Category Archives: 学生

3連続

1月8日(金)

午後から面接練習2名+志望理由チェック1名。今年の1月期の学期前は、いつになく試験対策が多いです。私だけではなく他の先生方も同様で、2時ごろの学校内は、あちこちの教室から明かりが漏れていました。

私は、まず、Kさん。志望校の面接がオンラインになったので、教室を2つ使ってZoomで面接をしました。カメラの位置によって顔の見え方が違い、画面の向こう側にいる面接官に与える印象も変わりました。最初、面接官の立場の私は、Kさんの顔を見上げるような視線でした。Kさん自身は感じていなかったでしょうが、見下ろされているようであり、だから圧迫されそうでもあり、生意気な感じもしました。

こうなると、第一印象はよくないですね。そう伝えると、Kさんはカメラの位置を少し調節しました。すると、とてもさわやかな印象になりました。ノートパソコンの開き加減のほんのちょっと調節しただけですが、小生意気なガイジンが清新な若者へと変身しました。本番では要注意です。

次はSさん。中身の詰まった志望理由が語れるようになりました。これは大きな進歩ですが、口頭試問の練習をするとガタガタでした。ごく常識的な事柄の説明ができないのです。日本語でどう表現したらいいかわからないようでした。明日から、自宅で猛特訓してもらいます。

志望理由を送ってきたのはCさん。こちらは文章になっていますから、初手は文法と語彙の誤用訂正です。その後大手術が必要かとびくびくしていましたが、内容的には軽微な訂正で済みました。でも、Cさんがこの志望理由を直接志望校にぶつけたら、あちらの先生方はさぞかし驚かれたことでしょう。

3人とも、来週早々試験です。そろそろどうにかしてくれないと…。

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危機感

1月7日(木)

GさんはすでにN大学、K大学を受験し、今週末にM大学の試験を控えています。3大学とも、合格発表は来週から再来週にかけてです。それ以外の大学は出願もしていませんから、全滅だったらどうするのかと聞いたところ、自分のEJUの成績で受かりそうな国立大学に出願すると言います。

Gさんは真面目な学生なのですが、のんきだというか、要領が悪いというか、動きが鈍い面があります。本当はT大学にも出願するはずでしたが、「必着」に間に合わずに受け付けてもらえませんでした。国立出願にしても、Gさんが行きたいと思っていたS大学は、昨年のうちに出願締切でした。Gさんが出願締切日だと思っていたのは、入学手続き締切日でした。

これは危ないと思い、M大学の面接練習よりも先に、国立大学はどこに出願するかという進学相談をしました。Gさんは東京か東京に近いところの大学がいいと言っていましたが、何が何でもそれにこだわっているわけでもありません。GさんのEJUの成績をもとに、そういうことを加味して、これから出願できる国立大学をいくつか選びました。あとは、Gさんが自分で詳しく調べて、最終決定します。

そもそも、GさんはN大学、K大学、M大学のどこかに受かるつもりでいます。うわさで知ったK大学の合格最低点が自分のEJUの点数よりも低いことから、妙な自信を持っています。ですから、その3大学の不合格最高点を示して危機感をあおり立て、他の大学への出願を本気で考えさせました。M大学の試験が終わったら、本当の意味でのすべり止めを考えさせて、出願に結び付けなければなりません。まだまだ先が長いです。

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ガースーと面接

1月6日(水)

「ガースー」と初めて聞いた時、田舎の不良高校生が親や教師に隠れて煙草を吸っている様子が思い浮かびました。ガースーと菅首相の政策や政治姿勢は無関係なはずですが、ガースー以後、菅さんのやることなすことすべて、うさん臭く映ってしまいます。だから緊急事態宣言に協力しないなどとは言いませんが、この人についていこうという気持ちは薄まってしまいました。

たった一言によって、聞き手を傷つけてしまったり、聞き手の信用を失ってしまったり、それゆえ自分に対する聞き手の評価を大きく下げてしまったりすることがよくあります。言葉尻を捕らえてあれこれするなとも言われますが、言葉は自分自身を指すナイフにもなりえます。

昨日に引き続いてAさんの面接練習をしました。Aさんは研究熱心で、志望校について調べられるだけ調べ、志望校のカラーに合うように面接の答えを作り上げています。私の昨日の指摘を踏まえて、いくらか熱く語れるようにはなっていました。それでも、画面越しということを考慮すると、印象が今一つかなあ。

志望理由は立派になったものの、専門とする分野について突っ込むとすぐメッキがはげてしまいます。そうすると、聞き手にとっては落胆の度合いもひとしおです。Aさんの答えがガースーと聞こえました。ですから、後半はAさんが大学で勉強しようとしていることやその周辺事項のレクチャーをしました。こちらがヒントを与えれば、考えるきっかけやキーワードがわかれば、Aさんはそれについて研究してくれるでしょう。付け焼刃の感は拭えませんが、刃なしでは話になりませんからね。

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授業初め

1月5日(火)

今年の授業初めは養成講座でした。今年に限らず、ここのところ毎年、KCPのどの先生よりも早く授業を始め、その授業が養成講座です。私は学期が始まるとクラス授業を受け持ちますから、学期休みのうちにできるだけ養成講座の授業を済ませておく必要があるのです。

養成講座の文法の授業をするのは、学生に文法の授業をするより面白いです。でも、その養成講座の授業は、学生への授業が元になっています。初級から上級まで各レベルで教えた経験から、ここはよく間違えるとか、こうすれば文法が比較的すんなり入っていくとかということが言えるのです。学生のおかげで(学生をネタにして?)養成の授業をさせてもらっていると言っても過言ではありません。

午後は、Aさんの面接練習をしました。オンラインの面接だそうです。そうだったら、自分の意欲や夢を画面越しに力一杯語らなければなりません。でも、Aさんの言葉にはそういった思いが感じられませんでした。何とか熱意を掘り起こそうと質問すると、かえってそちらから遠ざかってしまいます。しかたがないので、“面接練習”という形式を打ち切って、Aさんが気軽に答えられるように雑談っぽく勉強の目的や将来構想を聞きました。そうやって、Aさんの頭を少しずつ整理していきました。明日、再挑戦です。

本当のことを言うと、Aさんにはもう1つ課題があります。細かい文法ミスが非常に多いのです。面接官に誤解を与えるほどの致命的な間違え方ではありませんが、ミスが重なると「下手」という印象が刻まれてしまいます。養成講座の受講生のみなさんに聞かせたいなあと思いながら、Aさんの受け答えを聞いていました。

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最後まで

12月25日(金)

T先生は昨日の帰宅時から電車が空いてきたと言います。年末年始の分散休暇が始まったのではないかとまで言っています。でも、私は昨日の退勤時も今朝の出勤時も、電車の混みようは変わっていないように感じました。なんだかんだ言いつつ、正月休みはやっぱり来週からなんだろうなと思っていました。

KCPも来週1週間はお休みですから、今年の残り2日は大掃除です。先週あたりから少しずつ机の上の書類や引き出しの中のがらくたなどを処分し始めました。調子に乗って捨て始めたら、シュレッダーダストボックス2杯分ぐらいになってしまいました。引き出しの底から発掘した懐かしい書類も含まれていますから、今年1年でこんなに大量のごみを出したわけではありません。

M先生も、紙の神様に叱られそうだと言いながら、あちこちから紙ごみを引っ張り出してきていました。ペーパーレス化には程遠いKCPの現状です。今年はオンライン授業がたくさんありましたから、印刷せずに電子的に学生に配布した教材も少なくないはずなんですがね。

シュレッダーの山場を越えたころ、ZさんがY大学のオンライン面接のために学校へ来ました。今年は何人の学生を教室でオンライン入試を受けさせたでしょう。1度でいいから、オンライン面接のやり取りをじっくり見学してみたいですが、周囲に本人以外誰もいないことが受験条件でしょうから、ぐっと我慢しています。

Zさんがホッとした顔で引き揚げ、お昼にでも出ようかなあと思っていたら、XさんからW大学の志望理由書を見てくれというメールが舞い込みました。字数制限はありませんが、スペース的にXさんの力作をばっさり半分にしなければなりません。1行目からバリバリ切り捨てていったら、思ったより早く出来上がりました。でも、これを読んだらXさん、泣くかもしれないなあ。思い入れの強そうな文もシュレッダーに掛けちゃいましたから…。

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ある退学

12月22日(火)

毎学期、期末テストを限りに学校を辞める学生がいますが、今学期はRさんもその1人となりました。表向きはコロナの感染者が増えてきたからということになっていますが、実情は進学をあきらめたからです。

実は、昨日、EJUの成績をもらった後、私のところへ相談に来ました。日本語の成績が思わしくなく、Rさんが考えていた国立大学に手が届きそうもありません。他の科目も、日本語の成績が同じくらいの受験生に比べればよく取れていますが、どんな学生と比べても抜群に素晴らしいかといえば、そんなことはありません。Rさんの持ち点でどうにか勝負できそうな大学名をいくつか挙げたところ、考えてみますとのことでした。そして、一晩考えた結果が、退学だったというわけです。

言っても詮無いことですが、6月のEJUが中止になったのが痛かったです。そこで痛い目に遭って軌道修正ができていれば、どうにか希望がつながったかもしれません。目標への道のりのどの辺まで来たかつかめず、このままでいいのだろうかという気持ちもあったことでしょう。そのせいでしょうか、6月以降、Rさんは焦りが目立ち、精神的にきつかったようです。私たちも力になろうとしましたが、Rさんに必要だったのは、家族の力だったようです。少々前ですが、そういう意味のことをぽろっと漏らしていました。

Rさんは国で進学するようですが、形の上では2浪です。辛い選択だったに違いありません。「外国での生活の経験を生かして…」などと口で言うのはたやすいですが、その生かし方もよくわからないのではないでしょうか。私の手を離れてしまったら、私には祈ることしかできません。でも、精一杯、Rさんに幸あれとお祈りします。

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休みだけど

12月21日(月)

昼(といってもかなり夕方に近かったですが)に外に出ると、門松が据えられていました。なんだかわけのわからないうちに2020年が暮れようとしていますが、新しい年が近いんだなあと思いました。

明日は期末テストで、その後、学生たちは休みに突入します。その前に進学クラスの学生の気持ちを引き締めてほしいと頼まれました。そのクラスはまだ行き先が決まっていない学生がほとんどで、正月休み返上でどうにかしないと、卒業式が来てもどうにもなっていないかもしれません。

「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」です。今楽しんでしまうと、後で苦しくなります。今は苦しくても、後で楽しい時が必ず来るものです。そういう思いを学生たちに訴えました。

盛んにうなずいている学生もいれば、線がつながっているとは思えないような顔つきの学生もいました。でも、ここで楽に走ってしまうと、卒業式には別の意味で涙を流さなければならなくなります。旧正月を祝う習慣の学生たちには、1月1日の正月返上はさほどでもないでしょう。だから、ここで精いっぱい踏ん張って、自分たちの正月を心から祝えるようにしてもらいたいです。その時期にも決まっていなかったら、もちろん、旧正月もへったくれもありません。日本人の受験生だって元日から勉強するのですから、留学生も負けてはいけません。

週末に届いたEJUの成績を渡しました。毎度のことながら、悲喜こもごもです。今シーズンはここにきて独自試験を中止する大学が出てきています。“悲”の学生をどうフォローしていくか、私たち教師も、“苦”がしばらく続きます。

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騒音

12月18日(金)

来週の火曜日が期末テストで、学生たちは翌日から年末年始の休みに入ります。学期休みや春の連休、夏休みなど、まとまった休みの直前には、休み中の生活の注意を全校一斉放送で流します。今までは事務職員が放送を担当してきましたが、今回は全員が出払っていて、暇そうにしていた私にお鉢が回ってきました。

年末年始休み直前は、今までは、一時帰国の注意をしてきました。しかし、今年は下手に一時帰国すると永久帰国になりかねません。学生たちもそれはよくわかっていますから、国内での過ごし方というか、うちから気安く出るなという話になってしまいました。

私は孤独を愛する人間ですから、出歩いたところで人込みには近寄らず、和気あいあいと会食することもありません。人気のない早朝に活動し、みなさんが盛り上がる夜の街には足を向けません。グルメじゃありませんから、コンビニ弁当やスーパーの見切り品でも十分ごちそうです。

でも、学生たちはそうではないでしょう。異郷で仲間と語らうことに喜びを感じ、また、それが息抜きや憂さ晴らしにもなります。精神衛生上は好ましいかもしれませんが、感染症対策上は最も避けなければならない行動様式です。そういう意味で、苦しい戦いがまだまだ続きそうです。

さて、私の放送は、声が響きすぎたそうです。隣のマンションから苦情が来そうだとも。先週コロナ対策の一斉放送には、聞き取りにくかったという意見がありました。ですから、マイクを、マスクに触れぬ程度に近づけ、声を張って話しました。それが効きすぎたようです。

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2つの志望理由

12月17日(木)

朝一番で、SさんのT大学の志望理由書がメールで届きました。読んでみると、先週あたり添削したU大学の志望理由書と内容がずいぶん違います。勉強したいことが全然違うのです。どの大学も全く同じ志望理由書というのも芸がありませんが、大学ごとにやりたいことがそれぞれ違うというのも困りものです。

どうやら、T大学とU大学の入りやすい学部学科を狙っているようなのです。こういうのを「嘘も方便」というのかどうかわかりませんが、なんだかデータに振り回されているような気がします。いや、データというほど客観的ではなく、噂を信じて右往左往しているというのが実情かもしれません。

受験は他の受験生との戦いです。だから、戦略的に動くことも必要です。国立大学の一斉試験日にどこを受けるかなどは、その選択が明暗を分けることだってあります。Ⅰ期とⅡ期の試験日程がある場合、Ⅰ期のほうが入りやすいことは広く知られています。こういう選択の場面でどちらを選ぶか戦略だと思います。

「受かりやすい」が第一の理由で受験校・学部・学科を決めるのは、戦略の範疇には入らないのではないでしょうか。そこに自分がなさすぎます。大学で何を学ぶかによって、その人の人生が決まることだってあります。「入れそう」だけで志望校を決めたら、一生悔いを残すことだってあるでしょう。

でも、今のSさんにこういう意見は響かないに違いありません。弱気の虫に取りつかれ、ごく狭い範囲しか見えなくなっています。焦りが前面に出ていて、冷静さが失われています。教師とはしては、一番指導が難しい場面です。T大学とU大学の志望理由が、Sさんの頭の中では1本筋が通っていることを祈りましょう。

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覚悟はよろしいか

12月16日(水)

進学コースの新入生に対して、来学期の受験講座のオリエンテーションをしました。今学期は新入生が来たおかげで、久しぶりに午後の教室がにぎやかになりました。来日し授業を受け始めた時期がばらばらだったため、今までは受験講座がありませんでしたが、来学期は早々に再開する予定です。そのためのオリエンテーションを行ったというわけです。

今学期まで受験講座を受けていた学生たちは、みんな卒業・進学しますから、来学期からの受験講座はメンバーが完全に新しくなります。先輩がいない状態で講座が始まります。新しい学生たちは、先輩の体験談を聞いたり、奮闘ぶりを間近に見たりするチャンスがないので、その点はちょっと気の毒です。

でも、何より気の毒なのは、新入生たちは時間がないことです。全員22年3月に卒業ですから、それまでに進学先を確保しなければなりません。今、レベル1の学生は、来年6月のEJUの時にせいぜいレベル3です。その日本語力で高得点を挙げるのは、至難の業です。それでも夏以降の入試に立ち向かうことが求めなれるのです。入試の際の面接では、日本語で面接官とコミュニケーションを取らなければなりません。

私が担当する理科を取りたいという学生も数名いました。1月から6月までのわずかな期間で実力を付けさせるにはどうしたらいいでしょう。私の目の前でオリエンテーションを聞いている学生たちの顔を見ながら、そんなことも考えていました。こちらも腹をくくりますが、学生たちにも相当な覚悟を求めることになりそうです。

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