には、そんなことがないように、クラスに戻ってから、KCPの学生が巻き込まれた事件、犯した失敗などを付け加えて話しました。真剣に聞いていたようですが、少しは心に響いたでしょうか。こういうのに遭うと、事件にしても法令違反にしても、留学を続ける気力がそがれるでしょう。学生が嫌な思い出で留学を終えるのは、当の本人はもちろんのこと、私たちも心が痛みます。

でも、何より憎むべきは、人をだまそうと、悪意の電話をかけ、メールを送り付ける輩です。同国人をターゲットにする場合が多いというではありませんか。確かに、現代社会を生き抜くには生き馬の目を抜くことも必要でしょうが、弱い立場の留学生の目ではなく、強者の目を抜いてこそ、本当の勝者なのではないでしょうか。

KCPの名で留学生ビザを発給してもらうということは、学生の生活全般に責任を持つということでもあります。そういう筋の延長線上に、防犯講習は行われるのです。

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早朝散歩

6月5日(木)

久しぶりに、家から上野まで歩きました。

昨夜、私が家にたどり着いた後に雨が降ったらしく、地面が濡れていました。3:40、東の空がほのかに明るくなり始めてもいいころなのですが、見上げた空は雲が重なっているようでした。半袖の腕が少しひんやりしましたが、これから小一時間歩き続けますから、鞄に突っ込んでおいたカーディガンは羽織りませんでした。

上野駅の銀座線1番電車の時刻まで余裕がありましたから、上野公園経由で行くことにしました。とはいえ、鶯谷駅の前を通って上野公園のすぐそばまでは、住宅地とも商業地ともつかない、幹線道路沿いを歩きます。車の往来は激しいですが、歩道を進むのはほぼ私一人で、たまに自転車とすれ違う程度でした。

歩いている最中に無の境地にでも浸っていれば精神修養にもなるのでしょう。いや、せめて問題学生にどう対処すべきかなど、目の前の課題について考えれば仕事の役に立つというものです。しかし、夏休みはどうしようとか、さらに先の年末年始の休みはどこへ行こうかなど、そういったことからほど遠い思案ばかりしていました。

上野公園に着くころには、夜の帳はすっかり上がって、朝の空気が満ち満ちていました。1番電車までまだ時間がありましたから腰を下ろして本でも読もうかと思いましたが、どこもかしこも濡れているか湿っているかで、適地がなかなか見つかりませんでした。植物や鳥類、昆虫などに詳しかったら公園内を散策してあれこれ観察するところでしょうが、あいにく私はそういう方面に疎いので、どうにか見つけた乾いた石段に腰掛けました。風が弱く、もちろん蒸し暑くもなく、さわやかな空気を吸いながらページを繰りました。

御苑の駅には、いつもの電車より1本早い電車で着きました。以降はいつもの通り。でも、朝の散歩のご利益か、午後のクラスの学生からバラの花を一凛もらいました。

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距離

5月30日(金)

Nさんは頭の回転が速く、わりと弁も立ち、優秀な学生と言っていいです。最近書いてもらった進学スケジュールによると、大学院進学を考えています。授業後、そんなNさんと、進路のことを中心に面接をしました。

「大学院に進学したいんですね」と私が聞くと、「本心は専門学校に入って就職したいんです」と、いきなり番狂わせの答えが返ってきました。日本で修士の学位を取って帰国し国で就職する――というのが、ご両親の希望のようです。Nさん自身は、自分は勉強があまり好きではないので大学院進学には向かないと考えています。専門学校で興味のある技術を身に付け、それを生かした仕事をしたいというのがNさんの本当の希望です。

来日後、Nさんはご両親が出してくださったお金で大学院入試の塾に通いました。これがNさんにとってどうしても引っ掛かるところで、律儀なNさんとしては、そうあっさりと大学院進学をあきらめるわけにはいかないのです。「ありのままを話せば親はきっと理解してくれるだろうけど…」というのが、現在のNさんの心情です。

こういう悩みを抱える学生は、毎年必ず何人かいます。親と大喧嘩をした末、自分の希望を通した学生もいましたが、スポンサー様のご意向には逆らえず、不本意な勉強を続けた例もありました。中には、自分の怠け心を親との意見の不一致にすり替えようという不届き者も、たまにはいます。

私は実際に学生の様子を目にしている立場ですから、どうしても学生寄りになります。上述の不届き者にしたって、「お宅のお子さんは、お考えになっているほど勉強好きじゃないんですよ」と言ってあげたくもなります。

いくら通信技術が発達しても、物理的距離はいかんともしがたい場合があります。

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